ギデオン・マック牧師の数奇な生涯 (海外文学セレクション)

  • 東京創元社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488016630

作品紹介・あらすじ

スコットランドの出版社に、半年前に失踪したギデオン・マック牧師の手記が持ち込まれた。彼は実直な人間として知られていたが、失踪する直前に神を信じないまま牧師になったことや悪魔と親し気に語らったことを告白し、信徒や国教会から非難されていた。手記には彼の生い立ちから、自分以外には見えない巨石の発見や悪魔との出会い、そしてなぜそれを大衆の前で語ったのかがすべて記されていた。それを読んだ編集者は手記を書籍として出版することにする。――編集者による序文、牧師の手記、そしてまた編集者の文章という独特の構成で、ある牧師の数奇な生涯を描くブッカー賞候補作。

感想・レビュー・書評

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  • 400ページを超える上下2段組…正直、読み始める前は途中で投げ出すかもと思っていたが杞憂に終わった。
    本書は、悪魔に邂逅したと主張して失踪した牧師ギデオン・マックの手記と、その出版を考える編集者の覚書で構成される。滝壺に落ちて死んだと思われたギデオン牧師は、3日後に奇跡の生還を果たす。ところが生還した彼は、ライヘンバッハの滝から生還したかの名探偵よろしく、全くの別人になっていた。自分は悪魔と過ごしていたと語り始めたのである。
    何とも不思議な小説で、全てギデオンの虚言なのか、妄想なのか、それとも何か真実が含まれているのか、特に結論が出るわけでもない。ただ淡々と彼の人生が語られるだけなのだが、面白い。よい読書の時間だった。

  • まあ、わたしのような浅はかな人間からしたら、牧師さんやお坊さんが実は本当は神様や仏様を信じてなかったりして、ってことはまあなくはないんじゃなかろうかと思うのだが、その辺りがポイントになってる話。
    いろいろ大変なことがあって、ちょっとおかしくなっちゃったんだなーみたいな。そんなまとめをしているが、なんだかあとあと思い出しそうな話ではある。

  • 地味な牧師さんの誕生から現在までが、手記という形にて書かれている。しんどかった。退屈でもだえた。
    250ページ位で突然丹波哲郎化し「松本清張三時間ドラマスペシャル」みたいな勢いある展開に。

    「俺も昔やんちゃしててさ」というキャラだったら、哲郎化しても「どうせ誰も信じてくんないんだろうけどさ、俺一回死んでさ」とバーのおつまみ的な話題として利用するなどできたのである。

    いい生まれで苦労挫折がなく、中年を迎えてから衝撃を受けたため、はしか?風疹?のようにこじらせ、命まで亡くして
    しまったわけだよ。

  • 信じきれないけど棄てられない感じ、ちょっとわかる。

  • ジャンルとしてはダーク・ファンタジー?
    手記という体裁は英国伝統の怪奇小説を思わせるが、割とファンタジー寄りの長編だと思う。本国では受賞こそしなかったものの、ブッカー賞の候補にもなったそうだ。

  • 2018年12月15日に紹介されました!
    2018年3月18日紹介されました!

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