未来政府

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492212288

作品紹介・あらすじ

今の政府は、40年前のOSで動いているコンピュータのようなものだ。
遅くて、処理できる問題の範囲もせまい。

こんなに世界がつながっているのに、誰も政府とつながろうとは思わない。

では、どうするか。

シリコンバレーを擁するカリフォルニア州の副知事であり、
自らも起業家としてビジネスを手がける著者が、起業のビジョナリー
たちとの対話を通じて、未来の政府の姿を描く。

●もし、お役所にシリコンバレーのアイデアとツールを取り入れたら?
市民の熱狂的参加を促す、オズボーン=ゲーブラーの「行政革命」を
超える、新しい「行革バイブル」

●新しいツールとアイデアで、市民による本当の自治を実践!
スマホ、アプリ、ソーシャルデータ、ビッグデータ、ゲーミフィケーション。
新しいツールを活用してコミュニティを改善したアメリカの事例を多数紹介。
成功例だけでなく、失敗例も紹介。

●政府はプラットフォームとなれ!
政府、行政は、みずからすべてを解決しようとしてはいけない。
持てる情報を公開して、課題の発見と解決は、市民の力(アプリ)に
委ねればいい。

●起業のビジョナリーたちの知見が満載。
J・ストッペルマン(イェルプ共同創業者)
A・ハフィントン(新時代のメディア王)
P・ディアマンディス(Xプライズ創設者)
E・ウィリアムズ(ツイッター共同創業者)
S・ブランド(『ホール・アース・カタログ』創刊者)など

感想・レビュー・書評

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  • 鮮やかな表紙にひかれてとってきたこの本は、驚くべき洞察と先見性を持つ一冊です。我々が直面している政治的な課題に対して新たな解決策を提案しています。著者は、現代のテクノロジーの力を駆使し、市民参加の枠組みを再定義することで、民主主義をより包括的で効果的なものに変革する方法を示しています。その中心には、オンラインプラットフォームを活用した政府の新たな形態があります。この本は、新しいアイディアと洞察を提供します。政治に関心のある人や未来の社会を考える人は、ぜひ読んでみてください。
    (社会・人間科学コース D1)

  • ワクワクする話がたくさん出てくるのは面白いのだが、いい面ばかり強調している感じがする。
    オープンデータを使ったサービスの多くはベンチャー企業が作り継続性に欠けることが多かったり、市長がSNSで市民のリクエストに答えていたらあっという間にそれだけで時間がなくなってしまう、というような話はあると思うのだが。

  • 協同体管理するソシャゲのように、現実世界に良い事が出来るはず。というのはその通りだが、ゲームで動かせば良いの指だけで、現実世界では身体を動かす肉体労働必要があるので、同一とは言えない。
    指を動かす命令だけで現実世界に影響できる領域からならば始めやすい。

  • 大統領選が展開されたアメリカの話を聞いてもなぜあんなに時間がかかるの?と仕組みが理解できなかったが、この本を読んでもわからない(笑)
    だが、政府(官)が一生懸命世の中を良くするためにしようとしても、予算も時間を無い為うまく行かないが、オープンにすることで民間主導で様々な解決策が手弁当で作り上げられる。
    すべてがそのようにうまくいくのかは、わからないですが、うまくいくケースも多く、事例が事例を呼び広がっていくのではないか。
    日本でもそのような動きが出ていると思う。PDFではなくCSVファイルでデータがオープンにされる事もその一歩。マッシュアップされたアプリが世に出てくるようになり、更に使いやすく改良が繰り返されるというのもすばらしい。

  • 未来を考えようシリーズ。起業家でもあり、30代でサンフランシスコの市長に就任し、ICTを活用して数々の行政改革を実現してきた氏による著書。成功事例の羅列かと警戒しながら読み進めたが、著名経営者や市民活動家、連邦の政治家との対話など、氏の真摯で率直な考えが滲み出ていて、そうそうこういうことなんだよと膝を打つ。もちろん、事例そのものも参考になるので、多くの行政マンや活動家の参考になるだろう。巻末のまとめに「国より市単位の方が、身近であり成果も見やすいので参加意識を高めやすい。その分、地域のリーダーは結果責任を問われる」とある。国に対する不信感・乖離感が高まる中で、今後は市単位の活動が活性化するのではないだろうか。

  • いまでこそ「特区」であったり「産学官連携」という言葉が主流になりつつあるが、でも政府はどこかアナログ。しかも「規制」という大ナタをちらつかせているうちは、本書が提言するような真の民主主義とは程遠い。かといって「政府はプラットフォームを提供し、その中で民間の力を活躍させよ」という考えも手放しで共感することはできない。ミルトン・フリードマンの新自由主義を彷彿させるようで何か気持ち悪い。

  • 著者は元SF市長で現カリフォルニア州副知事。理想の政府として、プラットフォーム型政府を提唱。オープンデータ活用と関連して、日本でも注目され始めた考え方だ。ただ、それがそのまま日本で通用するかは未知数。なぜなら、日本では行政を自分事と捉える風潮が米国より弱いからだ。公的サービスはお上から与えられるという感覚があり、受益と負担の連関意識も弱い。オープンデータを市民が自ら活用して問題解決を図ろうという機運が盛り上がるのかは不明だ。先行自治体は鯖江市で、市民にどの程度この機運があるのか気になるところ。

  • 行政にITを活用する試みの紹介。
    ミレニアル世代はプライバシーの意識が低い。
    政府の課題の多くは外部からの提案で解決する時代が来る。そのためアイデアコンテストは重要。

  • [二進法で政府]21世紀型のテクノロジーを20世紀型の政府に接ぎ木し,行政の刷新を訴える一冊。現在の政府は旧式のOSで動くコンピュータのようなものと指摘し,新たな政治の可能性を模索していきます。著者は,カリフォルニア州第49代副知事を務めたギャビン・ニューサム。訳者は,映像メディアの翻訳も多く手がける町田敦夫。原題は,『Citizenville: How to Take the Town Square Digital and Reinvent Government』。


    自分の問題意識と重なるところを突いてきたタイトルと紹介文だったので思わず購入。アメリカの,しかもシリコンバレーの位置するサンフランシスコですら試みは道半ばであることに少し驚きつつ,新しい技術と,それに伴う新しいアイデアの導入の実例を知ることができました。

    〜21世紀の未来的な最新テクノロジーによってのみ,私たちは昔ながらの「コモンウェルス」(コミュニティに存する公共の善や福祉)の概念を取りもどすことが望めるのだ。〜

    あまり日本に類書がない気もするので☆5つ

  • 理解が追いついてない部分もあるけど、面白かった。これだけ個人同士がつながったりコラボしたりできるようになったのに、テクノロジーの進化によってビジネスの世界もどんどん変化しているのに、政治の世界、政府や行政が関わる領域だけ時が止まったかのようにアナログのまま。もっともっと変えていける、市民たち自身が変えていきたくなるには何が必要?すでに変わってきているところの事例、出てきている色んなアイデアがたくさん紹介されていて、これが実現してどんどん広がっていったら面白くてワクワクして、そして生きやすい社会になるんじゃないかな、って思った。

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著者プロフィール

ギャビン・ニューサム
カリフォルニア州49代副知事
アメリカの政治家。民主党所属。カリフォルニア州第49代副知事。1967年生まれ。サンタクララ大学卒業後、サンフランシスコのベイ・エリアで17のスモールビジネスを手がけた起業家。プランプジャック社を立ち上げ、ワインショップの経営に携わる。
2003年、36歳の若さで第42代サンフランシスコ市長に選出。同市長として、2004年、同性婚カップルにアメリカで初めて結婚証明書を発行し話題になり、2度目の選挙では72%の得票率で圧倒的な勝利を収める。
2005年、世界経済会議のヤング・グローバル・リーダーに選出。元大統領のビル・クリントン、『ホール・アース・カタログ』創刊者のスチュアート・ブランド、口コミサイト「イェルプ」の共同創業者ジェレミー・ストッペルマン、Xプライズ財団チェアマンのピーター・ディアマンディスなど、そうそうたる面々との対話を通じて書き上げた本書は、アメリカで話題となった。

「2016年 『未来政府 プラットフォーム民主主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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