- Amazon.co.jp ・本 (605ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488207076
作品紹介・あらすじ
壊れた幼女の墓から、そこで眠っているはずのない二人の子供の遺体が発見される。「血の収穫祭」という因習的な儀式が残る町で、かつて何があったのか。戦慄の傑作ミステリ。
感想・レビュー・書評
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全体的におどろおどろしい雰囲気でストーリーが展開して、怖かった。これってホラーだったっけと思うくらい。最終的に色々真相がわかるのだけど、人間関係とかなんかウーンという感じで私的にはすっきりしない終わり方だなと思ってしまった。毒の目覚めの方が好きです。
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先月に読んだ『毒の目覚め』がそれなりに面白かったので、著者の作品を遡る形で本作を手に取った。読んでみて、まず、「あ、こっちが原型なのだな。」という印象を持った。英国の美しい田舎、何らかの痛ましい過去を持つ美しい女性、手助けする有能で親切で魅力的な男性、古い協会、秘密の通路、地元の悪童、医学的に疾患を抱えた幻の人間…『毒の目覚め』を先に読んでしまったから、それらの特徴が『毒の〜』に固有のものだと思ってしまっていたけれど、もともとはこちらが本家だったのだな。(というか、似過ぎている感すらある。)
一見すると怪現象にしか思えない伏線の数々や、読み手の恐怖心を煽るような描写に魅せられて、一気に読んでしまう。そんなに大袈裟でない程度にロマンスの色があるのも悪くない。ゴシックエンタメミステリとして楽しむ分にはなかなか手応えのある作品だった。
ただ、気になるのは、まずはオチのインパクトの弱さ。伏線が全然綺麗に回収されていなくて、強引に結論づけられて終わってしまった感が否めない。タイトルにもあるくらいなのだから、異常な収穫祭との繋がりをもっと作ってほしかった。それから、余韻を持たすためなのか、ロマンスの方の回収の仕方も中途半端な気がしてならない。あんな終わり方にするならあそこまで熱を持って作品中でロマンスの香りを漂わせなくても良かった。無駄。
うーん、総合的には悪くない、けど、なーんかしっくりこない作品だった。 -
英国の小さな村の教会の墓地から、そこに眠っているはずのない2人の子供の死体が発見される。
やがて狙われ始めるフレッチャー家の2歳の娘。犯人はその兄2人がいると話す幽霊少女なのか?
前半のテンコ盛りオカルト描写が不安を煽りつつ、後半に入ると怒涛の謎解き展開。サスペンス要素満載で面白かった。
オカルトエピソードを重ねて村自体の異常性を浮きだたせる描写は上手いけど、それが事件ともう少し絡んでいたらなお良かった。
ただ、冬の描写は真夏の炎天下に読むものじゃないわw -
前半の「オカルト」展開に購入を失敗したかと思ったけれど、後半の怒涛な「ミステリー」展開は読み応えがあって満足。真犯人は最後までまったく分からなかった。
ただ、冗長とも思える前半の事細かい描写に対して、事件後があまりにもあっさりしすぎていたのが残念。前半は不要なくらい登場人物の心情を掘り下げて描いていただけに、最後にきて「え?それで終わり??」と拍子抜け。それとも、そのあっさりすぎる描写が、救いようのない事件の悲惨さをより引き立てているのだろうか。 -
S・J・ボルトンの最新作。
コミュニティそのものに重大な秘密があり、事件の解決とともにその秘密も白日の下に晒される。今回はホラー的なガジェットも作中で効果的に使われており、前2作よりも不気味さが増している。 -
これは最高ですよ。
大体がホラーというかサスペンスというか怪奇というか。そういうのに必須のアイテムと言えば、謎の田舎町、奇形児とか異形とか、そして変態である。いやもちろん今とってつけて言っているわけだけど、こういうアイテムは江戸川乱歩とか昔のやつでは普通だったのに、段々と世間の風も厳しくなってきて、クリーンになりがちなわけで。でもさ、変態と子どものペアはジャニーさんにもあるように一般的じゃん。ということを著者は言いたいわけですよ。
まぁ知らんけど。
とまぁ嫌な感じのダークさが好きなもんだから割とドンピシャリでしたわ。