助手席のチェット (名犬チェットと探偵バーニー1) (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488230067

作品紹介・あらすじ

元刑事のバツイチ探偵バーニーに持ち込まれた女子高生失踪事件。彼は相棒の大型犬チェットと調査を開始したが……。警察犬訓練所を優秀な成績で卒業……はできなかったが(猫がらみの事情があるらしい)、それでも優秀なチェットは、全力でバーニーをサポートする。チェットが犬の心、犬の視点で語り、全世界の犬好きの心を鷲掴みにした傑作『ぼくの名はチェット』の改題文庫化。本書を読まずして、「犬好き」を自認することなかれ! 訳者あとがき=古草秀子/解説=杉江松恋

感想・レビュー・書評

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  • 主人公像を多く語らず、物語が進む。普通はイメージできなくて途中で投げそうだが、この話ではなぜかそれが心地良い。
    アメリカのドラマを見ているようなスリルと、チェットの可愛さを合わせた素敵なミステリー!

  • 元刑事の私立探偵と、元警察犬候補?のミックス犬が活躍する物語。一人娘を捜して欲しいとの依頼に、最初は腰の重かったバーニー(人間の方)、しかしどうにも解せない事があって。
    犬であるチェットが話して聞かせてくれます。サマリーにも「全世界の犬好きの心を鷲掴み」とあったので、ウキウキ読み始めたら。
    私立探偵が危ない職業だったことを忘れていました。気が気じゃありません。チェットが勇敢なのは解ります。でもあんまり危険な目に遭わせないで!

  • 読み終わったあとに、「犬、サイコー!\(^o^)/」と絵文字付きで叫んでしまいたくなるくらい、犬好き、ミステリー好きにはたまらない一冊かと思います。
    いや、そうでなくともこの物語の主人公(主犬公!?)チェットには、誰もがハマってしまうのではないでしょうか。

    リトル探偵事務所のオーナーにして腕のいい探偵のバーニー・リトルと、その相棒の大型雑種犬チェット。あくまでも相棒であってペットではありません。
    その様子は、チェットが語るこんな描写からも明らかです。

    "退屈はどこかへ吹き飛んだ。車のエンジンをかけるバーニーの表情はきりりと引き締まり、生気に満ちていた。ぼくらは仕事を生きがいにしている。ぼくもバーニーも。"
    (16〜17ページより)

    これ、探偵のバーニーが言ってるんではなくってチェットが言ってます。そう、この物語の語り手はチェットなんです。

    バーニーはチェットを愛し、チェットはバーニーを主人として、探偵として、人間として尊敬しています。その関係がとてもかっこよくて、またそれが当の犬の口から語られるっていうのが、読んでて思わずニヤリとしてしまうんです。

    また、チェットは人間観察も鋭く、人間の独特の言い回しや言葉は完全には理解できませんが、彼の人間評は聴いていて飽きません。

    ただ、犬が語り手というのは都合が悪いところもあって、バーニーとチェットが調査のために、犬用スナックの工場を訪ねた時の描写では…

    "「デイモンをどう思われます?」バーニーが訊いた。
    サイモンはちょっと返事に詰まった。ちょうどそのとき、開発室からぼくの新しい友人たちがボウルを持って出てきたので、ぼくはサイモンの返事を聞き逃した。それどころか、車に戻るまでのことは、何も覚えていない。"
    (189ページより)

    おいおいちょっと、いや、おいおいチェット、大事なところなんやから聞き逃さんといてくれる?!って思うようなところがいくつも。

    語り手であろうが、やっぱり彼は犬なんで、夢中になったり気になることがあると、(人間にとって)大事なことでも放ったらかしにするし、彼が重要な事柄を目撃したり、思いついたりしても、人間のバーニーにはうまく伝えることができません。

    そのもどかしさを乗り越えて、事件が進展していく様が一種の快感でもあり、この物語の大きな魅力にもなっています。

    さらに、ストーリーは私立探偵ものの王道ともいえるしっかりとした内容であり、それが基底にあるからこそ、このユニークな設定が生きてくるんだと感じさせられます。

    バーニーとチェットの周りの人間もいいですね。
    バーニーの息子で、離婚したバーニーの元妻に引き取られたものの、バーニーとチェットが大好きなチャーリー、地元新聞の記者でバーニーの恋人になりそうなスージー、バーニーの友人で警官のリック、バーニーの情報屋のニクソン、etc。

    すでに本国では7作めも出版されているという人気シリーズ。
    その様子を日本でも早く見たいです。

  • 犬好きにはたまらない。
    犬のチェット目線で語られる文体が、愛しい。
    人間と犬。1人と1頭のナイスバディの物語。

  • まさに犬目線で、最高です。
    まあ、ストーリー的には最期があっさりしている感じはするけどね、これ以上のものはない。

  • 12月25日読了。図書館。

  • 名犬チェットと探偵バーニーの第一弾。「ぼくの名はチェット」改題文庫版。これは犬好きにはたまらない本ですな。チェットの一人(犬?)称なので、常に犬目線。犬ってほんとにこんなこと考えてるのかもと思わせられるくらい、いちいち納得します。血みどろな殺人事件は起こらず、謎解きでもないので、ミステリというより、ハラハラさせられて、スッキリもするエンターテイメント小説ですね。
    相棒と言えどもそこは犬と人間。都合よくツーカーではなくチェットが目撃し知ったことを、バーニーがどんな風に突き止めていくのかを楽しむミステリでもあるのか。2冊目も購入済みなので、楽しみ。

  • 探偵バーニーの助手犬チェットが語り手のミステリー

  • 動物好きなら絶対読むべし、ということで、本屋さんの棚から手に取ったのが始まり。語り手は、探偵バーニーの飼い犬チェット。つまり、犬の視点で読者も事件を追いかけていくことになるんです。読書に没頭しているあいだは、すっかり「犬族」の仲間入りをしていましたよ。警察犬の試験にあと少しで合格していたほどの勇気と才能あるチェットが、バーニーの事件を手伝うはずが・・・そこは、やっぱり犬なので、つい食べ物に目がくらんで、証言を聞きそこなったり、すぐに大事な手掛かりを忘れてしまったり。でも、そういうところが逆に面白くて。犬になったつもりで、ハンバーガーのかけらを、拾い食いしちゃったり、犯人にがぶりと噛み付いてみたりしてみては?

  • 私立探偵のバーニーと、その相棒のチェット(犬)が、事件の謎に迫る作品。
    チェットの視点で物語が綴られていて、それがなんとも楽しいのです。犬好きにはたまらない。素晴らしかったです。

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