青炎の剣士: 紐結びの魔道師III (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 140
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488525125

作品紹介・あらすじ

束の間の平穏は春の訪れとともに去り、エンス一行が居を定めたトゥーラの故郷オルン村は、元コンスル帝国軍人ライディネス率いる軍に再び包囲された。エンスとトゥーラは、エンスを執拗に追う邪悪な化物に立ち向かうべく〈死者の谷〉に降り、エミラーダはある目的を胸にライディネス軍に寝返る。だが、事態はエミラーダの思惑を超えた方向に……。エンスはトゥーラの願いどおり、魔女国の呪いを解くことができるのか。三部作、完結。

感想・レビュー・書評

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  • ファンタジーには旅が似合う。

    そんな物語でした。

    過去の怨念、業、欲望。そして今を生きる人々の願いや欲望。
    そして、ラスト。
    涙がこぼれました。よかった。最高でした。

  • 3冊目に入り、それぞれが急成長した印象。
    力も強くなって、たくさんの人を救っている様子を読んで、嬉しくなっちゃった!(親心)

    終わりは、未来がキラキラしていたなぁ。
    素敵すぎた!
    ダンダンは、最後まで可愛い。

  • 大所帯、あっちへ行ったりこっちへ行ったりと賑やかで忙しい。
    イスリルの魔道師は執念深く、ライディネスは戦をやめない。
    立ち向かわざるをえない相手の、過去や胸の内が知れて物語は深みを増す。立身出世を人生の目的と定めた魔道師、見果てぬ夢を追ったあげくに大切な人を失った武人。「愚かな、と言えるだろうか。」敵対するものを理由なき悪としない造形が、乾石ファンタジーの深い面白さのひとつ。オルン魔国のトゥルリアラルや、大軌師パネーらも・・・。

    ユーストゥスがライディネスに、「王国を造るってどういうこと?」と尋ねるシーンも良かった。大人が語る理想に、未来ある子供が加わることで、夢が現実味を帯びてくる気がするな。まぁ、ライディネス本人も相当やる気だったけど。
    「理想がわれらを目覚めさせる。夢がわれらを導く。」

    ダンダンも活躍。「カラッポジャナイ。シツレイナ」
    朗らかな気質のエンスと、苛烈で華やかなトゥーラが物語をひっぱり、ぐいぐい読める大冒険だった。


    このあとに「夜の写本師」の冒頭を読み直して、エイリャ・・・ってなった(涙)

  • 三部作ラスト。

    いろいろなことが解決して
    さきに向かう。

    割と王道ラスト。
    こういう王道ラストいいよね。

    エンスの紐結びの魔法、使えるようになりたい。

  • 綺麗に終わったなぁ~という感想。
    同じ世界観でも、紐結びの彼の視点は明るくて読んでいて楽しい。楽観的というか、現状のとりあえず出来る所から片付けていこうという堅実さが好ましいからかな。
    という訳でこの後の世界にも、彼等や彼らの子孫が出てくるのかと思うと楽しみだなぁ。もうすでに登場しているのかもしれませんが。

  • エンスとトゥーラって良いコンビになったと思う。違うタイプの男と女、凸と凹が上手くはまると楽しくなってしまう。都の魔導師の凝り固まった呪いにも上手に対処出来たと思うし、ユースの明るい未来は大事にとっておこう。若いうちに沢山の経験をしておくもんだ、ね リコさん。

  • エンスやリコたちの気質のおかげか、闇との対峙があるとはいえ比較的陽気に進む話だった。彼らにはハッピーエンドがよく似合う。

    文庫巻末に記載のQRコードからアクセスできる、特別掌編は本作の後日譚。ここから数十年後の話を読みたくなるのだが、そうなると主役が魔道師ではなくなってしまうしなあ。まあシリーズも続いていくだろうし、その中でまた彼らに出会えることを期待しよう。

  • 紐結びの魔道師の3作目。

    読者はわがままなものだ。
    ある本には長すぎると文句をいい、
    ある本には短すぎると文句をいう。

    女王の結び目を解き、
    碧の石をみつけ、
    拝月教の大軌師をとめ、
    少年は青年になった。

    無事、物語は終わったが、もっと読んでいたかった。

  • 一生に走ってきたような気分で読んでいたお話も完結。最後までハラハラさせられましたが、無事ハッピーエンドでホッとしました。マーセンサスが死ななくて本当によかった。ひとまず今後何十年かは周りの国は穏やかに過ごせそうで何より。ユーストゥスがほんとに王になる日が来るまでにこれからさらに成長すると思うとそのあたりの話もちょっと読みたい気もします。

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著者プロフィール

山形県生まれ。山形大学卒業。1999年、教育総研ファンタジー大賞を受賞。『夜の写本師』からはじまる〈オーリエラントの魔道師〉シリーズをはじめ、緻密かつスケールの大きい物語世界を生み出すハイ・ファンタジーの書き手として、読者から絶大な支持を集める。他の著書に「紐結びの魔道師」3部作(東京創元社)、『竜鏡の占人 リオランの鏡』(角川文庫)、『闇の虹水晶』(創元推理文庫)など。

「2019年 『炎のタペストリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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