毒の目覚め 上 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488207052

感想・レビュー・書評

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  • MWA賞受賞作。
    イギリスの田舎町を舞台に、蛇をめぐる異常な事件に立ち向かう女性獣医のミステリ。

    クララ・ベニングは、野生動物病院の獣医。
    自然が豊かで、年代の古い家屋敷がまばらに建ち、住人は少ない静かな村に住んでいる。
    人付き合いが苦手で、同僚に肩を触られるのも嫌なクララ。それには、理由があった‥
    赤ちゃんのベッドに蛇がいると近所に住む若い母親に助けを求められ、無事に捕まえる。
    同じ日に父と姉からはしきりに電話があったが、家族のもとへはすぐには向かわないクララ。

    その後、蛇に噛まれて死んだ男性があったと聞く。
    クララは専門家として招かれ、地元の名士の館で開かれた、蛇退治に乗り出そうとする住民の集会にいやいやながら出席する。
    蛇に噛まれて死ぬことなど非常にまれで、イギリスでは野生の蛇を殺すことも禁じられているのだが。
    一同にストップをかけた男性マットは、クララの家の裏手に建つ家に住む男性だった。
    近所付き合いをしないクララは、マットのことをまったく知らなかったが、実は警官だった。

    今は住む者がいないはずのウィッチャー家の古い館で、死んだはずの老人の姿を見かけ、目を疑うクララ。
    そういえば葬式はなかったのだが‥まさか?

    蛇がたくさん入り込んだという家に駆けつけたクララは、マットが捕まえようとしている蛇を見て驚愕する。オーストラリアに住む世界一危険な毒蛇タイパンなのだ。
    何者かが違法に持ち込んだのか‥いったい、なぜ?!
    世界的な爬虫類学者ショーン・ノースの教えを請いに行く。

    陰のあるヒロインと、いまだ全貌が見えない事件。
    村の過去の事件まで、さかのぼる展開に。
    スリリングで緊張感がみなぎっています。

  • これはかなり好きなタイプの作品!!

    イギリスの田舎で平穏に暮らす若き獣医クララ。
    しかし、ある日近隣の住人から助けを求める電話があった。
    「赤ちゃんのゆりかごの中に毒蛇がいる」と。

    その不可解な事件を皮切りに、次々と現れる毒蛇。
    蛇の毒による死者も出る中、イギリスでは決して見つかるはずのない
    世界一危険な毒蛇タイパンを見つけてしまう。何故こんな所に??

    上巻を読み終えた後、クサリヘビとタイパンをネットで調べてみた。
    ……こんなのが部屋にいたら恐ろしすぎる!(汗)
    そして獣医とはいえ一人で捕獲しようとするクララ、勇敢すぎる…

    そもそもクララ自身、謎だらけの女性だ。
    どうやら顔に傷があり、人付き合いを避けるために田舎にきたらしい。
    何やら過去に色々ありそうな予感。下巻を読むのが楽しみ!

  • イギリスの作家S・J・ボルトンの長篇ミステリ作品『毒の目覚め〈上〉〈下〉(原題:Awakening)』を読みました。
    イギリスの作家の作品が続いています。

    -----story-------------
    〈上〉
    蛇の毒で死んだ老人。
    世界で最も危険な蛇の出現。
    数々の事件は何者かの策略なのか?
    謎に挑む女性獣医の姿を圧巻の筆致で描き、MWA賞受賞に輝いた壮麗なゴシック・ミステリ!

    〈下〉
    老人たちはなぜ蛇の毒で殺されるのか。
    村人が決して語らない50年前の教会の火事にまつわる「記憶」とは。
    『三つの秘文字』の著者が放つ謎と言い知れぬ恐怖に彩られた傑作。 
    解説=穂井田直美
    -----------------------

    2009年(平成21年)に発表されたS・J・ボルトンの長篇第2作にあたる作品です。

    その夏、英国の小さな村では蛇が異常発生していた… 獣医のクララはある老人の死に疑問を感じる、、、

    死因は蛇の毒だが、1匹に咬まれたにしては毒の濃度が高すぎるのだ… さらに近所の家で、世界で最も危険と言われる毒蛇を発見する。

    数々の事件は、何者かの策略なのか? クララは言い知れぬ恐怖と謎に挑むことに……。

    蛇をめぐる事件が村の静寂を破り、住人を脅かしていく。獣医であるクララは原因を調べはじめるが、たまたま知り合った老女、ヴァイオレット殺害の最有力容疑者として逮捕されてしまう… 全財産をクララに譲ると書かれた遺言状が残されていたのだ、、、

    釈放された後、自分を窮地に陥れた犯人を懸命に追い続けるクララが辿り着いた驚愕の真相とは… 英国ミステリの旗手が贈る新たな傑作……。

    英国の田舎の村で、蛇がらみの不可解な事件が頻発… そして、50年前に村を襲った厄災を知る老人たちが不審な死を遂げる、、、

    怪しげなコテージや廃墟と化した教会などを舞台に描かれたクラシックな雰囲気を纏った英国ミステリでした… 幼少時に顔に負った傷のために内省的な性格となり、人付き合いが苦手なヒロイン・クララがとことん身体を張って、自らのトラウマと闘いながら変わっていくのも好印象でしたね。

    終盤はパズルのピースがはまるように謎が解けていく展開が愉しめました、、、

    特にクライマックスのクララと犯人との緊張感溢れる対決は一気読みでした… 50年前の事件に巻き込まれた、そして引き起こした人物が生きていたとはねー 

  • ※詳しいレビューは下巻に記載しました

  • 薄暗くて、惨めな主人公が良かった。翻訳ミステリ大賞とってほしいなー

  • ボルトンは初読み。良くも悪くも典型的な翻訳の日本語文体。読みやすいけれど。

    上巻は殆ど現象の場面だけ・・もっともヒロインの動物医師クララの謎は用意されている―顔に大きな傷、都会で受けた心の傷、ひっそりと暮らしたくて田舎へ。
    アンダークリフ、ライムの日没ってなんかロマンあふれている。そして濃い人間関係、老女と来るとMrs マープルお婆さんを思い出すけれど、こちらは現役の女性医師・・ロマンスが出てこないのは珍しい。

    その為か、事件が起きたあと幾度も「妄想」に捉われ悪夢を見る。ゴシックサスペンスという帯の文字は些か大袈裟だけど。

    クサリヘビ、ヤマカガシ、猛毒のタイパン・・これだけ揃うと全編おどろおどろしい。
    その陰に隠れた事件の謎は5人兄弟・・うち3人は生きているけれど かな。
    冒頭に有ったローマ期にあったという「テベレ川の拷問」が気になる。

  • ミステリ

  • 読ませなくはない。
    ただ内容が個人的に好みじゃなかった。
    古い館とか蛇とか新興宗教とか。

    あと主人公が危ない状況にどんどん一人で行っては、案の定危険な目に合うという、B級ドラマによくあるパターンで、
    なんでもっと慎重に行動しないんだろう?といういらだちが。

    表紙の絵が蛇じゃないのは、蛇が嫌いな人がいるからだろうか。

  • この村には絶対近づきたくない、という話。

    こんなことができる蛇使いがいるのか知りたいので、とりあえず下巻へ。

  • 感想は下巻でまとめて

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