月の部屋で会いましょう (創元海外SF叢書)

  • 東京創元社
3.35
  • (5)
  • (14)
  • (23)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 246
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488014537

作品紹介・あらすじ

肌が宇宙服になってしまう奇病? 恋人の手編みのセーターの中で迷子になる男? 誰もが金魚鉢を抱えていなければいけない星への休暇旅行?? とびきり奇妙な33編の短編集!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 円城塔は人が降ってくるがヴクサヴィッチは人が飛んでいく。

    ラファティのような、ユアグローのような、カルヴィーノのような、或いは初期の筒井のような、不可思議で滑稽で時々スプラッターな物語がたっぷりと詰め込まれている。

    「僕らが天王星に着くころ」「月の部屋で会いましょう」のようなオーソドックスなSF話よりも、「母さんの小さな友だち」と「セーター」のような噺の方が好き。「家庭療法」や「儀式」のような咄も悪くない。

  • 岸本佐知子さんのアンソロジー『変愛小説集』で知った作家の短編集ということで、発売と同時に即買い。

    岸本さんが『変愛小説集』で紹介したうちの1編『僕らが天王星に着くころ』は、ある奇病で引き裂かれつつある夫婦のお話。「なんやそれ」的な素っ頓狂な設定ではあるのだけれど、そういう外形的なものよりも、大切なものを手放すまいとする妻と夫の姿が『変愛―』で読んだときよりも切なく迫ってくる。

    全編を通じて、明るい面白さと切なさのおとぼけSF作品集だと思っていたし、紙袋をある理由でかぶった人々を題材にした2編が、これまた「なんやそれ」的に個人的なツボにハマって妙に好きなんだけれども、サイコスリラー的な『ふり』のように、じわっと湿った感情を描いたものが意外に多いという印象を受けた。巻末解説で指摘されているとおり、素っ頓狂な設定と展開はラファティに似ているのかなと思いつつも、すでに自分たちの身に起こっているブラックぎみの状況設定は星新一に似ており、最後の1行でぴりっと締めてくる作風は、案外ジャック・ヴァンスに似ているような気もする。

    訳者おふたりで分担して訳されており、割合としては市田泉さん多め。おふたりの得意とされる分野でのすみ分けだと思う。なお、『家庭療法』はある方面で耐えられない人続出と聞いていたけれど、私は無事耐えられたもようです。

  • 2022.04.18 図書館

  • 再読

  • 突拍子もない設定、切ないストーリー。
    SFってすごい、読書って素晴らしい!とうれしくなる。
    でも自分の心の状態のよくないときに読むと、引きずられる感じも。
    「僕らが天王星に着くころ」「母さんの小さな友だち」が特に心に残った。

  • SF

  • 結局、1篇追加となった文庫版で読了。

  • SFやホラーの断片がきらめく、奇談幻想短編集、なんとたっぷり33編。
    おもしろかった!とても素敵だった!
    少し寂しくて、ちょっと切なくて、薄くひんやり。

    お気に入りは『バンジョーを抱えたビート族』『ふり』『母さんの小さな友だち』『派手なズボン』『冷蔵庫の中』『ジョイスふたたび』『俺たちは自転車を殺す』『大きな一歩』『次善の策』『月の部屋で会いましょう』の10編。
    中でも『母さんの小さな友だち』『派手なズボン』『俺たちは自転車を殺す』は、とても好みでたまらんやつ!
    『母さんの小さな友だち』は、<幼年期の終わり>と<ハーモニー>のWatch Meを彷彿とさせる、好みストライクな一編!

    素敵だった~♪

  • SF短編集。岸本氏は4-5編で、10編くらいが市田氏の訳。しかし、この本はSFなんだろうか? むしろ恐怖短編小説じゃないのだろうか? 人生で初めてかもしれないが、私は最後まで読まずに本を閉じてしまった。あまりにも怖かったの (ノ_・。) だから正確には「読み終わった」ではなく「読まずに終了」だな。

  • 原文を読みたい

全25件中 1 - 10件を表示

レイ・ヴクサヴィッチの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×