なんのために勝つのか。 (ラグビー日本代表を結束させたリーダーシップ論)

著者 :
  • 東洋館出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784491031682

作品紹介・あらすじ

リーダーがすべきことは何か、真のリーダーシップとは何か-高校、大学、社会人、そして日本代表の主将を務めた著者が明かすチームをひとつにまとめる秘訣とは。エディージャパンの4年間、さらにはW杯での躍進の裏側まですべてを書いた一冊!

感想・レビュー・書評

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  • 自分は元ラガーマンではあるが、もう10年近くプレーしていない。そんな自分でも、今年は、ラグビー経験者としてこれ以上ない誇りを感じた一年だった。
    久しぶりにラグビーマガジンを買ったり、ラグビー特集が企画された雑誌があると知ればそれらを買いあさってみたり。まさににわかラグビーファンである。
    そんな中、今の時代なら、ラグビーもビジネス界で注目されるだろうとは感じていた。組織論だったり、リーダーシップだったり、主体性だったり、ラグビーは社会人としての基盤が多いに詰め込まれたスポーツだと考えているからだ。
    そこで、この著書である。この本は、見ての通り、ラグビー選手である廣瀬さんの経験に基づくリーダーシップ論であり、理論やデータによって体系立てられたものではない。
    しかしながら、初めて本を書かれたとは思えないほど読みやすい文章と構成であり、そこから滲み出てくる彼の熱い想いがビシビシと伝わって、胸を打たれた。そして、彼が記す多くの考えに、賛同できた。
    特に印象的だったのは、「リーダーとはプレーで引っ張るだけではいけない」という、彼の経験・反省からくる示唆であった。(個人ではなく)チームとして大義を果たすためには、ビジョンや価値観の共有が大切であり、そのためには「語りかけるリーダー」が必要なのだという。リーダーが頑張っている姿を見せるということも重要なのだろうが、それよりも自分の言葉で、自分の想いをチームに語りかける必要性が何度となく説かれている。特に、「自分のことを包み隠さず」「自分をさらけ出す」ということが重要らしい。
    自分もこれまではどちらかといえば「背中を見てくれ」というタイプであったが、これからは、自分の考えを伝えるということを肝に銘じておきたいと強く思った。
    最後に、ラグビーというスポーツが持つ、人間育成の場としての素晴らしい一面が、もっともっと世間に周知されていけばと願う。

  • 先日聴いた講演会の「キャプテンシー」と内容は被るけど、改めて考えさせられる本でした。まず、大切なのは大義。「大義があればチームは動く」「勝つためにプレーをするのではなく、勝つことでファンにラグビーのすばらしさを伝えること」という意味での大義。考えてみたら、この本のタイトルでした。試合に勝つこと、ワールドカップでベスト8に入ることは「目標」かもしれないけど、そうした目標をもつ真の「目的」は何なのか?ということですね。確かに、金メダルを取ることを目標に頑張るアスリートは多いと思うけど、金メダルを何のために取るのか?を考えることはあるのかなとか思ってしまう。もちろん、個人として大義、目的は大事なのだろうけど、チームでプレーする場合はその根幹のところが共有できないと「チームのために」というマインドが働きづらいということなのかもしれない。もちろん、大義を共有するだけでは勝てないから、それをやりきる覚悟とビジョン(この場合は差し当たっての目標)、実現するためのハードワークが必要という流れだ。まあ、ハードワークが基本なのだろうけど、ハードワークするためには覚悟と当面の目標が必要ということだと理解した。チームの全員が共通の大義と目標に向かってハードワークをする。そこに信頼関係と思いやりが生まれるという仕組みだ。
    あとはキャプテンとして気を付けたこと。これも細かくはあるけど「場」というのがキーワード。一つはチームの中にその人の存在する場所(役割)を与えるということと、準備が大事なのだけど準備を共有する「場」というのがあったと思う。試合の前日にみんなで靴磨きをする。しっかり準備をする。そういう場を共有する。確かに良い習慣だと思う。
    ワールドカップで日本代表が勝った。勝つためには綿密な戦略とハードワークがあった。そこにはそれを支える大義とチームとしての覚悟と信頼関係があった。と要約すると簡単すぎるかな。大変面白かったです。

  • 素晴らしいラグビーをするためには、ラグビーの練習をするだけではダメだ。
    目に見えない準備や人間関係構築がとても重要。

    著者自身は途中で日本代表のキャプテンを外れることになる。ワールドカップで試合に出ることもなかった。

    自分が思う未来が手に入らないとわかったとき、現実とどう向き合ったらよいか、広瀬さんは教えてくれる。
    大義があったからこそ、冷静に現実と向き合い、プレーではなく、サポートでチームに貢献することに全力を注げた。その姿がチームメイトを始め、たくさんの人の心を打った。

    ラグビー選手でなくなってからの人生のほうがずっと長い。彼がこれからやりたいと思うことに、沢山の人が手を差し伸べると思う。

  • 同級生が執筆した本。
    あの激闘の裏に積み重ねた努力がどれ程のものか、よく分かった。
    ビジネスにも通じる内容。勉強になりました。

  • 企業における組織づくりとして、学ぶことが多かった。共感することが多くあった。
    勝つことを目的にすると、勝てなかった時に何も残らないというのは企業活動もまさに同じで、やはり大義が重要だと思った。
    また、チームづくりにおける考え方も、これからの時代に必要な要素がたくさんあると感じた。
    文武両道で、本当に賢い方だと思うが、これだけ読みやすい文章に落とし込まれていることに、廣瀬さんの人間力と凄さを感じた。

  • 勝つチームには「大義」があり、その下に「覚悟」「ビジョン」「ハードワーク」が必要。大義は迷った時に立ち戻れる場所でもあり、大義を実現するために勝たなくてはならない。
    これをこれまで志と呼んでいたが、勝つ目的や迷った時に立ち戻れる場所があれば、苦しい時に踏ん張りもきくと思う。アスリートからは多くの事を学べる。

  • 文句は有りません。無いんだけど、まあ、文武両道で性格も良いとなると、あまり参考にならないんですよね…笑

  • 出版されてから5年後の2020年に読んでも全く色褪せない。

  • ご存知の例のドラマでこの方を知りました。ラグビーというスポーツはハードでありつつ緻密な戦術とチームプレーが大事。そんなチームをまとめるキャプテンの考え方に興味を持ち手に取りました。
    大義を持ち、それを共有化する。そしてそのために覚悟とハードワークを怠らない。やはりチームとしての指針というか目指すべき所というのを明確化する必要性を感じた。

  • 大切なのは大義。「大義があればチームは動く」「勝つためにプレーをするのではなく、勝つことでファンにラグビーのすばらしさを伝えること」という意味での大義。

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著者プロフィール

1981年、大阪府生まれ。元ラグビー日本代表キャプテン。2007年に日本代表選手に選出され、12年から13年までキャプテンを務める。ポジションはスタンドオフ、ウイング。現役引退後は株式会社HiRAKUの代表取締役として、ラグビーに限定せず、スポーツの普及、教育、食、健康に重点をおいたさまざまなプロジェクトに取り組んでいる。
株式会社HiRAKU https://hiraku-japan.com/

「2021年 『ぼくラはばラばラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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