- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488608057
作品紹介・あらすじ
その昔、地球上に横行した古代の生物は絶滅したのだろうか? アマゾン流域で死んだアメリカ人の遺品の中から、有史前の生物を描いたスケッチブックが発見されるや、勇猛果敢な古生物学者チャレンジャー教授は、“失われた世界”を求めて勇躍アマゾン探険に赴いた。巨匠コナン・ドイルが描く不朽の名作、“ロスト・ワールド”。
感想・レビュー・書評
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8、9ページのような遊び心を見るだけで、いやが上にも期待は高まる。個人的には、どうでもいいように思われる部分(失礼)に力を入れることで臨場感を高め、「さあ、思う存分、楽しんでくれよ!」と言われている気分だ。
ちなみに、「チャレンジャー教授」が調査隊を率いてと、あらすじには書いてあるが、実際のところは、正気の沙汰ではないと、「サマリー教授」に疑われたチャレンジャー教授が、一緒に行って証明してやるとばかりに、他2名を証人代わりに加えたというだけのことであり、一名は頼れる冒険家、「ジョン・ロクストン卿」、もう一名は、すでにチャレンジャー教授と拳で語り済みの新聞記者、「エドワード・D・マローン」で、ついでに書くと、マローンの動機は女である。
また、チャレンジャー教授の性格が、傍若無人、傲岸不遜、厚顔無恥、更に暴力的と、手に負えない個性の持ち主で、並の人間では到底太刀打ちできず、彼と一緒に長い間、同行することができた他の3人は、ある意味、調査隊のメンバーとしては、うってつけだったのだろう。
そう、実際に彼らの冒険はすごかったのだ。1912年の作品とか関係なく、読んでいてワクワクしたし、「ストランド・マガジン」の挿絵に浪漫を感じられた。何かこういうタッチの絵は、幼い頃読んだ海外ファンタジーものを思い出して、懐かしさもこみ上げてくる。
「シャーロック・ホームズ」でお馴染みの、「アーサー・コナン・ドイル」が書いたSF冒険ものは、チャレンジャー教授という、ホームズと相反するように見えて、実は頭脳明晰(最後の置き土産はある意味、彼の性格をよく表している)、かつ、行動派でマイペース、ごくたまに情を見せる、等々、共通点もある、印象的な主人公に、物語全体に漂う上品なユーモアが加わることで、ジャンルは違えど、ドイルの変わらぬ人となりを感じることができたのが、私にとっての収穫でした。
ただ、ユーモア度に関しては、こちらの方が上だと思う。共感できる男のしょうもなさと哀愁感がたまらなくて・・エンディングは絶品だったねって、えっ、これって続編あるんだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シャーロック・ホームズの著作で有名な著者の「ロスト・ワールド」もの。冒険に至るまでに全体の1/3もページ数を割いており、はじめは少し焦ったく感じます。その分、冒険に参加する四人の性格が丁寧に書かれているので、物語が進むほどにキャラの発言や行動が際立っていき、気が付けば夢中になって読んでいました。
内容としては、恐竜以外の展開が多かった気がするので、もう少し恐竜の話しが充実していたらなという思いは残りました。しかし、恐竜の生息域にいた猿人の存在とその終局を思う時、現代にホモ属がホモ・サピエンスしか残っていない理由を垣間見た気がして興味深かったです。
ところで、意外に思ったのが「地図上に大きな空白地帯が皆無の現代において冒険譚が、生まれる余地はないのだよ」という語り手の新聞記者の上司の言葉。この作品が発表された1912年当時、すでにこのような認識が持たれていたことに驚きを感じました。
ちなみに、この作品の40年前に、ジュール・ヴェルヌが『八十日間世界一周』を発表しています。少なくとも、明治維新の頃には自由に世界を行き来できていたので、本作発表当時の人々にとって「人跡未踏の地など無い」という考え方が一般的だったのでしょう。そういう考えを伏線として利用してこの冒険譚が書かれており、最後にはきちんと回収されているのがいいですね。 -
南米大陸に周囲の環境から隔絶された秘境が存在していた!それは文字通り正真正銘の“陸の孤島”だったのである!そしてそこには絶滅したはずの前世紀の恐竜が生息していたんだよ!な……、なんだってえ~~~!探検隊を組織して調査に向かうチャレンジャー教授一行!その前途に待ち受ける数々の試練!人類と類人猿の間をつなぐミッシングリンクの猿人がせめてきたぞ~っ!おおっとサマリー教授ピーンチ!猿人と長年に渡って抗争を繰り広げてきたインディオ達はついに最終決戦を決意するのだった!!天下分け目の関ケ原!チャレンジャー一行はこの最終戦争に否応なく巻き込まれていくのであった!果たして探検隊員は生きて帰ってくることができるのか!?
20世紀少年少女SFクラブ
S・ホームズの良きライバルであるかの教授が大活躍!『失われた世界』
https://sfklubo.net/the_lost_world/
編集後記&参照リンク集&コメントコーナーなど
https://sfkid.seesaa.net/article/482093349.html -
恐竜などを探す旅
登場人物が個性的でストーリーも面白かったです! -
933-D
文庫 -
南米大陸に実は恐竜が生息していた、というロストワールド的なお話。
昔の時代の装備で、ロストワールドまでたどり着き、そこを探検する様が、時代を感じると共に、楽しく読める作品。
ただ正直、今読むと、すげーという程ではない。が、時代を考えると、SF作品の走りとして凄かったんだろうなぁという印象。 -
個性的なキャラクター達の冒険小説
現代にも恐竜が生きていると述べた教授の証言を確かめる為に未知の土地へと探検旅行をする話で、未知の世界の恐竜達には胸を高鳴らせました。
あの場所ではどの様な生態系が築かれていったのか、そしてどうしてそうなったのか等の考察や伏線の回収が素晴らしかったです。
恐竜はやはりロマンの塊ですね。
読了後、自分の知らない未知の世界への想像が膨らみました。