- Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488276065
作品紹介・あらすじ
11年前の連続少女殺害事件の真相を追う刑事オリヴァーとピア。緻密に絡み合う事件を通して人間のおぞましさと魅力を描く、ドイツでシリーズ累計350万部突破の傑作警察小説!
感想・レビュー・書評
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刑事オリヴァー&ピア・シリーズ4作目。
閉鎖的な村で起きた11年前の殺人事件の犯人とされた男が、刑期を終えて出所してきた。住人たちからあからさまな敵意を向けられる中、当時の被害者の白骨が見つかったり、男の母親が襲われる事件が起きる。捜査するうちに、11年前の事件に腑に落ちない点が見つかり…というもの。
狭い世界を支配している思考回路が本当に嫌な感じだ。それが当然みたいな村人の話しぶりがおぞましい。
捜査十一課も今回は色々と問題だらけで、うじうじしたり、逆ギレしたり、開き直ったり。その度に、しっかりしろ、自業自得だ、子供か、と脳内で3人を張り倒して、ぶつぶつ思いながらも読んでしまうのだ。
このシリーズは捜査員のプライベートがなんだか安っぽいドラマみたいだなと思う。でも次も読みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
刑事オリヴァー&ピアのシリーズ、翻訳紹介2作目。
ドイツで人気の警察小説です。
11年前の少女失踪事件の犯人トビアスが刑期を勤めあげて出所。
故郷に帰ったトビアスは、両親が離婚、店は寂れて父は弱みに付け込まれて財産を奪われたという悲惨な有様を知ることに。
事件当時、トビアスは無罪を主張していたが、泥酔していて記憶がない時間帯もあり、状況証拠で有罪となっていた。
張り合う美少女二人が殺されたらしい‥?
トビアスの帰郷を憤る被害者の親たちは敵意をあらわにする。
遠くに住むトビアスの母親まで、歩道橋から突き落とされてしまう。
半年前から村に住み始めた高校生アメリーは、鼻ピアスをしたパンクなスタイルで村人からは浮いていた。トビアスに好感を抱き、事情を探り始める。
普通の格好をすると、じつは行方不明の少女にそっくりなアメリー。
村を支配する企業家の息子ティースは自閉症だが、アメリーには心を開いていた。
最初はいかれた子みたいだったこのアメリーが爽やかで、救いになっています。
オリヴァー・フォン・ボーデンシュタイン主席警部と部下のピア・キルヒホフ警部は村で聞き込みを始め、冤罪の可能性を感じる。
前作では申し分のない幸せな家庭を築いていたようだったオリヴァーが1年4ヵ月後に一転、妻を疑うようになり、人生最大の危機?!
捜査にも熱が入らないが、転機を迎えることに。
ピアにも難題が起きていますが‥
村の閉鎖性がなかなか怖くてリアル。
それぞれに濃い事情のある登場人物たちの入り組んだ行動が書き込まれて、ドラマチックな仕上がりです。
物騒なタイトルに最初は引いたけど~それだけの読みではある内容。
オリヴァーの変化は意外でしたが、3作目4作目を読んだことになるので、1~2作目を読んでいたらそうでもないのかどうか?
盛りだくさんなのが好みなら★五つの出来だと思います。 -
なかなか上手な書き手。十年ぶりに出所してきた若者が閉鎖された村に帰ってくる。無実をきせられたのは関係者は知っているので、彼の存在は邪魔でしかない。同時に、昔殺された少女にそっくりの顔付きをした都会育ちの勇敢な少女が、好奇心あらわに事件に興味を持つ。こいつも邪魔だな。。。権力者は当然のように自分が有利になるように、村人達を誘導する。だって自分達には生活あるもん、誰かの人生台無しにしてもさ!誰にでもあるんだ、正しくないみたいだけと、こっちに動いた方が取り敢えずはうまくいく、何よりも自分自身が一番大事だから。
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一気読みの面白さ。閉鎖的な寒村を舞台にした群像劇にどこか横溝正史の世界に共通する懐かしさを感じる。が、犯罪に関わる人物たちの心象描写は今一つ物足りないかな。そう思うのも主人公の刑事コンビ、ピアとオリヴァーがあまりにも魅力的だからだろう。このシリーズの更なる邦訳・出版を望む。
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同級生の少女二人を殺したトビアスが刑期を満了し故郷に帰ってきた。
冤罪を主張していた彼に興味を持ったアメリーは独自に過去の事件を捜査し始めるが…。
ドイツ版横溝なのです。金田一。
それぞれの思惑の上に成り立っていた田舎町というコップはは表面張力で何とか耐えてきたのですが、そこへ過去の同胞である殺人者が帰ってきたことで一気に水が溢れてしまうわけですね。
この緊張感がすばらしいのです。
渦巻く悪意、それぞれの欲望。
閉鎖社会だからこそ起こる歪な事件。
謎解きではなくてサスペンス。
このあとは遡って1作目が出るのでしょうか?(売れ行きがよかったら…と聞いてます)
人間関係含めて、是非最初から読んでみたいのですが。-
うふふ。
訳者の酒寄さんに『次は第1作が出ますよ』って教えてもらいました。
売れているようで何よりです。うふふ。
訳者の酒寄さんに『次は第1作が出ますよ』って教えてもらいました。
売れているようで何よりです。2013/10/11 -
2013/11/03
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>take9296 さん
最初から読まないとわからない人間関係もあるし、楽しみですよね。>take9296 さん
最初から読まないとわからない人間関係もあるし、楽しみですよね。2013/11/04
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『白雪姫には死んでもらう』なんてずいぶん物騒なタイトルだなぁと興味深く思い手に取ってみましたが、想像以上に面白かったです。
登場人物が多く、いろんな人が怪しくて犯人はこの人!と推理していくのは楽しかったです。予想を覆す物語の展開もとても面白かった。
また、恋愛要素も結構あり、ヤンデレ好きさんにはたまらない作品かなと^^
この作品はシリーズもののようなので、違う作品も機会があればぜひ読んでみたいです。 -
閉鎖的な村社会が恐ろしーい。
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白雪姫と呼ばれた少女たちを殺した罪に問われたトビアスは、無実を訴えた。けれども有罪となり、罪を償い、生まれた小さな村に戻った。
両親は殺人者の親として嫌がらせを受け、大切にしていたレストランも閉店していた。
出所した元少年の身の回りに不穏な嫌がらせが起こる。母も何者かに襲われ意識不明の重体になる。
トビアスは過去の事件において無罪であろうことは読者にはすぐにわかる。
では誰が殺したのか?
小さな村の中のしがらみのある人間関係は陰鬱で、外から引っ越してきたメアリー(殺された白雪姫に似ている)が、風通しのいいキャラクターで魅力的だ。
過去を知らぬアメリーがトビアスに惹かれるのも当然だし、トビアスも彼女が居るから救われるところがあっただろう。
物語が進むにつれ、気が重くなるのだが……でも、やはりこの2人が主軸であってよかったなぁと思うエンディング。
この小さな村でこれからどういう物語が描かれるのか少し気になる。 -
一気読みした。
が、「深い疵」には一歩劣る。というのも、ラストでいきなり持ち出された「俺は○○を知ってるんだぞー!」ネタに、まったく伏線がなかったから。
唐突に仰天ネタをぶっ込んでくるのはこの作家の(悪)癖だと思うが、前振りゼロでやられてしまうと、「どんだけご都合なんだよw ナイナイww」と醒めてしまうのだ。
特に今回のものは、伏線を張る余地があったと思われるだけに惜しかった。
2020/2/9読了 -
ドイツミステリの雄、ネレ・ノイハウスの二作目。無実の罪に陥れられて服役し故郷の村に帰ってきたトビアスを迎える村人たちの異様な冷たさ。はたして11年前の事件の真相は。そして新たに起こる事件。一癖も二癖もある住人たちと彼らを牛耳る実業家、政治家、医者たち、はたまた孤立無援のトビアスを助ける幼なじみの女優、などなど多彩な登場人物がみんなして何らかの形で本筋にかかわっていて、何が何だか混乱する。もう、みんなが主役。いかにも怪しげなのは端役で一見親切そうな理解者が真っ黒だというのはありがちな筋書きなので何が起こっても驚かないが、さすがにこれはやりすぎではないか。そこへ加えて事件とは無関係な警察署内部のスキャンダルに主役であるピアとオリヴァーの深刻な家庭事情。目まいがしそう。いろんなエピソードを盛り込むのもいいが、もう少し公私の重みづけを整理して書いたらどうかね。