- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488028077
作品紹介・あらすじ
2020年7月。オリンピック開催間近の東京で、新聞社宛に「開会式の日、東京を走るトラックの荷台に青酸ガスを仕掛ける」という予告電話がかかったのが全ての始まりだった。直後、配送トラックの荷台から青酸ガスが発生するテロが次々と起こる。更に、何者かが仕組んだトンネル火災や鉄道線路の土砂崩れなどの影響で道が閉ざされ、東京の食料が品薄になってしまう。物流が狙われ、陸の孤島となりかける東京。その危機に、物流のプロである長距離トラックドライバーたちが立ち向かう!
感想・レビュー・書評
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物流サスペンス、の一冊。
オリンピック開催直前の東京を襲った物流ストップの危機を描くサスペンス。
テロ?目的は?社会問題も絡まり興味深く読めた。
随所で福田さんのわかりやすく的確な言葉が心にストレートに届くのが印象的。
トラックは血液、なるほど言い得て妙。
そしてその血液を運ぶドライバーのなくてはならない存在、ドライバー魂なるものが熱く読み手の心にも届けられる。
日々当たり前に享受しているものの裏側を見つめること、様々な仕事の連携で社会、生活が成り立っていることの大切さが伝わってくる。
清々しい読後感も良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者との出会いは「東京ブラックアウト」
まだ東日本大震災も起きる前で、その前にあった荒川の伝送線が切断され、東京が大停電に陥る前に読んだ、この作品は衝撃的だった。
そんな作者が満を持して発表した今作。
「東京ブラックアウト」では東京から電気を奪ったが、今作では東京から物流を奪う。
舞台は東京オリンピックの開会を1週間後に控えた東京。宅配便のトラックで運んでいた荷物から青酸カリが発見される。その後も物流の流れを止めるテロがあらゆる手段で描かれる。JRの線路の爆破、高速道路のトンネル火災…
そして、そのテロを後押しするように台風が都内を直撃する。さらに孤立化する東京。
正直、ちょっとここまでタイミングよく、いろんなことが重なるか?と思うこともないけれど、実際にオリンピック開催に当たり、懸念されていた事項が盛り込まれている。
多分、作者自身の意見なのだろうけど、登場人物のほとんどが東京でオリンピックを開催することを良しとしていない傾向が伝わる。
奇しくも、今作の発売後、東京オリンピックの延期が決まった。5月時点では来年の同時期の開催と言われているが、今作を読むとやはり東京オリンピックの開催は現実的とは思えない。
物流についてはいろいろ調べたようだが、いろいろ事実と異なる部分もある。鹿島灘の方に向かっている高速は「南関東自動車道」ではなく、「東関東自動車道」。オリンピック期間中、首都高の料金が上がる対象に物流は含まれていない。そして、オリンピックスタジアムに聖火台は設置されていない。
執筆時点では決まってないこともあったかもしれないが、作者は架空の名称を使わないところがあるので、こういったこともきちんと調べて書いていただきたいと思う。
パニック小説としては、なかなか読みごたえがあるけれど、内容が散らばっている感じが否めないのと、間違いが多いのが気になるので、評価は少し低めで… -
もしも大動脈である道路が封鎖や渋滞で、東京に物資が届かなかったらというシュミレーションのもと、あってもおかしくないくらい、リアルで楽しめました。多く取材されているという印象がものすごくありました。
この文章を書いている現在、マスクや消毒用アルコールなどが不足していますが、この物語とリンクする部分がありました。一つのモノの背景には、多くの人が携わっています。作る人、運ぶ人、販売する人など改めて、ここにあることに感謝をしなければいけないなと思いました。
トラックドライバーや警察、犯人など様々な視点から物語は進んでいきます。登場人物が多いし、場面の切り替えが早いところもありますが、この場面はなんとなくこんな現場だなぁや最初に登場人物一覧があるので、大丈夫かと思います。
犯人が誰かは、中盤まででだいたい分かります。ただ、あまり犯行する部分が描かれていないので、物足りなさを感じるかなとも思いました。あまりオリンピック内部の描写がないのでなんとも言えませんが、周りでは物資不足なのに内部との温度差に落差があるように感じました。冷静なのか、騒いでいないのか緊迫感があまり感じませんでした。
後半になると、トラックドライバー同士での連携プレイで犯人を捕まえる場面やドライバーの訴えたい言葉が印象的でした。個人的には、もう一捻り欲しかったです。例えば、さらに黒幕がいたとか…。
また、犯人の動機から大規模なテロに発展するのが、ある意味凄さを感じました。ここまでやっちゃう意味ある?とかちょっと思ってしまいました。
物の有り難みを感じた作品でした。 -
<気>
本書,近頃の単行本にしては少し字が小さい。本のボリュームはまあちょっと厚めかなと云う程度で「普通」の範囲内。で値段はというと1900円。これはちょっと高め。出版社がベストセラーを狙う本はこのボリュームで1600円くらいの値段を付ける。
物語の内容に触れてしまう読後感想文はなるたけ書かないようにしているので,ついこういう他愛も無い事を書いてしまう。誠にすまぬ(-.-)
ところで、先に読んだ小野寺史宜著『食っちゃ寝て書いて』で、一流出版社の文藝担当編集者は300ページの本一冊を無理せずに4時間で読む、と書いてあった。 趣味読書を自負する僕は1時間に1ページが限界。うーむやはり本を職業にしている人たちは凄いのだ! -
図書館に予約してあった本です。
自粛解除になり手にしました。
何事も無ければ今頃はオリンピックを直前に控え、
その為のイベントが開催されていた時期だったでしょう。
この本はオリンピックを目前に、東京で起こる事件の話でした。
コロナで自粛中、自分達の生活が成り立っているのは大変な中、動いてくれている人達がいるからだと感謝していました。
内容は違ってもこの本でもそれぞれの仕事に責任持って働いてくれている人達が居るからこそ、社会が回っている事が書かれていて正に今読んで良かった本です。
一気に読みました。
後半は、読んでいくうちに泣けました。 -
TOKYO2020オリンピックを前に物流テロが起こる。
物流はきちんと回っていて当たり前、滞ると叩かれるようなもので、そこをターゲットにすることにハッとさせられた。コロナ禍ということもあり今は物流がありがたいことだという認識も普段より広がってきているが、色んな地域から色んな物資が届けられているおかげで毎日色んな種類の美味しいものが食べられて欲しいものがすぐ手に入る、便利な生活ができていることを忘れないようにしたい。 -
オリンピック絡みのテロと思いきや背景はもっと重かった。物流のことよく考えたことなかったし、新しいものを作れば棄てられるものも増えるという当たり前のことも考えてなかった。まさに今、部屋の片付け中で捨てるものがたくさん出ていて反省中…。
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なんか意外とあっさり終わった。
あれ?って感じ。
しかし、物流の皆様には感謝です!
道端にゴミさえ捨てなければ!