- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488698140
作品紹介・あらすじ
惑星コマールのミラー衛星に貨物船が衝突、七個の衛星のうち三つを破壊してしまった。破壊工作だとしたら、いったい何のために?地球化事業省に勤務する夫をもつエカテリンは、調査のためにバラヤーからきた皇帝直属聴聞卿の伯父の同僚を見て仰天した。九歳の息子と同じほどの身長。前摂政の世継ぎだというマイルズ・ヴォルコシガンはミューティーなのか。人気シリーズ最新刊。
感想・レビュー・書評
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マイルズ嫁取り物語前編。
マイルズに釣り合った女性を創作するとこんな経歴である必要があって、そんな経歴の女性と知り合ってお互いを無理なく意識するようにお膳立てしていくにはこんな事件が必要で……というのを計算してからそれに沿ってストーリーを作ったよという印象。いや、物語そのものも面白くはあるんだけど、前作「メモリー」までの、マイルズを打ちのめしてから救ってやるといういつもの流れとは違ったのでちょっと戸惑った。そういうわけで今回のマイルズは特に成長しません。残念。
嫁取り物語後編「任務外作戦」を早く読まねば!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コマールのミラー衛星に貨物船が衝突し、7個の衛星中3個が破壊されてしまった。これは事故なのか事件なのか。正式に聴聞卿となったマイルズの初仕事。
ヴォルコシガン・サーガ第2部スタートといったところでしょうか。デンダリィ傭兵隊もネイスミス提督も全く出てきません。
うまくいかない夫婦関係に限界を感じているエカテリンと、衛星破壊の調査をしつつも子持ちの人妻エカテリンに惹かれるマイルズ。以前は若気の至りみたいな勢いがありましたが、良くも悪くもかなり落ち着いた雰囲気になっています。これまでは主役の目線から語られていたのが、『ミラー衛星衝突』ではエカテリンとマイルズ2人の目線で構成されているのもこれまでと違うところ。
表紙カバーのイラストは好きになれないけど、人妻に悶々とするマイルズという雰囲気はすごく出ていて、これはこれでいい。 -
ミステリー風のストーリー展開の上巻。
今回のヒロイン、エカテリンの夫婦関係の様を描くくだりは、SFであることを忘れてしまいそうになるほど、心の底に自立心を秘めた女性の鬱屈した心を丁寧に描いている。
そんなこんなでのんびりした様も、上巻ラストで急展開して緊張感あるサスペンスに。
下巻が楽しみ。
安定した作家の作品は、読んでいても迷いがなくて楽しい。 -
惑星コマールに太陽光を補っているミラー衛星が事故で破損。どうやら何らかの企みが、まぁマイルズの活躍開始なんだけど、恋愛が絡みそうで、どうなることやら。相変わらずテンポの良いストーリーで楽しんで読める
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とりあえず上巻読了。あまりに久々の続編すぎて、この世界の設定を結構忘れてしまっている(~_~;)。本棚から古いの引っ張り出して読み直すべきか。
それにしても相変わらず読みやすい。 -
語り口の上手さについては、抜群の安定感があります。話自体は、スペオペというよりメロドラマの感がありましたが。
タイトルは原題どおり「コマール」の方がよかったんですが…。 -
まずこの作品がシリーズになっていて,この「ミラー衛星衝突」はビジョルドの作品として11作目 にあたるとわかって,他の作品が気になりましたが
今から11の作品を読むのも無理かなと思い,でもやはりすっきりしなくて,読みながらいろいろな方のシリーズの作品の書評を読んだり,過去の作品を図書館で借りてみたりしました。
しかし,その必要はないです。
なぜなら,アメリカでの発表順がストーリー上の作品の時系列順には発表されていないからです。しかも,私のようにこの作品から読む人のためにか,下の最後には「ヴォルコシガン・シリーズの年譜」というものが掲載されており,この年表を見てから読めば,十分です。
さて,話の内容ですがエカテリンとエティエンヌの夫婦の会話とエカテリンとヴォルコシガンの会話の温度差がおもしろい。
エカテリンが夫のエティエンヌとの会話では,会話と心の「ずれ」が時間とともに大きくなり,心理的な距離も離れていく。しかしそれとは反対に,エカテリンとヴォルコシガンの会話は時間とともに,言葉と心がかみ合うようになっていく。しかもいたるところに品のいい「皮肉」やジョークが適度に散りばめてあり,作品を飽きさせないようにしています。
SF作品ですが,細かい描写,イメージできる描写で書かれているので映像を自分でイメージしやすく,入り込みやすいです。
最後に,最初にも書いたのですが,やっぱり他の作品も探しておいたほうがいいかもしれません。なぜなら,作品を読み終えてすぐ,「遺伝子の使命」を読んでいます。「メモリー」も借りてきていてよかったです。必ずシリーズ作品,全部読みたくなります。