- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784490210903
作品紹介・あらすじ
日本は全土が、世界でも類を見ないアメリカのための「基地国家」である。そこには平和憲法と⽇⽶同盟という⽭盾が同居しているが、本書は朝鮮戦争を機にアメリカ軍の駐留を日本政府および国民が望むに至った過程に迫る。
感想・レビュー・書評
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2000年の博論を2016年に韓国で出版、補論を加筆の上で2023年に日本語版を出版したもの。
戦後日本は朝鮮戦争に参加し、日本人の自画像である平和国家ではなく、「基地国家」(軽武装・基地提供の日米安保という吉田路線)として形成された、というのが著者の主張。朝鮮戦争との関わりでは、米軍基地の拡大に後方支援、掃海作業、再武装といった面に加え、武器生産や重工業回復という「特需」面も論じる。共産党や在日朝鮮人の闘争まで論じると手を広げ過ぎで焦点がぼけたようにも感じるが。
著者はこの「基地国家」化に批判的なのを感じるが、当時「戦争国家」にならず「基地国家」に留まった点はlesser evilとして肯定的に評価しているようだ。同時に、丸山眞男に代表される「戦後平和主義」にも、現実を直視しなかったとして批判的。
また著者と訳者は、安倍政権以降の日本を「普通の国」化として批判し、2018年の「朝鮮半島平和プロセス」を高く評価。ただ、北朝鮮側の責任に触れていない点と共に、文在寅政権への過大評価をも感じる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/710132 -
東2法経図・6F開架:210.76A/N47k//K