闇の虹水晶 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
4.13
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本棚登録 : 209
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488525088

作品紹介・あらすじ

その力、使えばおのれが滅び、使わねば国が滅びよう。それが創石師ナイトゥルにかけられた呪い。人の感情から石を創る類稀な才をもつが故に、故国を滅ぼし家族を殺した憎い敵に仕えることになったナイトゥル。生きる気力をなくしていた彼は、言われるまま創石師の仕事をしていた。そんなある日、怪我人の傷から取り出した黒い水晶が、彼に見知らぬ国の幻を見せる。〈オーリエラントの魔道師〉シリーズで人気の著者が描く壮大な物語。

感想・レビュー・書評

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  • 新しいシリーズ。
    創石師のナイトウェルには、使えばおのれが滅ぶ、使わねば国が滅びよう、という呪いがかけれている。
    人の感情から石をつくる希な才を持った彼は、それ故に、故国、家族、許嫁を殺された。
    殺した仇に仕えることになったナイトウェルは、ある日、怪我人の傷口から取り出した黒水晶に、まぼろしを見せられるようになって。

    世界観や主人公の置かれた位置か面白い。呪いのせいて力を使うことによって、命を削ってゆくためか、前半の投げやりな所か切ない。
    後半、謎が解けてきてから、物語の展開がさらに加速して面白くなってゆく。

    この新しい世界での物語の続きがあるようなので楽しみ。

  • 朝日新聞出版から刊行された単行本の文庫化。てっきりそのまま朝日文庫に入るものだと思っていたら、創元に移ったのね。
    割と駆け足で話が進んでしまうので、読後感はやや物足りないというか、もう少しこの世界に浸っていたい気分になった。乾石智子にはそういう、『ちょっと物足りない』ところで終わってしまう傾向があるような気がするなぁ。一度、長さを気にせず、思いっきり浸っていられる大長編を書いて欲しい。

  • 主人公とヒロインの善良さと、辛くてもどこか希望があるストーリーが楽しく、読みやすかったです!

  • オーリエラントシリーズより好き!
    世界が明るい。女の子も魅力的。こっちの世界は続かないのかしら…もったいない。
    と思ったら、続編があるとな。これは見逃せない。

  • すごい良かった……
    感情の渦が主人公の中で纏めあげられていく表現の言葉の奔流がすごい。

    憎しみ、嫉妬とかの負の感情、欲望を全て纏めて飲み込んだ成長?というか進化?の果てに自分の望みを叶えて、己の幸せを手にした主人公。全てを自分の力で掴んだわけじゃなくてなんか色々重なったけど、最後の最後は我を押し通した肝の強さにスカッとした。
    全てを運命に委ねる悟りの境地から、欲望を携えて帰ってくる姿に、人間臭さを感じた。

    とにかくトリエリエとヒスタルサが最後まで生きてて良かった!

  • オーリエラントのシリーズが気に入ったので別のにも手を出しちゃう

  • <オーリエラントの魔導師>シリーズとは異なる、新しい世界での物語。
    とはいえ、著者の作り出す圧倒的な異世界の説得力は健在。

    <オーリエラントの魔導師>とは、なんとなく全体の空気感が違っていたように思う。
    陰鬱な描写や重苦しい感じは、<オーリエラントの魔導師>でもあった。
    たぶん、主人公の感じが違っていたのかなと思う。
    正直なところ、あれ?と思わざるを得なかった。

    それでも、それだからこそ、終盤の展開が素晴らしかった。
    これは、<オーリエラントの魔導師>と同じ読後感。
    これでこそ乾石智子作品、と思わせてくれた。

  • 主人公の心が救われていく経過が 乾石さんの作品群の中では
    かなりわかりやすい設定だと好感を持ちました。

    いつも思うんですが 乾石さんの作品はアニメではなく
    お金をかけて作りこまれた実写映画で堪能したいと思うんです。

    見果てぬ夢で終わってしまうかな。。ああ観たいなあ。

  • オーリエラントとは違う世界。これもまた、時にも空間にも無限の広がりを感じさせる世界ができていて・・・すごいなぁ。
    侵略や陰謀の結果として人死にが出るファンタジーはたくさんあるけれど、乾石さんの世界ではそれがものすごく生々しい。一族郎党皆殺しとか、隣国に攻め入って街を占領するとか、とてもじゃないけど具体的にどうするか想像もつかないファンタジー的なそれらの行動が、史実のように語られるので、目の前が暗くなるような悲壮感や無力感をまざまざと味わったような気持ちになる。
    この世界のナイトゥルやドリューもまた、「生き残り」のひとり。生き方の全然違うふたりの繋がりが、闇へ闇へと引き込まれそうになる物語を水面につなぎとめている感じ。
    侵略者として登場したオーシィンの生き様、死に様も独特で印象的だった。

  • スピード感が良かった。
    呪いに翻弄されるだけだった主人公が、ラストで呪いすら受け止める様は読んでいてハラハラした。
    なんだかんだ、この人の作風は好き。

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著者プロフィール

山形県生まれ。山形大学卒業。1999年、教育総研ファンタジー大賞を受賞。『夜の写本師』からはじまる〈オーリエラントの魔道師〉シリーズをはじめ、緻密かつスケールの大きい物語世界を生み出すハイ・ファンタジーの書き手として、読者から絶大な支持を集める。他の著書に「紐結びの魔道師」3部作(東京創元社)、『竜鏡の占人 リオランの鏡』(角川文庫)、『闇の虹水晶』(創元推理文庫)など。

「2019年 『炎のタペストリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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