スウェーデンの保育園に待機児童はいない (移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027995

作品紹介・あらすじ

1歳の娘の理想の子育て環境を求めて、9年前、家族3人で東京からスウェーデンへ移住した著者。スウェーデンの保育園に持っていくものは? 育児休暇は何日とれて、その間のお給料は? スウェーデンのママたちに教わった手抜きメニューって? 実際に日本から移住した著者だから書ける、スウェーデンで暮らして良かったところ、悪かったところ。無理なく共働きで子育てできるとされる国での移住・子育て・日常生活を綴った、楽しく気軽に読めるエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • この後スエーデンどうなったんだろう。移住する人はそこがいいから動く、それでも戻る人もいたりする。

  • アルテイシアさんのエッセイで紹介されていたので図書館で借りて読んでみた。

    日本で育児をすることに限界を感じた旦那さんが、家族総出でスウェーデンに移住をして子育てするおはなし。

    この本を読むと、羨ましいと思うことばかりだけど、人それぞれには事情があるので、日本が嫌だ→スウェーデンへ移住が必ずしも正解/最適解とは限らないかもしれない。(正直そうじゃないほうが多いと思う)

    けれど、それでも一貫して感じたのは、子育てなどに限らず現状に限界を感じている場合、「自己責任論」で片付けてしまいがちだけど、環境や視点を変えれば、簡単に解決するかもしれないということだった。

    実際に移住してしまうのももちろんだけど、移住までに踏み切れないとしても他の国がどのように子育てをしているのか、日本とはどう違うのか、を知るだけでも、一つの糸口になるかもしれないんじゃないかと思った。

  • 感想
    日本の良さを維持したまま待機児童を減らす。保育園を増やす、職業家政婦を増やす。手段は多くある。しかし実行しなくては意味がない。

  • スウェーデンに移住した筆者の生活を子育てという視点から語ったエッセイ。
    スウェーデンの保育方針や人権意識(性別、民族、宗教等の信仰、性的指向、障害にかかわらずということ)を就学前から教えるのは大切なことだと感じたし、入園を希望する子どもは必ず入園できるような制度があったり、先生たちの就業時間や休みが守られているところは日本でもぜひ取り入れてほしいなと思う。
    スウェーデンの大学までの教育無償化と日本の医療へのアクセスの良さ、お金の使い方として両方は難しいということはわかりますが、高齢化と少子化が進む日本でこれからもいまの配分を続けることがベストなのかは考えていく必要があると感じた。

  • タイトルから、保育園や教育についてもう少し社会情勢的な内容を期待していたけど、内容は移住体験記に近い感じでした。

    また、導入部の日本での話は、大都市のママ独特のマウンティングな話に何度か読むのを辞めようかと思いましたが(笑)、スウェーデンに移ってからの話はとても興味深かったです。

    もうひとつ考えさせられたのは、スウェーデンと日本における、平等に対する考え方の違いです。同じ条件にするのが平等なのか、ハンディをつけて結果的な平等を目指すのか。日本人の多くが不足しているのはココで、ココが分かち合えれば、日本ももう少し心豊かに生活できる気がします。

  • スウェーデンの子どもの権利についての教育の話、そもそもの価値観や正義の教えK田の違いなどの話は、面白かったです

  • あまり取り上げられないスウェーデンの本当の姿。
    実際き移住した人が、自分の目で見て経験したありのままが書かれていてとても楽しいし面白い。
    あっと言う間に読み終わった。

  • 長田杏奈さんのなんかなんか通信(タイトル違うかもしれない…)にゲスト出演されていて興味を持った久山さんのスウェーデン移住エッセイ。

    ・スウェーデンでは申込みから4ヶ月以内に保育園入園に入所できる
    ・求職中でも入所可
    ・「専業主婦」という言葉はなく、あるのは「失業者」
    ・慣らし保育中は保護者も一緒に園で過ごす
    ・仮に夫が経営者でも妻は妻で働くのがほぼ当たり前

    エッセイなので久山さんの体験や感じたことが書かれていて、これはこれで読んでいて興味深かったのだけど、なぜここまで共働きが当たり前になっているのか、社会的な背景や理由が知りたかった。本当に簡単にでもいいので…。あとは参考文献なども欲しかった(が、エッセイなのでそこまで望む方が高望みなのかもしれない…)。

    共働きが浸透した背景についてはこちらの記事が参考になった。

    「専業主婦率2%のスウェーデンは幸福度が世界トップレベル! 働く女性を幸せにする2つの条件とは」

    https://woman-type.jp/wt/feature/1615/

    ・1960年代好景気→人手不足→政府:女性に働きに出てもらいたい
    ・女性:これまで私たちが担ってきた無償労働は?
    →政治に進出
    ・制度が整えられていった

  • 図書館で何気なく手に取った本でしたが、面白い内容でした。保育園のことに限らず、スウェーデン子育て観や女性像についても書かれていて、範囲は思ったより広く飽きずに読めました。
    スウェーデンの保育園では、子供の権利条約について子供たちに話がされ、「すべての子供には同じ価値がある」と教わってくるというエピソードが印象的でした。自分たちが素晴らしい存在だと感じられる子供時代は、何よりも大切だよなと感じました。

  • スウェーデンと比べて、日本は便利だけど
    その分労働環境が悪い
    スウェーデンは、物価や消費税は高いが
    割りかし労働環境は良い

    人間関係に関しては、個人の力量だと思うので
    それは国によって変わるもんでもないと思う。
    話すのが下手だったらどこへ行っても無理

    自分にとって何を重視するか、

    本書のテーマである保育園についてだが
    日本に比べ、だいぶのびのびしているらしい
    慣らし保育でも最初の1週間は、保護者が
    ずっと付き添っていたりする
    日本では考えられないだろう
    だが、子供にとってはいきなり知らない環境に
    放り出されるのは大変なことだと思う。
    大人だって嫌なことを子供に強いるのは
    無理があると思う。
    慣らし保育のやり方は、スウェーデンの方が好きだと思った。
    ママ友とかの概念も無いらしいし
    日本って色々面倒くさい

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著者プロフィール

翻訳家。エッセイスト。理想の子育て環境を求めて、2010年に家族でスウェーデンに移住。現在(2021年)小学6年生になった娘を通じてスウェーデンの保育園や小学校の教育を体験。2011年から高校で第二外国語としての日本語を教え、スウェーデンの教育現場の現状を様々なメディアで紹介している。ストックホルム大学で高校教員免許を取得中。おもな翻訳書にアンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)、トーベ・ヤンソン『メッセージ』(フィルムアート社)、レイフ・GW・ペーション『許されざる者』(創元推理文庫)、著書に『スウェーデンの保育園に待機児童はいない』(東京創元社)などがある。

「2021年 『こどもサピエンス史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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