人生はどこでもドア: リヨンの14日間

著者 :
  • 東洋経済新報社
4.02
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本棚登録 : 775
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492046371

作品紹介・あらすじ

「魂の退社」「寂しい生活」に続く書き下ろし。 

今回の内容は、あえてなんの準備もせずに、もちろんフランス語なんてできない状態で、フランスのリヨンに行って14日間滞在したという旅行記。
旅の目的は、「現地でしっかりした、日本と変わらぬ生活をすること」。それはすなわち「周りの人としっかりコミュニケーションをとってつながること」。

日本語が通じない異国の地だと、その人の「在り方」というのがむき出しになり、より本質的な人との関わり方の姿勢が問われることになる。稲垣氏は、その試行錯誤の中で「人とつながることの幸せの形」を見出している。

その様子が、稲垣氏独自の軽快な文章で表現されていて、笑わせてくれたり、ホロっとさせてくれたり……と、とどんどん引き込まれていくうちに、最後は感動させてくれるものとなっている。

また、エアビー(民泊サイト)の利用法を始め、ホストとのつきあい方や、フランスのネット事情、マルシェ(市場)の様子、買い物の仕方、カフェの様子など、海外の民泊を利用しようとする人や、フランス旅行をする人に参考になる情報も満載となっている。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったあ!
    一気読み。

    著者がリヨンで経験した2週間。
    こんなふうに暮らしたら面白いだろうなあ
    とか、そういうことじゃない。

    受け入れられるって、どういうことなのか、日常を通してよく考えてみるっていうところが秀逸。

    つまりは感謝されるってこと。
    相手に興味をもち、
    話しかけて
    できることがあれば協力する。
    そういうことが自然とできたら、
    もっと暮らしやすくなるのだろうかな、
    と考えながら読みました。

    でも、それが難しいんだよねえ。

    イナガキ式マルシェ攻略法がよかった。
    これはどこでも同じだと思う。

    ①姑息な買い方をしない。
    いいなと思った店でしっかり買う。

    ②多少高くても本当に買いたいものをきちんと買う。
    たかだか数百円。
    間違いないわ。

    ③無理矢理でも何かしゃべる。
    商品について興味をもてば、何かしら話せる。

    フランス人から笑顔をゲットする方法も面白い。
    ①道を譲る。
    ドアを押さえるのもいいよね。

    ②お年寄りに狙いを定める。
    大事よね。

    ③細かいお金を揃えて払う。
    海外でもこれができたらすてきー!

  • アフロえみこさんがリヨンの街で2週間「普通の暮らし」をするという、かわいいエッセイ。フランスの方々に受けもらえてもらうために、些細なことまでもえみこさんの気遣いが微笑ましくて本当に可愛らしい方だと思った。友達になりたいな…。

  • 著者、稲垣えみ子さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    稲垣 えみ子(いながき えみこ、1965年 - )は、日本のジャーナリスト。朝日新聞大阪本社デスク、朝日新聞論説委員、編集委員を歴任後、2016年に50歳で依願退職しフリージャーナリストになる。

    で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)

    「魂の退社」「寂しい生活」に続く書き下ろし。 

    今回の内容は、あえてなんの準備もせずに、もちろんフランス語なんてできない状態で、フランスのリヨンに行って14日間滞在したという旅行記。
    旅の目的は、「現地でしっかりした、日本と変わらぬ生活をすること」。それはすなわち「周りの人としっかりコミュニケーションをとってつながること」。

    日本語が通じない異国の地だと、その人の「在り方」というのがむき出しになり、より本質的な人との関わり方の姿勢が問われることになる。稲垣氏は、その試行錯誤の中で「人とつながることの幸せの形」を見出している。

    その様子が、稲垣氏独自の軽快な文章で表現されていて、笑わせてくれたり、ホロっとさせてくれたり……と、とどんどん引き込まれていくうちに、最後は感動させてくれるものとなっている。

    また、エアビー(民泊サイト)の利用法を始め、ホストとのつきあい方や、フランスのネット事情、マルシェ(市場)の様子、買い物の仕方、カフェの様子など、海外の民泊を利用しようとする人や、フランス旅行をする人に参考になる情報も満載となっている。


    しっかりした準備もせずに、海外に行ってしまう。
    たくましい方ですねえ。

  • 旅行の本が読みたくて手に取りました。

    海外で暮らしたいと思っていた著者が、2週間限定でフランスのリヨンで1人暮らしをした経験を紹介されています。

    人と仲良くなるのが上手な方だと思いました。
    街の人を観察してどうしたら仲良くなれるか工夫されるところが凄いです。

    「リヨン=江戸?」のお話が特に印象的でした。

  • 暮らすように旅をしたい、、、最近そんな風に思うようになった私に
    ドンピシャリな一冊でした。

    キッチンのある部屋に長期滞在し、マルシェで買い物&カフェで読書。
    観光地巡りなんてしなくても、生活そのものが旅の醍醐味になる。
    言葉のわからないフランスで、稲垣さんは四苦八苦するけれど
    語学力があったって、地元の人たちと交流できるとは限らないもんね。
    (要はコミ力)
    コミ力の塊のような稲垣さんのおかげで、人と人をつなぐ大切なものが何なのかを再認識するに至りました。

    ぜひまた、別の土地でのどこでもドアをシリーズでお願いしたいです。

  • 稲垣さんの本は初めて読みました。
    何も準備をせず、1人で旅に出るというのに惹かれて。

    民泊っていう手段もいいもんだなと。
    今回ホストが、ニコラさんという本当に素敵な方だったからこその旅だったと思う。
    まったく別の方だったらどうなったか。

    人生はどこでもドアか~
    確かに勇気をもって1歩踏み出せば、どこにでも行けてどうにかなるもんなんだろうな。
    万が一を考えてしまうから、どこにも行けない私がいます。

    2週間のリヨンの生活。何か凄い事が起こるわけでもないけど、楽しく読ませていただきました。

  • めっちゃ笑った。そして最後にちょっとだけ泣いた。

    リヨンという見知らぬ土地で、いつもどおりの「生活」をする。言葉にするとただそれだけのことだけれど、2週間の旅の中で起こった出来事ひとつひとつが冒険で、宝物のようにきらきらと文章のはしばしから光を放っている。

    私が考える良い本の条件に、「読み終わった後、ほんのちょっとだけ何かが良くなった」ような気持ちにさせてくれる本、という基準があるのだけれど、これは間違いなく良い本。

    軽妙で楽しい文章で、私自身も一緒にリヨンを旅させてもらったような気分になった。

  • 稲垣えみ子さんの本は、「もうレシピ本はいらない」(2017)「老後とピアノ」(2022)に続き3冊目。この本は、2018年なので、2冊の間に書かれた本ですね。

    いやー、私は稲垣さんの文章が大好きだと思った。
    心の叫びをこんなに的確にわかりやすく言葉にしてくれて、本当にこの人は文章の天才だと思う。

    作者がフランスのリヨンで2週間滞在したときのエッセイなのだけども、

    共感してしまうところが多くって、胸が熱くなる。

    観光地を巡ったりショッピングで買いあさったりする旅ではなく、旅先とそこに住む人たちをリスペクトし、自分を大切にしつつ生活するような旅。

    最高じゃないですか。

    稲垣さんは台所付きの民泊を借りて、自炊をする。せっかく海外に来たのだから素敵なレストランに行くのもいいかもしれないけれど、自炊のメリットは、
    (1)疲れない(外食ばっかりだと胃も舌も疲れてしまう)
    (2)マルシェで買い物ができる
    (3)安くすむ
    …いや、ほんとに素晴らしいよね。

    稲垣さんは行かなかったけど、基本は自炊にして、時々レストランに行くとかにしたら、旅はもっと楽になると思う。(私は胃が弱いので、だいたい旅では疲れであまり食べられなくなる。)


    私も旅に出ようと思ってるんだけど、稲垣さんのような旅がしたい。

    この本を読んで、民泊って使ったことなかったけど、なんてすばらしいんだろう!と感動した。もちろんいろんなホストがいるだろうし、中にはあんまりよくない民泊もあるかもしれないけど、この本によれば、エアビーというサイトがあって、多くの人が良いレビューを書いているところを選べば大丈夫とのこと。

    めっちゃすごくない!?
    絶対やってみたい!!

    稲垣さんはこの本の中でよく「感じよく」という言葉を使う。それが素敵だと思った。私は人に振り回されるのが嫌だから、人からどう思われようと、自分のやりたいようにやる!となりがちなので、特に旅先では、ちょっとぐらい「感じよく」あろうと努力したほうがいいかもしれない。

    旅に出る前にこの本が読めて良かった。

    あとね、稲垣さんの持ち物に「夜の暇つぶしの縫い物」ってあったんだけど、最後にそれは、ホストへのプレゼントのショールになる。

    素敵すぎませんか?

    縫い物が趣味というのも素敵だし、それをプレゼントにできるっていうのも、もう驚愕。

    縫い物や編み物には精神安定作用があると聞いたことがあります。私もやりたいなぁって、心から思った。

  •  アフロの稲垣えみこさんがリヨンで生活した2週間を書いたエッセイ。面白くてあっという間に読んだ。
     どこでもドアでよその国に飛び出し、いつもの自分通り生活して、そこに前から住んでいる人に薦められたものを食べたり見たり、自然体で過ごせたら楽しいだろうな(女一人がエアビーで民泊に泊まるのは心配ないのだろうかと、小心者の私は不安に思うのだが)。気負わずちょっと出かける感じで旅できたら・・・と旅心を刺激された。
     稲垣さんの素晴らしいところは、旅を通じて自分が何を求めて毎日生きてきたかに気づくところ。旅は決して変身の場ではなくて、むしろ本当の自分が現れる場なのだ。

  • どきどき何も持たずに一人旅。こんな旅もいいかも。フランスにはナイフを持っていこう。

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著者プロフィール

一九六五年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社で大阪本社社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員を務め、二〇一六年に五〇歳で退社。以来、都内で夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしのフリーランス生活を送る。『魂の退社』『もうレシピ本はいらない』(第五回料理レシピ本大賞料理部門エッセイ賞受賞)、『一人飲みで生きていく』『老後とピアノ』など著書多数。


「2023年 『家事か地獄か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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