マカロンはマカロン (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 3502
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488427061

作品紹介・あらすじ

下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。変人シェフの三舟さんは絶品料理で客の心を?むだけでなく、客たちの巻き込まれた事件や、不可解な出来事の謎をあざやかに解く名探偵なのです。今回も、蝶ネクタイの似合う大学教師が海外研修中に経験した悲しい別れの謎、豚足をめぐる少年と母親の再婚相手との出来事など、胸を打つ話ばかり。ベリーのタルト、豚足料理、ブーダン・ノワール、タルタルステーキ……メインディッシュもデザートも絶品揃いです。

感想・レビュー・書評

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  • 「ビストロ・パ・マル」シリーズの三冊目ですね。
    今回は8話の連作短編です。
    「日常の謎」の醍醐味をしっかり味わい深く堪能できる作品です。
    料理の描写も詳細ではないにも関わらず、さらりとした内容でいて魅力的に語りかけてきます。じっさい、食べてみたい気持ちが毎度のごとく出てきますから不思議ですね。
    近藤さんの取材能力の高さと筆圧に堪能させられました。
    思量深い温かい人間模様が描かれていて、心に刺さるセリフも人生観の達人を醸し出していますね。さりげない一言がどれだけ救われる想いをする事か感慨深い内容に驚かされます。
    ポジティブな物語構成も近藤作品の魅力の一つです。
    シリーズはこれが最後のようですが、三船シェフの物語は忘れがたい秀作だと思います。

  • シリーズ3作目。
    今作も読みやすく、面白かった。
    1話が30ページ弱で、しっかり起承転結があり、テンポがいいからかな。
    出てくる料理は臓物系が多かった気が…。ちょっと苦手なので、今回は食べ物にはあまり惹かれなかった。
    一番好きだったのは表題作「マカロンはマカロン」。言われてみれば、マカロンは多様性の象徴のような気がしてきた。

  • シリーズ3作の中で、一番良かった!
    最後の話、『ヴィンテージワインと友情』が一番面白かった
    どの話も三舟シェフの名探偵ぶり?は素晴らしかった
    いつもは無愛想
    でもお客様の事を一番に考えているから、観察力は凄くて、いざここぞという時に登場して悩みや謎を解決してくれる
    だから温かい気持ちになるし、話としては面白いんだろうなあ

    フランス料理は全然わからないけれど、わかりやすい説明で、難しい気持ちにならないのが良い

    • かなさん
      ハッピーアワーをキメたK村さん、こんばんは!
      この度はこちらへのフォローをありがとうございます。
      こちらからもフォローさせて頂きますので...
      ハッピーアワーをキメたK村さん、こんばんは!
      この度はこちらへのフォローをありがとうございます。
      こちらからもフォローさせて頂きますので
      どうぞよろしくお願いします。

      私もこのシリーズ大好きなんです(^^)
      今度「間の悪いスフレ」が発売されますよね!
      楽しみですね♪
      2023/09/23
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      かなさん、初めまして(=^x^=)

      とーってもたくさん!!の「いいね!」と、フォローありがとうございます

      近藤さんの『間の悪いスフレ』、...
      かなさん、初めまして(=^x^=)

      とーってもたくさん!!の「いいね!」と、フォローありがとうございます

      近藤さんの『間の悪いスフレ』、タイトルからして興味深いです♪

      こちらこそ、どうぞよろしくお願いします
      2023/09/24
  • ビストロ・パ・マル シリーズ3

    下町の小さなフレンチレストラン"ビストロ・パ・マル"は、フランスで料理修行をした、変わり者の三舟シェフの作る、気取らない料理が大人気。
    三舟シェフは、料理だけではなく、お客さまの持ち込む、不可解な謎を鮮やかに解く、名探偵でもある。

    《コウノトリが運ぶもの》
    乳アレルギーの女性が、亡き父親との確執を解いていく。

    《青い果実のタルト》
    何人かの客から、出したことの無い「ブルーベリータルト」の評判を聞き、注文が入る。

    《共犯のピエ・ド・コション》
    母親の再婚相手と少年の心温まる物語。

    《追憶のブーダン・ノワール》
    ブーダン・ノワールが大好物な客が、自分の許嫁にも食べさせたいと言う。

    《ムッシュ・パピオンに伝言を》
    蝶ネクタイが似合う、大学教師の、昔の、彼女との悲しい別れの物語。

    《マカロンはマカロン》
    田舎に帰ったきり、姿を消したパテシェールが、焼き菓子と一緒に残した「マカロンはマカロン」と言う言葉の意味。

    《タルタルステーキの罠》
    メニューにない、タルタルステーキをメニューに出して欲しいという客。

    《ヴィンテージワインと友情》
    人が喜ぶのが見たくて、ついつい、し過ぎてしまい、カモにされてしまう女性。

    の8篇の連作小説。
    温かい心と、料理が盛りだくさんで、お腹いっぱい。




  • 今回もフランス料理を中心に据えているのですが、今回はブラックな人間模様が見え隠れ。しかし三舟シェフが相手を思いっきりぶん殴る(言葉でですよ)。その心地良さが温かさを醸し出し、単調な日本の文化にフランスの西洋文化がスパイスとなり、上品な人間関係とは何か?を教えられているようだった。最後の「ヴィンテージワインと友情」という話しは格別だった。「イタイ」友情と「真」の友情の相対によって、自分も「真」の友情とは何かを教わった。何気ない相手への心配りだけではない何かを。あ~あ、終わっちゃった。楽しいシリーズでした。

  • 初出が2010年から2016年の作品なのに全く内容に古さを感じさせないところが素晴らしいと思います。
    どれも人と人の繋がりにおける日常の謎を三船シェフの推理と料理で解決に導いています。

    聞いたこともない料理名が毎回出てきますが、日々のご褒美的プチ贅沢にも是非ビストロに行きたくなりました。

    次回作も楽しみです。

  • ビストロ「パ・マル」のシリーズ3作目にして最終作品。
    これから読んでしまったので、もちろん短編集なのでそこまで読みづらいわけでもありませんでしたが、
    シリーズはじめから読んでいた方が深みが出たかな…と今さら感じています。

    「パ・マル」はこじんまりとしたそこまで堅苦しくないお店のようですが、料理やワインにこだわりを持った良い場所なのだなと思います。

    出てくる料理が本当に美味しそうで、フレンチを食べたい気持ちになりました。
    パテ・ド・カンパーニュ、フォアグラのタルトレット、ベリーのパイ…
    ヴァン・ショーなんかもこの季節にはぴったりですね。

  • ビストロ"パ・マル"が舞台の日常系ミステリ第三作。
    この第3作目がいちばん好き。

    おいしい料理は無条件に人の心を開いていく気がする。
    国による習慣や文化の違いを描いた「追憶のブーダン・ノワール」も好きだけど、表題作の「マカロンはマカロン」が特に好き。いろんなマカロン、食べてみたい。

  • ビストロ・パ・マルシリーズ第三弾。8つの短編。フランス料理人シェフが身近な謎を解くのだが、今回は知らなきゃ良かった謎が多かった。『青い果実のタルト』の妻の浮気、『タルタルステーキの罠』の妊婦のトキソプラズマ感染、『ヴィンテージワインと友情』の偽りの友、これらはちょっと受け入れ難い。全体としては面白く、続編を期待してます。

  • ビストロ・ミステリ第3弾
    ショートストーリー8篇
    今回もビストロに行きたくなる!
    食文化の違いも勉強になりました。
    ムッシュ・パピヨンに伝言の話が好きです。
    “女性も男性もそれぞれの人生をいきているのに”は正にそうだなと。
    表題作のマカロンはマカロンは、なるほどそういう意味だったのかと。
    私もマカロン・ダミアンの方が好みだな。
    第4弾も出たら絶対読みたいです。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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