- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488011260
作品紹介・あらすじ
絵本作家の母に育てられた、9月生まれのセプテンバーと、翌年7月生まれのジュライ。内気で意志の弱いジュライは、貪欲で残忍な姉の支配下に置かれているが、二人の絆は他の誰も必要としないほど強いものだった。彼女たちは春先に学校で起きたある事件をきっかけに、オックスフォードから亡父が生まれ育った〈セトルハウス〉へと引っ越してきたが、それを機にジュライの中には奇妙な違和感が芽生える……最年少でブッカー賞候補となった俊英による、一編の詩のように忘れがたい物語。
感想・レビュー・書評
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十ヶ月違いの姉妹は、姉のセプテンバーと妹のジュライ。まるで双子のようで魅力的な装画である。
だが辛辣でナイフで刺されるような感覚になる。
姉の言いなりで支配下にあるジュライが、学校で起きた事件をきっかけに母と共に亡き父の生家へ引っ越して…。
後半は、ジュライがまるで壊れたかのようで不気味さを感じた。
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『九月と七月の姉妹』終始不穏で仄暗い狂気が美しい文章で書かれていてざわざわする。愛憎半ばで支配的な姉と共依存な関係の妹の、妹側からの目線で語られるストーリーの違和感とホラー的雰囲気と緊張感で一気読みしてしまった
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10か月ちがいの姉妹の物語。なんだかホラーな雰囲気の小説。
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湿気ってる
子どもの頃の暗い日みたいに
安っぽいおもちゃをかがやかせる -
可憐な装画が抜群な効果で惹きつける。姉妹のない私は、姉妹の関係性に憧れた。双子みたいな月違いの年齢のプロットが緻密で少し怖く冴え冴えと神秘的。心的鏡の作用に魅入る。鏡のひびは気づきの刹那を見透す灯。 -
読み始めてページに文字がぎっしり詰まっているので、「読めるかな?」と思った。しかし、文章は詩的で読み進むのに苦はなかった。
異様な姉妹の関係、ある事件を契機に引っ越した「セトルハウス」の不穏な雰囲気。ある事件とは何なのか?後半に読者が感じる違和感は何なのか?で終盤まで引っ張る小説。ホラーとミステリーに詩情を加えて混ぜ合わせた作品。
それなりに楽しめたものの、しばらくすれば忘れてしまうであろう(「どんな内容だったかな〜」)作品かと。