夜のフロスト (創元推理文庫 M ウ 8-3)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (784ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488291037

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第三弾。
    ここまでは読んだ記憶がある。

  • フロスト警部シリーズ第3作。もうとにかくこのシリーズは本当に大好きで、この一冊も激賞したいのだけど、ほとんどあらすじは失念。
    確か、出世のことしか考えていないような部下が出てくるのでは無かったか。そして、このシリーズの持ち味として、その部下が徐々にフロスト警部に愛情を抱き始めたり、は、全くしない。
    ラストは連続殺人犯を説得しに高所に登っていくフロスト警部。そして説得するけれど、犯人は落下してしまうフロスト警部。もはや孤独と喪失感から逃げ出すように、くそったれな仕事に時間を捧げるフロスト警部。大変にわかりにくいフロスト警部の人間性を、実に生き生きとわかりやすく描き出すウィングフィールドさん。脱帽。

    (読み終わってから相当に経過してから書いているので、記憶が間違っているかも知れません)

  • 7月23日読了。「このミステリーがすごい!」海外編2002年度第2位の作品。フロスト警部シリーズ第三作だが本当にこのシリーズには外れがない。田舎町デントンに押し寄せる少女と老女の連続殺人、相次ぐ匿名の手紙、跳梁する不審人物などの事件を、下品な冗談(今回のが一番面白いかも)を飛ばし、面倒な事務処理をかわしながらフロスト警部が(結果的に)解決していく。原書での言い回しはどんな感じなのだろう?終盤のスタントシーンは読みながらハラハラした。続きのシリーズも是非読みたいものだ。

  • 「この仕事をしていると、胸くその悪くなるようなことを、それこそ山のように眼にするんだよ、坊や。そのたびに深刻に受け止めて、くよくよ考え込んでたりした日には、いずれ突っ走ってきたバスのまえに身を投げる羽目になる。マレットはさぞかし悦ぶだろうけど、それで被害者(ガイシャ)が救われるわけじゃない――だから、おれは冗談を言う。冗談を言ってりゃ、因果な仕事の因果な部分を引き受けるのが、いくらかは楽になる。けど、気に障ったんなら謝るよ」

    2021/5/13読了

  • 流感
    墓荒らし
    不倫の密告手紙
    裏ビデオ
    什器備品現況の調査報告書
    連続老女切り裂き事件
    クレーン

  • 流感警報発令中。続出する病気欠勤に、ここデントン警察署も壊滅状態。それを見透かしたかのように、町には中傷の手紙がばらまかれ、連続老女切り裂き犯が闇に踊る。記録破りの死体の山が築かれるなか、流感ウィルスにも見放された名物警部のフロストに、打つ手はあるのか? 日勤夜勤なんでもござれ、下品なジョークを心の糧に、フロスト警部はわが道をゆく。大好評シリーズ第三弾!
    原題:Night Frost
    (1992年)
    — 目次 —-
    夜のフロスト
    フロストならどうする?/霞流一

  • イギリスの作家「R・D・ウィングフィールド」の長篇ミステリ作品『夜のフロスト(原題:Night Frost)』を読みました。
    アンソロジー作品の『『ジャーロ』傑作短編アンソロジー3 夜明けのフロスト クリスマス・ストーリー』を読んで、久しぶりに「ジャック・フロスト警部」シリーズの長篇を読みたくなったんですよね。

    -----story-------------
    流感警報発令中。
    続出する病気欠勤にデントン署も壊滅状態。
    折悪しく、町には中傷の手紙がばらまかれ、連続老女切り裂き犯が暗躍を開始する。
    記録破りの死体の山が築かれるなか、流感ウィルスにも見放された「フロスト警部」に打つ手はあるのか……? 
    さすがの名物警部も、今回ばかりは青息吐息。
    『クリスマスのフロスト』『フロスト日和』につづく、人気の英国警察小説シリーズ第3弾。
    解説=「霞流一」

    *英国ITVで1992年よりTVドラマ・シリーズ化

    *第1位「週刊文春」2001年傑作ミステリーベスト10/海外部門
    *第1位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/評論家部門
    *第2位「このミステリーがすごい! 2002年版」海外編ベスト10
    *第7位『ミステリが読みたい!2011年版』ゼロ年代ミステリベスト・ランキング海外篇
    -----------------------

    1992年(平成5年)に発表された作品で、イギリスの架空の地方都市デントン市を舞台にした警察小説、「ジャック・フロスト警部」シリーズの第3作目にあたる作品です、、、

    久しぶりの、この厚さ… そして、登場人物や発生する事件の多さ… そして750ページ超のボリューム… 同時多発的に事件が発生し、次々と新たな被害者や関係者、容疑者が登場するので、序盤は全体像が掴みにくく、やや苦労しますが、意外とサクサクと読め、事件が解決に向かう終盤は一気読みでしたね。


    新任部長刑事「フランク・ギルモア」が配属されたのは、しけた地方都市デントン市だった… まあ、ここは眼も眩む高みに昇りつめるための梯子の一段目にすぎない、、、

    こき使われる心配がなさそうなのも幸いだった… だが、いざ出勤してみれば、猛威を振るう流感に、署は壊滅状態。

    折悪しく、町には中傷の手紙がばらまかれ、老女ばかりを狙う連続切り裂き事件、新聞配達中に行方不明となった少女、ポルノビデオの押収、少女の自殺や老人の自殺未遂、果ては殺人・放火まで… なんたる不運、、、

    そのうえ、だらしない風体に、悪夢のような下ねたジョークを連発する男「ジャック・フロスト警部」と組む羽目になろうとは… 数少ない同僚らと予想不可能の捜査を展開していく「フロスト警部」、、、

    絶体絶命の人手不足の中、ウィルスにも見放された「フロスト警部」に打つ手はあるのか!?

    よりシビアになる天敵「スタンレー・マレット署長」の追撃をかわしながら、この災いの包囲網を「フロスト警部」はどう突破するか!?

    一貫した捜査方針などこれっぽっちもなく、ただ喚いて、走り回って、直感を頼りに強引な捜査を続ける「フロスト警部」は、運にも助けられ一つひとつの事件を解決していく、、、

    クライマックスは、手に汗握る高層クレーンでの連続切り裂き犯とのアクションシーン… そして、その人物は真犯人ではなかったと思わせておいて、意外な結末が用意されているエンディング… 読み応え充分でした。


    勤務態度は最低最悪、事務処理能力なし、お下劣極まりない悪口雑言… でも、不眠不休で日勤夜勤を繰り返し、現場百回、本当によく働く警察官… この相反する要素が奇跡的に同居した「フロスト警部」のキャラに、本作品でも惹きつけられましたねー 面白かった!



    以下、主な登場人物です。

    「ジャック・フロスト」
     警部。主人公

    「フランク・ギルモア」
     部長刑事

    「リズ・ギルモア」
     フランクの妻

    「アーサー・ハンロン」
     部長刑事

    「ビル・ウェルズ」
     巡査部長

    「ジョニー・ジョンスン」
     巡査部長

    「ジョー・バートン」
     刑事

    「ケン・ジョーダン」
     巡査

    「ジョン・コリアー」
     巡査

    「ジーン・ナイト」
     巡査

    「ヘレン・リドリー」
     巡査

    「スタンレー・マレット」
     警視。デントン警察署長

    「モルトビー」
     医師

    「サミュエル・ドライズデール」
     検屍官

    「ミス・グレイ」
     ドライズデールの助手

    「テッド・ロバーツ」
     現場捜査担当官

    「トニー・ハーディング」
     鑑識チームの責任者

    「メアリー・ヘインズ」
     78歳の老婦人

    「ディーン・ロナルド・ホスキンズ」
     メアリーの隣人

    「ポーラ・バートレット」
     行方不明の少女

    「マーク・コンプトン」
     美術商

    「ジル・コンプトン」
     マークの妻

    「エイダ・パーキンズ」
     家政婦

    「サイモン・ブラッドベリー」
     防犯システムのセールスマン

    「ウォードリー」
     自殺を図った老人

    「スーザン・ビックネル」
     自殺した少女

    「ジャネット・ビックネル」
     スーザンの母

    「ケネス・ダフィー」
     スーザンの継父

    「チャーリー・マスケル」
     老夫婦

    「メアリー・マスケル」
     老夫婦

    「アリス・ライダー」
     81歳の寡婦

    「ジョージ・F・リックマン」
     新聞販売店の主

    「バーナード・ヒックマン」
     配管工

    「エドワード・ベル」
     牧師

    「ハロルド・エドワード・グリーンウェイ」
     ヴァン運転手

    「ロナルド・ウィリアム・ゴールド」
     バス運転手

    「ベティ・ウィンターズ」
     76歳の老婦人

    「フレデリック・パーリー」
     副牧師

    「ウォーリー・マンスン」
     前科者

    「ベル・マンスン」
     ウォーリーの妻

    「ディードリー・マンスン」
     ウォーリーとベルの娘

    「ドリス・ワトスン」
     76歳の老婦人

    「ジョーン・イースト」
     高級娼婦

    「ノールズ」
     市議会議員

  • 相変わらず、繰り広げられるフロストの下品な下ネタ、ジョーク、マレット所長との攻防などは、面白い。また、今回の新しいバディ相手であるギルモア部長刑事とのやりとりもたまらない!
    正直、今回は事件が多すぎて、なかなか頭がついていかないこともあったが、なんだか全然わけわからん、という事にはならずに済んだ。
    前回よりも、フロストの直感的捜査が失敗に終わることもあり、どうなることかとおもったが、いつものように偶然などご都合主義的なこともあり、解決はする。
    ただ、最後のクレーンの上での犯人との対決場面は、犯人の後を追えばああなるよなぁと思った。
    本当に連続老婆殺人事件の犯人なのか、ハラハラさせる。
    本当にご都合主義だけど、これが面白いんだよな。
    それにしても、いつも油断をしてると、事件発生、無線連絡、捜査に出かけるので、休まる暇がない。
    いつになったら、フロストはもう少しゆっくりした時間を楽しむことができるのだろうか?



  • 相変わらず、ワーカホリック、いや、事件が勝手に寄ってくるフロスト警部。
    今回も、新しい相棒と共に捜査です。
    最初は警察長の甥っ子。今どうしてんだろう?
    その次は、よそから降格人事でやってきた部長刑事。
    今回は、上昇志向旺盛な新任部長刑事。
    みーんな、アレン警部につくはずが、アレン警部が具合悪くてフロストにつく事になっちゃう。
    時間管理とか全く関係ないから、みんな、生活壊される。
    まぁ、フロストばかりのせいではないですけどね。
    事件多いは、人手足りないわ。
    ビル・ウェルズ部長刑事とフロスト警部、この二人は毎度マレット署長の都合良い様に仕事振られまくり。
    フロストは好きでやってるっぽいから、まぁ、しゃーないんだけど、ウェルズは可哀想www

    今回は、普段からこき使われているのに、署内が流感で壊滅状態。
    可哀想すぎるウェルズ部長刑事。ご愁傷様です。

    マレットなんとかせんと、デントン警察は職場環境改善しないと思う。マジで。
    ダメな上司の見本だよね>マレット署長

    自分的には、内勤なのに、人手不足でパトロールに出されて、死体見つけちゃった、そして見張りもさせられるコリアー巡査がお気に入りです。
    ちょっとづつ出番増えてる気がする。
    脳筋ジョー・バートンも頑張ってるねw
    なんだかんだで、フロストと良い関係を築いているアーサー・ハンロン部長刑事も好きですw

    小さな田舎町であろうデントン。
    なのに、どうしてこうも事件が、それも誘拐だの殺人だのが起きるんだ!
    そういう世界線なのはわかってる。仕方ない。
    でも、やっぱりそう思ってしまうよw
    コナン君の住む米花町と同じだね!

    新聞配達中に行方不明になった少女
    謎の脅迫状
    猥褻動画マーケット
    お年よりばかり狙う殺人犯

    追いかければ追いかけるだけ事件が・・・
    休む暇もないフロストと新任フランク・ギルモア。
    と、可哀想なビル・ウェルズ巡査部長w
    なんとか、フロストの直感と幸運で事件解決して良かったわね。

    ギルモアの奥さんは、もう戻ってこない感じですかね?

    今回もお疲れ様でした。
    次は、またどんな事件に巻き込まれるんだか。

  • フロストがどうのというより、何しろエゲレスの無法っぷりがスゴイ。というかこのデントンという町の問題なのか。もはや修羅の国であろうか。婆さんを殺すやら覗きやら保険金目当ての放火やらパブで暴動やら、これが1週間位?で起きるわけで、解決してすごいんだけど、なんかドタバタしてただけじゃねーかみたいで。いやもうひっちゃかめっちゃかで感想も適当というか。
    でもまぁ勢いも半端ないので面白いんだけどもね。この逆境の中でギャグの連発もなかなかで、下ネタとかも多いけど、まぁ勢いで笑っちゃうという。
    いやお腹いっぱいですわ。

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