動物園の鳥 (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 133
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488012960

作品紹介・あらすじ

ひきこもり鳥井真一は飛び立つか?「青空の卵」「仔羊の巣」に続く三部作、感動の完結。

感想・レビュー・書評

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  • 終わってしまった…(u_u)

    ラストの事件は動物園
    この事件で過去と向き合う事になった鳥井と坂木。
    シリーズ最初から鳥井を駕籠から飛び立たせなければと悩みながらきた坂木です。
    でも本当は出会った14の時から手を離す事が出来ないのは自分だとやっと認めることが出来ました。
    わかっていたけど認めるのが怖かった坂木。

    その背中を優しく押してくれたのは滝本です♪
    シリーズ中いい味出してた滝本ですが、明るい滝本の抱えていた心の傷も重かった…坂木と同じだったんですね(>_<)

    最終章での坂木の覚悟には思わず涙(/ _ ; )
    そしてエピローグに感動…
    と思ったらシークレットトラックでホッコリ笑

    人は簡単に変われないし傷を治すことはできない。
    カサブタは取れるけれど傷痕は残ります。
    けれど変わろうと自分が思った時、優しく見守る誰かがいれば時間はかかるかもしれないけど、扉は開けることができるはず。

    卵が巣の中で育ち空に羽ばたく鳥になる。
    坂木さんの作品は優しいです。
    主人公を見守る人達がとにかく優しい!
    こんな風に皆がなれたらと思う希望が込められているとつくづく思いましたヽ(*´∀`)

    坂木さんの作品に出てくる食べ物はホントに美味しそうで悩ましい…

  • 引きこもり探偵シリーズ完結編。二冊目の「仔羊の巣」が図書館になかった為、こちらを先に読む事になった。一冊目は短編集だったが、今回は長編。
    内容はとても深く考えさせられた。私自身も一般論にがんじがらめになっている事がないだろうか。人と対立するのが怖くて、自分の意見や気持ちを殺してしまってはないだろうか。

    最後は鳥井と坂木が一歩成長する、素敵な終わり方だった。これで完結なのは非常に淋しい。シークレット・トラックは嬉しかった。

  • 鳥井&坂木シリーズ感動の完結編。
    人はいつ、どうやって大人になっていくのか?
    このふたりが教えてくれた気がする。

    手を放すことも愛情だよね。
    その人のことを想うのならば。
    本当に繋がっていれば、いつか必ずまた逢える。

    わたしも大人になろう。

  • 読む順番を間違えました…。
    『青空の卵』の後にこちらを読んでしまった。2作目で初登場したと思われる人が、本作で重要人物だったので、すぐに2作目も読まなければ。

    順番を間違えたとはいえ、鳥井と坂木の関係性は変わっていない。二人の頼り頼られる信頼の厚さは羨ましいけど、少し怖くなるほど。
    その原因を作ったとある人物が登場するが、いかにも悪い奴でいけすかない。でも、自分にも同調圧力に負ける弱い部分があるし、一方的に攻める気にもなれない。それを差し引いても、嫌な奴なんだけど。今回の事件にも大きく関わってくるので、鳥井の推理のターンではスカッとした。
    最後に坂木が大きな決断をして、ある行動に出るけれど、これが鳥井と坂木の更なる幸せにつながる一歩になりますように、と願わずにはいられない。

  • 主体性がないからこそ。
    冷静に正論を告げられたとしても自覚がなければ、ただの言いがかりだと決めつけて自分の行いを正当化して終わりだろう。

  • ひきこもり探偵 第3弾 完結編

    第一章 街に住むもの
    第二章 パンダの不在
    第三章 教室の猿たち
    第四章 薫り高き毛皮
    第五章 都市の夜行生物館
    第六章 巣の中で食事
    第七章 猫と聖書
    第八章 見えない生物
    第九章 レミングの顔
    第十章 択卵の後
    第十一章 永遠と絶対
    第十二章 鳥かごを開ける日
    終章 動物園の鳥
    エピローグ

    あとがき
    解説 伊藤清彦
    シークレットトラック 白い日

    動物園のボランティアをしている松谷明子から、動物園で起こった猫虐待事件の解決を依頼された鳥井と坂木。

    飼育員や周辺のホームレスの情報から、犯人を絞り込んでいく。

    一緒に事件を解決しようと同行していた、警察官の滝本の妹を通して、滝本の家族との軋轢、妹への依存が詳らかになるにつれ、鳥井と坂木の関係が、中学時代のいじめに端を発したものであり、それがお互いの関係をがんじがらめにしていたことに気づいていく。

    関係性に気づいたとき、鳥井と坂木は新たな扉を開いていく。


    2人の関係が結末を迎え、スッキリした読後感。
    共依存の関係かなと思っていたが、お互いが傷を隠し、癒し合っていた。

  • そうとは知らず、青空の卵の続編だった。
    登場人物思い出しながら読んだけど、
    一作目好きだったなら、
    期待を裏切らない続編だった。

  • ひきこもり探偵シリーズもこれで終わり。

    最後のシークレットトラックまで読んで、やっとホッコリ読み終わることができました。

    2017.920読了

  • 2017/6/2
    お互いの依存が受け入れ難かったけど、最後はなんとなく納得。
    この人は見えない悪意とかを描くのがホントに上手いと思う。
    あんな屑がこんな簡単に自覚するか疑問だけど、だといいなぁってことで。
    正論に逃げるとか違うところを否定するってやりがちだから気をつけよう。
    彼らとまたどこかで会いたい。

  • 三部作とはしらなかった
    一部、二部も読みたくなった

    鳥井氏がなんでも見えてしまうところが驚
    探偵役だから仕方ないか。。。

    「新しいものは素晴らしkて古いものは時代遅れ教」という宗教・・・言い得て妙。
    「無意識の悪意」言葉が通じない相手というのは本当に怖い。どう対処したらよいのか鳥井氏に教えてほしいものだ。

    引きこもり探偵シリーズ三部作
    青空の卵
    仔羊の巣
    動物園の鳥

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著者プロフィール

一九六九年、東京都生まれ。二〇〇二年『青空の卵』で〈覆面作家〉としてデビュー。一三年『和菓子のアン』で第二回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。主な著書に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『鶏小説集』『女子的生活』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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