ウロボロス (創元推理文庫 F エ 1-1)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 69
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (702ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488538019

作品紹介・あらすじ

高貴にして文武に秀でたる修羅王国ジャスは、恐怖と権力の化身、魔女国大王ゴライス11世が臣下の礼を要求するもこれを拒絶、弟のブラスコ卿は、格闘仕合で大王を屠り去ってしまった。ゴライス12世が即位するや、ジャス王一行の上に魔物をつかわし弟を拉致、かくして水星を二分する戦乱の火蓋が切って落とされた! 英雄ファンタジィの超大作!

感想・レビュー・書評

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  • いまどきない、凝りに凝った翻訳が楽しめる。
    内容的にはありがちなファンタジー国盗り合戦物語だが、風景描写や丁寧な作り込んだ会話に読みがいがある。
    最初がとっつきにくく、はまり込むまでに時間がかかる、かかるが、流れに乗るとそのまま大団円に向かい、そして最後にウロボロスがやって来る。これが他のストーリーにはないウロボロスなところというのか最後にわかるので、ネタバレ志向の方は最後をごまかして読んで納得し流れ読み進むのも面白いかもしれない。山に関する単語がこのようにたくさんあるのは知らなかった。
    得ることの多いほんではある。

  • 「指輪物語」以前の作品で、ファンタジーのクラシック
    とも言えるのもの。古い作品であるということだけでも
    若干読みにくいのだが、その上、原書は擬古体という
    古い英語によってかかれており、日本語訳もその点を
    活かそうとした訳なのでさらに取っつきにくくなって
    いる。文章量も多いのでちょっと覚悟を決めて読み始め
    ないと挫折しそうなほどだ。

    だが、読み出すと実に面白い。キャラクターもそれぞれ
    魅力的だし、神話をも思わせる物語の雄大さは秀逸。
    導入部の仕掛けが途中で全くないものになってしまう
    のもプラスにはなって無いとしても決してマイナスとは
    思えない。戦記物としての側面もあるし、叙事詩のよう
    な美しさもある。指輪物語を完読した人間ならぜひ手を
    出して欲しい本だ。

    悪役でありながら実に人間らしい振り幅のある魔女国の
    登場人物に対して、愚直で正々堂々、それでいてとてつ
    もなく強い、あり得ないくらい英雄然とした修羅国の
    登場人物描写に何となく違和感を持ちながら読み進めて
    いたのだが、それが最後のどんでん返しですとんと腑に
    落ちてきたのが実に気持ちよかった。本当に「修羅」国
    なのである(ネタバレギリギリ(笑))。

  • ヒロイック・ファンタジー群像劇。
    けっこう長いこと品切れ状態のようで、ぽろっと大阪で見つけた。
    あとがきによると、原書は擬古文で書かれているそうで、本書の訳文もやや古めかしい調子。いっそ鷗外か鏡花の文体模写で……とも思ったが、色々と無理があるかw
    国を挙げての戦争がメインのストーリーだが、時代性なのか、けっこうのんびりした印象。あまり『血湧き肉踊る』という感じではない。対してファンタジー独特の風景描写が美しく、英国の伝統的な小説に通じるところがある。
    最後に引用されてる詩はシェイクスピアだよね?

    余談だが、東京創元社のHPでは田中芳樹が推薦文を寄せている。

  • この時代でこう言う文を書けた著者は
    実に新鮮です。
    が、非常に文章がくどいのであります。
    読むのがだんだん苦痛になるぐらいに。
    あまり本で苦痛を味わう、と言うのは
    ないのですが、それを成し遂げてしまった問題作…
    おもしろいのですがね。

    これは日本ではあまり受けない作品です。
    結末部分でブチ切れる人が
    多くでそうですね…

  • ブランダック・ダーハがめちゃんこ格好いい!どの登場人物も生き生きしてて、熱いファンタジーです。

  • ヒロイックファンタジーの傑作 終わりのない物語

  • 架空世界を舞台にした正統派ヒロイックファンタジー。その古式な群像活劇はモダンクラシックと呼ぶにふさわしい。

  • 男気と友情。一つの頂点ではある。

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