- Amazon.co.jp ・本 (551ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488208042
作品紹介・あらすじ
ものまね師事件が解決して二カ月、ジャズのもとをニューヨーク市警の刑事が訪れた。21世紀最悪の連続殺人犯である父ビリーに施された殺人者としての英才教育を生かして、ニューヨークで起きている連続殺人の捜査を手伝って欲しいというのだ。渋々同行するジャズ。だが事件を調べるうちに、ものまね師事件との繋がりに気づく。そして被害者の遺体に書かれた〈ゲームへようこそ、ジャズパー〉のメッセージ。大好評のシリーズ第二弾! 解説=穂井田直美
感想・レビュー・書評
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えええ、そんなぁぁ。。
最後まで読んで思わず声が出た。
確かに海外ドラマのように映像が浮かび
楽しく読んでいたけれど
海外ドラマのようにクリフハンガーな
幕切れになるとは。
前作「さよなら、シリアルキラー」は
続きがありそうな終わり方ではあったものの
事件としては解決していたし、
読み終わって、一息つけた。
でも今回は
主人公ジャスパー“ジャズ”、
ジャズの恋人コニー、
ジャズの親友ハウイーも
それぞれ危機的状況だし、
真相に近づいてはいるものの、
事件もまだ解決していないし、
ジャズの出生や、
彼に関わる人物についても
気になるところだらけで。
3部作の2番目が今作で、
前作を読んだ時点で
続編を買っておいてよかった。
とにかく早く続きを読まなければ。
(グロい描写が多いので
少し辛いけれど。。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ものまね師事件が解決して数カ月、ジャズのもとをニューヨーク市警の刑事が訪れた。
この小説は設定が変わっている。主人公ジャズの父親は、21世紀最悪の連続殺人犯であるビリー。彼に施されたのは殺人者としての英才教育であり、ビリーはジャズを溺愛していた。そして、何より自分を超える殺人者、シリアルキラーになってくれることを望んだ。そんな家庭環境のもと、成長したジャズ。シリアルキラーの片鱗を見せていてもおかしくないのに、ジャズは正しく成長する。この設定の時点で、かなり特質だと思います。
ジャズは正しく成長するといっても、本来人間が備えている恐怖への怯えをしっかりと覚えているという点が、葛藤や苦悩を強調して、ジャズに興味を覚えます。ビリーが息子を溺愛するが、ジャズは父を殺したい程に憎んでいる。しかし、憎んでいるからと言って父を殺してしまうと、彼の望みをかなえてしまう。彼を殺してしまう(殺せる)ということは、ジャズは父の英才教育の素晴らしさを証明してしまうこと、自分にシリアルキラーとしての才能があることを自らで証明してしまうからです。その上、自分は、もう元の生活に戻れなくなってしまう。だから、ジャズは苦悩を続けるのです。例えば、彼女との交際にも常に怯えを感じているほどに。
さらに、ジャズが殺人者ではなく、殺人者を捕まえる側で生きていくというのですから、応援のし甲斐があるというもの。羊たちの沈黙のレスター博士のように殺人者の心理を分析し、犯人を追い詰めるジャズ。「自分もいつか連続殺人者になってしまうのではないか」という恐怖を心に忍ばせながらも、その恐怖を追い出すために、捜査に繰り出すジャズ。
特筆すべきは、ジャズは殺人者を捕まえる側に立っていながらも、殺人者から一目置かれてしまうという威光の強さにも焦点を当てているところ。「殺人者の王の後継」として、殺人者達から特別な扱いを受けてしまったらと思うと、、、。
ジャズのキャラクターとしての魅力と設定が際立つ本作ですが、ミステリとしても「殺人者たちの王」の題名にふさわしいほどの残忍さ。ジャズに協力要請があった時点で、すでに15人の男女が殺されています。被害者達には、シリアルキラーの仕業と思われる常人では理解しがたい犯行声明が残されています。
シリアルキラーの父に育てられ、シリアルキラーの残した犯行声明から犯人を推理する。しかし、その犯人からは王としてあがめられる。がんじがらめの運命の中でももがくジャズ。と、結局、ジャズに私は引っ張られていく。
結論としては、ジャズを応援するために本書を読んだようなものです。 -
待って待って!これ前編じゃないか!3作目セットで買っておいて良かった(発刊当時、3作目を待ったファンの方、やきもきしただろうな)
前作と違ってジャズ、コニー、ハウイーが別々に行動しているので心配でたまりません。歯止め役だと思ってたコニーが実は結構無茶をする子で心配だし(無茶は全部ジャズのためなのだけど)、ハウイーはただでさえ心配だし、何よりも2人がそばにいないジャズが今にも向こう側へ行ってしまいそうで、いちばん心配です。
無茶しないでと思いながら、無茶をする3人を存分に楽しんでいて。私は酷いやつだ。 -
ニューヨークの事件を、手伝うジャズ。
脱走した父もあらわれて、ハラハラしてしまった。
ラスト、そこで、終わるのか、、、続きが気になりすぎる。
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殺人青春ミステリの第2弾。相変わらずリーダビリティが非常に高くページを繰る手が止まらない。前作から成長の見える主人公ジャスパーは魅力的だが、今作は掘り下げられたサブキャラのほうが魅力的である。彼女のコニーや血友病のハウイーなどが独自に動き、一般人としての視点で事件を見ているのが大きい。またジャスパーの助けとなる警察側の人間であるヒューズや美貌のFBI捜査官モラレスも前作にいなかったタイプのキャラであり、事件のスケール感を増すのに一役買っている。総じて褒める点の多い今作だが、ただストーリー面はやや難があって、犯人が明らかになるもののクライマックスの渦中で唐突に次巻に続く形で終わってしまい消化不良である。2、というよりは前後編の前編だけ読まされたような感じで、地続きなのは構わないが、せめてこの一冊は独立した事件として扱って欲しかった。ただ期待感は高いままなので次作も楽しみである。
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ジャスパー・デントシリーズ第二弾。
今回はジャズがニューヨーク市警に協力を要請されて現地に飛ぶ。
相変わらず面白い!……田舎町ロボズ・ノットで猟奇的な生い立ちのジャズの恋や友情、将来や学校生活、地元の人間関係に主軸を据え、悩み多き青春を描く路線でいくと思ってたら、突然ニューヨークに舞台が飛んでのっけからサスペンス色が強くなったのでびっくり。
やっぱり犯罪捜査のメッカはNYなのか。
個人的にはYA青春路線のほうが好きだったので残念。
今回から完全にジャスパーVSビルの親子関係メインというか、親子対決にテーマがシフトしちゃった感じ。
一巻の雰囲気が好きだったので、ジャスパーの日常と並行して事件が展開していく話運びのほうが好みだった。
ガールフレンドのコニ―や親友のハウイーも大活躍。一巻よりさらに出番が増えて、積極的に動いてる。
とくにコニ―はジャスパーに付き添ってNYに行ったりアクティブすぎる。
大人しくしていてほしいジャスパーの気持ちも彼氏の力になりたいコニ―の気持ちもわかるからむずかしい……。
ビリーの存在感の不気味さは健在。
けれどジャスにだけ聞こえるビリーの囁きがうるさすぎて「シャラップ!」と叫びたくなる(笑)
終盤判明するある事実には、ぶっちゃけそこまで意外性はない。
冒頭もとい、前巻からずっと引っ張っていた伏線なので、スレた読者には予想が付きやすい。
事件の鍵となるあるゲームだが、日本人には馴染みがないので、ちょっと想像しにくいかも?
残虐なシリアルキラーが多く登場するが、その生い立ちは深く掘り下げられずドライに描写されるので、「殺人鬼の不幸な生い立ちは耳タコだよ!同情なんていらねーよ!」って人にはおすすめ。 -
シリアルキラーの父親が脱獄してから二ヶ月。
ニューヨークでは通称『ハット・ドッグ・キラー』による連続殺人事件が起きていた。そして新たに発見された被害者の遺体には「ゲームへようこそ、ジャスパー」というメッセージが刻まれていた。市警に請われニューヨークへ向かうジャズ。
一方故郷でも『コニー』の元へ差出人不明のメールが送られていた。「アー・ユー・ゲーム?」
三部作の第二弾。
ようやく平穏(?)な日常に戻ったジャズ。が、新たなシリアルキラーと対決します。捜査をしていくうちに、父親の『ビリー』や前作の『ものまね師』も事件へのかかわりを見せ、犯人を追い詰めたと思ったところでピンチに。さらには故郷の二人も怪しげなことに・・・。
と言うところで今回はend。そんな!これでは次も読まねばならないじゃないですか。 -
まさかのこの状況,途中で続きとは!何もかもが気になる.
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さよならシリアルキラーの続編。
前作は1冊でひとまずの解決になっていますが、今作は明確な続き物のラストになっています。
ビリーが脱出してから起こった連続殺人事件に、またもジャズが巻き込まれていく。
陰鬱になりすぎず、青春小説の名の通りぐいぐいと読ませてくれます。
続刊を用意してから読み始めるのがオススメかも。
続きが気になる終わりです。