グッゲンハイムの謎

  • 東京創元社
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488011208

作品紹介・あらすじ

12歳のテッドは母と姉と一緒に、叔母のグロリアといとこのサリムが住むニューヨークを訪れた。グロリアはグッゲンハイム美術館の主任学芸員で、休館日に入館させてくれた。改装中の館内にいると、突然煙が。火事だ! だが、何者かが発煙筒をたいて全員を避難させ、二千万ドルの絵を盗んだと判明。しかもグロリアが容疑者にされて……。優秀な頭脳を持つテッドは、真犯人を探すため謎解きに挑む。爽快な『ロンドン・アイの謎』続編!

感想・レビュー・書評

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  • ★5 テッドたちが帰ってきたよ! ニューヨークの美術館で絵を盗んだ犯人を探せ #グッケンハイムの謎

    ■あらすじ
    『ロンドン・アイの謎』に続く、少年テッドたち大活躍するジュブナイルミステリー。
    今回の場所はニューヨーク、火事の騒動に紛れてプライスレスな絵が盗まれてしまった!容疑者になってしまった叔母を救うため、可愛い子供たちが少年探偵団よろしく捜査に奔走する物語。

    ■レビュー
    待ちに待った『ロンドン・アイの謎』の続編、楽しみにしてました!

    残念ながら前作の作者/本作の原案者シヴォーン・ダウト氏は亡くなってしまいましたが、作品の魂を引き継いだロビン・スティーヴンス氏が執筆をされています。本当にありがたいですね。

    さて本作のレビューですが、前作に引き続いて主役の子どもたちが可愛すぎで尊い…

    ・人とのコミュニケーションが苦手だけど、誰よりも高い記憶力と論理的思考を持つ主人公、テッド
    ・心根は優しいけど、中学生という大人になりかけ世代で何もかも不満気味の姉、カット
    ・家族と仲間想い、新しい街での生活に希望を膨らませている、いとこのサリム

    まだ小さい子どもたち、元気で無邪気に生きているように見えますが、実はいつも生きるのに必死、不安でいっぱいなんです。時には喧嘩したり、ギクシャクしたりしながらも、手を取り合って難題に立ち向かう姿に自然と涙がでちゃうの。

    特に主人公デッドが人との付き合い方に苦心する描写があまりにも強烈。親世代の私としては只々抱きしめたくなってしまいました。

    そして今回のミステリーは、犯人探しと不可能犯罪の解明です。
    前作よりも昔ながらの推理小説が如く解き明かしていく展開で、さらに綿密な内容になっています。

    あいかわらずテッドの分析能力が鬼スゴで、たくさんの容疑者と可能性をリストアップし、ひとつひとつ潰していく。
    児童書とは言いつつも、完全に本格ミステリーで、終始ロジカルな考察を繰り広げられていきます。たくさん提示された情報から、少しずつ見えてくる真相には興奮がとまらず、中盤以降は完全に一気読みでした。

    前作に引き続き、作品全体から愛情がぎっしり詰まった本作。大人から少年少女まで、どんな世代にも読んでほしいミステリーでした。

    ■推しポイント
    とくかく可愛い子どもたちの成長が胸に刺さる。
    彼らへのメッセージを贈らせてください。

    お姉ちゃんカットへ:
    あるきっかけから、自分の夢から逃げたりごまかすのではなく、立ち向かうことができるようになりました。
    熱意と勇気があれば、みんながあなたの味方になってくれますよ。
    そして今後も、誰よりも弟想いのお姉ちゃんでいてあげてください。

    いとこのサリムへ:
    自分の未来がかかったプレッシャーのかかる困難にも関わらず、最後までくじけずに頑張ることができました。
    チームのまとめ役になって、みんなを元気づける姿が眩しかったです。
    これはあなたの強みですよ、将来は社長さんですね。

    テッドへ:
    弱い人を守るためには、事実や分析結果ではなく、嘘や曖昧さが必要になることがあります。あなたはそのことを学習し、今回ある人を守ってあげることができましたね。
    自分を犠牲にしたり、変化させたりするのは、チャレンジングで難しいことなんですよ。大変よく頑張りました。

    さあ皆さん、人生はこれからです。

    さらなる課題や困難がでてくるでしょうが、愛情と成長の意識をもってさえいれば、きっと良い結果が得られます。これからも楽しく、元気に、胸を張って歩んでいきましょう。

    • autumn522akiさん
      yyさん、こんばんわ!
      いつもコメントありがとうございます。

      この本は読み終えても、物語がまだまだ続く感じがするんですよね。
      ホン...
      yyさん、こんばんわ!
      いつもコメントありがとうございます。

      この本は読み終えても、物語がまだまだ続く感じがするんですよね。
      ホント、子どもたちがこれからも輝き続けてほしいっ
      2022/12/18
    • あゆみりんさん
      akiさん、こんばんは♪
      素敵なレビューですね(*´꒳`*)
      私は今、ロンドン・アイを読み終えて充実感に浸っております。
      そして、こちらのグ...
      akiさん、こんばんは♪
      素敵なレビューですね(*´꒳`*)
      私は今、ロンドン・アイを読み終えて充実感に浸っております。
      そして、こちらのグッゲンハイムも読みたいです‼︎
      こんな素敵なレビューを読んだら、読まないわけにはいきませんね、ご紹介ありがとうございます♪
      2023/01/10
    • autumn522akiさん
      あゆみりんさん、コメントありがとう~
      本作も面白いですし、子供たちのチームワークが読みどころですよ!
      ぜひぜひ読んでほしいですっ
      あゆみりんさん、コメントありがとう~
      本作も面白いですし、子供たちのチームワークが読みどころですよ!
      ぜひぜひ読んでほしいですっ
      2023/01/13
  • 「ロンドン・アイの謎」の続編。
    本作は、ニューヨークの面白い形のグッケンハイム美術館を舞台にして、テッド達の成長や見事な謎解きを楽しめた作品だった!
    テッド達にまた会うことができて良かった。

    夏休みを利用して主人公のテッドは、グロリアおばさんといとこのサリムが住むニューヨークを訪れる。
    そこでプライスレス(=貴重)な名画が、何者かに盗まれて、グロリアおばさんが逮捕されてしまうという衝撃の展開になる。おばさんの無実を証明するために、テッドと姉のカット、そしていとこのサリムの三人がチームを組んで謎を解決しようと奮闘する姿が描かれていた。
    テッドが、会話の中の比喩表現があるとその度毎に自分で解説しながらの場面が時折出てくるところは微笑ましくて好きなところ。
    良かったところは今までテッドが、とても苦手だった事なのだが、……その場に応じた良い嘘も臨機応変にできるようにもなって成長したんだなと感じたところなど。また、姉弟の関係性も良くてお互いに認めあっているところも良かったと思った。姉のカットとしては、テッドに複雑な気持ちが当然あるが、それを伝えたうえで、ちゃんとテッドのことを認める話し合いもできていたし、良いお姉ちゃんだなと思った。テッドも姉を『喜ばせる秘密のパスワード!』を使ったりもしていて、一気に頼もしくなってきていた。そしてテッドは、何より自分に自信を持てているところは、……清々しくて感動した。
    サリムも、かっこ良いセリフがあって良かった……。
    子供っていつの間にか成長していくものなんだなと…胸がジーンとする読後感を味わった。

    この作品は、前作著者の方から、新たな作家さんに、引き継がれて書かれた続編である。それでもなんの違和感もなく物語を読めるなんて素晴らしいと思ったし感謝したいと思った。
    もう、読み終わってしまってさびしい気持がしている……




    • 1Q84O1さん
      テッドが嘘を使いこなしている
      悪ガキにならないでねw
      けど、これも嬉しい成長ですね(^^)
      テッドが嘘を使いこなしている
      悪ガキにならないでねw
      けど、これも嬉しい成長ですね(^^)
      2023/04/04
  • 「ロンドン・アイの謎」の続編
    あのテッドにまた会えました!!

    今回の舞台はニューヨーク。
    いとこのサリムとグロリアおばさんが住んでいます。
    おばさんの勤務するグッゲンハイム美術館で、名画の盗難事件が発生し、なんとグロリアおばさんが犯人と疑われて逮捕されてしまうのです。

    そこでテッドと姉のカット、サリムの3人で、絵の行方と真犯人を探すのですが……

    本当にこのチームは最高です!!
    読んでいてワクワクが止まりません。
    自分もチームの一員となり、謎解きをする楽しさ。
    そして前作から3人はしっかり成長していて、頼もしい。

    テッドの成長ぶりも良いんだけど、今回はお姉ちゃんカットが最高です。
    ちょっと普通とは違う弟と暮らすのは、大変なことが多いのも事実。
    でもテッドの良さを誰よりも理解していて、信頼し、大切に思う。
    そんな少し大人になったカットが愛おしい。

    物語の最後の言葉。
    「ぼくはテッド・スパーク。
    ぼくは、ぼくでいられてうれしい。」

    そうだよね。
    こんなふうに素直に自分で自分を認めたい。


    また、ニューヨークの街の様子が、テッド目線で描かれているのも面白い。
    人々の服装や歩く速度、言葉や食べ物など、ロンドンとの違いを細かく見付けていくテッドにキュンとする。

    登場する名画も実在するものなので、検索して見ることもできます。
    こんなに楽しい読書体験ができて、私は幸せです。

    • 1Q84O1さん
      aoiさん
      遅ればせながら昨日「ロンドン・アイの謎」を読みました(^_^;)
      すぐに、「グッゲンハイムの謎」のテッドに会いに行きたいです!ε...
      aoiさん
      遅ればせながら昨日「ロンドン・アイの謎」を読みました(^_^;)
      すぐに、「グッゲンハイムの謎」のテッドに会いに行きたいです!ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
      2023/02/23
    • aoi-soraさん
      1Qさん、こんばんは^⁠_⁠^

      ロンドン・アイでテッドたち三人組に会ってきたのですね!!
      可愛いでしょ(⁠ ⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)
      大人顔負けの...
      1Qさん、こんばんは^⁠_⁠^

      ロンドン・アイでテッドたち三人組に会ってきたのですね!!
      可愛いでしょ(⁠ ⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)
      大人顔負けのテッドの頭脳に「ありがとう」と伝えたい
      2023/02/23
    • 1Q84O1さん
      おっさんもテッドの可愛さにキュンキュンですw٩(♡ε♡ )۶
      おっさんもテッドの可愛さにキュンキュンですw٩(♡ε♡ )۶
      2023/02/23
  • すごい!すごい!すごい!
    作者であるロビン・スティーブンスがシヴォーン・ダウトの急逝によって幻となってしまった『ロンドン・アイの謎』の続編の執筆依頼を受けたとき、ロビンの手元には『ロンドン・アイの謎』の物語と『グッゲンハイムの謎』というタイトルだけだったらしいのです
    それだけでこの素晴らし”続編”を書き上げるなんて

    んんん

    もう、ありがとう!しかないよ

    本作が素晴らしいのは前作をただ踏襲しているわけでなく、ちゃんと成長してる!ってところなんよ!!
    テッド、カット、カリムのチームが自分らしさをそのままに物語を通して変化していく、成長していってるのがすごいよくわかるんよね
    いやー、ほんとにこの人しかいない!って人に依頼したシヴォーン・ダウト基金の人たちも偉い!!

    そして本作では「お姉ちゃん」カットが多めなのもほっこりポイントとしてあげたい
    実は誰よりもテッドの能力を信じて疑わないのがカットなんよね、もうそこに関しては揺るぎないの
    そして弟のことを理解して守ろうとするんよ、両親の目が問題を抱えた弟に行きがちなところに嫉妬心を抱えつつね
    もう「お姉ちゃん」カット最高

    そしてそして今作も人が死なない探偵小説の大傑作となっておりますので、小さなシャーロックホームズの冒険を焼き付けてくださいな!

  • 今回も面白かった。グッゲンハイムから名画が盗まれた謎にテッドとカットとサリムのトリオが挑む。舞台がニューヨークのせいか前作よりせわしない感じだったが、ダウドの遺志を引き継ぎ書かれた本作でまた3人の成長も感じられて嬉しい。

    • あやごぜさん
      111108さん♪

      テッド達と再会されたのですね(^^)
      仰る通り、ダウドさんの遺志を ロビン・スティーヴンスさんが
      しっかり引き...
      111108さん♪

      テッド達と再会されたのですね(^^)
      仰る通り、ダウドさんの遺志を ロビン・スティーヴンスさんが
      しっかり引き継いでおられるのが伝わってきます~。
      テッドをはじめ、カット、サリムの三人それぞれの成長がみられるのも良かったですね(^^♪
      2023/04/07
    • 111108さん
      あやごぜさん、コメントありがとうございます♪

      あやごぜさんのように予約しとけばよかった‥と思いつつ図書館行ったら、何と普通に置いてありまし...
      あやごぜさん、コメントありがとうございます♪

      あやごぜさんのように予約しとけばよかった‥と思いつつ図書館行ったら、何と普通に置いてありました。やっぱり穴場の児童書コーナーだから?何はともあれ、3人のことをよく覚えている間に続編読めてよかったです(^-^)
      もう続編は無いのかな?とちょっと寂しい気持ちでもあります。
      2023/04/07
  • 「ロンドン・アイの謎」の続編です、著者はシヴォーン・ダウド氏ではないので、実は少し心配してました、前作が良かっただけに。
    ですが、そんな心配はいりませんでした。
    テッドとカットとサリムの3人の成長が目覚ましく、私も謎解きに夢中になりました。

    夏休みを迎えた12歳のテッドは、母と姉カットと一緒に、グロリアおばさんといとこのサリムが住むニューヨークを訪れる。グロリアおばさんはグッゲンハイム美術館の主任学芸員で、休館日に特別に入館させてくれた。ところが改装中の館内を見学していると、突然、まさかの火事発生。
    テッドたちは大急ぎで美術館の外に避難しましたが、なんと火事は見せかけで館内の全員が外に出た隙に、グロリアおばさんが大好きなカンディンスキーの名画く黒い正方形のなかに>が盗まれてしまった。
    そして、なんとグロリアおばさんが犯人だと疑われて逮捕されてしまう…
    なんとしても絵を取りもどして、おばさんの無実を証明したい3人。
    “”ほかの人とはちがう“”不思議な頭脳を持つテッドは、絵の行方と真犯人を探すために探偵になります。
    そして、冴える冴える、大活躍しちゃいます。

    今作は、なにより愛と3人の成長です。
    17章、障害を持っているテッドに対して、カットの泣きながら今まで抑えていた感情をぶつけるシーンは印象的でした。
    テッドのことは大事だし認めている、
    「けど、楽じゃないんだよ、あんたの家族でいるのはさ。自分じゃわからないだろうけど、あんたにはすごくたくさんのことが必要なの。いつもずっとね。診察とか、レッスンとかーーいろいろ。あんたが必要なものが増えれば、それだけあたしにまわってくるものが減る。あんたにそんなつもりはないし、しかたないのはわかってるけど、ときどき思うんだ…何もかもがあんたのためじゃなければいいのにって。」
    「ぼくだって、ぼくでいるしかないんだよ、カット」
    そう、テッドは即答。
    姉のカットは涙を拭い、
    「わかってる。あんたがあんたでいるのは、いいことだよ。ほんとに。だって、こういう事件が起こったとき、あんたなら解決できるんだから。あたしにはわかる、テッドならできるって」
    そう言ってあげられるカットは、テッドのことを誰よりも信頼しています。
    そして、とてもとても優しい子なんです。

    今回はサリムにとって、とても悲しい事件でした。
    でも、ただ怒り落ち込むだけではなく、事件に向き合い理解しようとするサリムは、人として立派です。
    自分の夢を叶える為に必死になれるカット、素敵です。
    テッドの推理を披露するシーン、見事でした。
    「ずいぶん運がいいな」と言った警部補に対し、
    運が良かったのではなく、仮説をひとつひとつ消し真実を推理し断定に至った、運なんかでは解決出来ないと、テッドは即座に反論しました。
    頭が良いです、今は比喩・隠喩・直喩を使い分け言葉遊びを楽しんでいます。

    なんか、みんなの成長がとても嬉しいのですが、実は寂しくも感じてしまったんですよね。
    もうこんなに立派になったんだから、もう心配いらないなって。
    これから先、問題はいつも常にポンポン出てくる、でもこのチームなら必ず解決できる。
    他人に優しく、強く生きていける。
    親の手から離れて立派に生きていくんだなぁ、寂しいなぁ…

    でも、最後の一文を読んだ時、読者はみんなとっても嬉しかったんじゃないかな。

    • あゆみりんさん
      えええっΣ(゚д゚lll)
      シンパシー感じちゃいます、ほん3さん‼︎
      感想楽しみにしてますね♪
      私たちの中2の子供の旅立ちを想像してしまって...
      えええっΣ(゚д゚lll)
      シンパシー感じちゃいます、ほん3さん‼︎
      感想楽しみにしてますね♪
      私たちの中2の子供の旅立ちを想像してしまって、なんだか切なくなってしまいました(´∀`*)
      2023/02/13
  • 『ロンドン・アイの謎』の作者、シヴォーン・ダウド。
    47歳の若さで急逝したあと、
    彼女の大ファンだった作家によって書かれた続編を読むことができるとは…。
    この作品の作者、ロビン・スティーヴンスは、
    シヴォーン・ダウド基金から打診を受け
    登場人物たちと短いタイトルだけを手掛かりに物語を組み立てたそうです。
    ダウドの作品を愛する人たちの力によって続編が書かれた
    経緯そのものが奇跡です。

    さて、テッドの新しい冒険の物語。
    『ロンドン・アイ』の物語のあとでニューヨークに向かったテッドたち。
    晴れてNYグッゲンハイム美術館の正職員として赴任することになった
    ママの妹グロリアおばさんと従兄弟のサリムを訪ねます。
    テッドの家族は、修復中の美術館で
    特別なプライベートツアーに案内されることに。
    ところが、館内で火事(?)騒ぎがあり、
    その最中に絵が一枚盗まれてしまいます。
    そしてある証言から、グロリアおばさんが容疑者として逮捕され
    テッドたちは盗難の謎を解くために慣れないニューヨークを奔走します。

    最初の章。
    NYからロンドンに戻って三か月後のテッドの語りから始まります。
    「友だちは七人。いままでについた嘘は九つ」
    前作では友だちは六人、ついた嘘は三つでした。
    テッドは嘘をつくのが得意ではなく、つい本当のことを言いかけては
    お姉さんのカットに足を蹴られたりする 純粋な心の持ち主です。
    ただ、九個目の嘘をついたあとのテッドのこんな記述は印象的。
    「うそをつくほうがいいときもあることに、ぼくは気づき始めていた」
    嘘がいいとは言いませんが、ここはテッドの成長がうかがえるところです。

    12歳から14歳の三人の子どもたちが、全力でグロリアおばさんを助けようと
    知恵を絞り、身体を使う姿がなんとも愛おしい。
    また、この経験を通してそれぞれが自分の未来をしっかり見据えていく。
    なんて清々しいんでしょう!

    翻訳者が同じこともあり、別の作者が書いたと知っていても
    シヴォーン・ダウドが語っているように思えるような
    ワクワクが止まらない内容でした。
    原文で読んだらどうなのかな? と興味の湧くところです。
    とりわけ、心を動かされた最後の一文。
    ここだけでも知りたいな。

    • 松子さん
      えっ⁉︎ yyさん、ぜんぜんですよぉー!
      取り寄せに1ヶ月ぐらいかかるそうなので、
      ほんと先になるのでっ

      yxwさん、本当に優しい心遣いあ...
      えっ⁉︎ yyさん、ぜんぜんですよぉー!
      取り寄せに1ヶ月ぐらいかかるそうなので、
      ほんと先になるのでっ

      yxwさん、本当に優しい心遣いありがとうございます。yyさんは素敵女子です!

      ふふ、1ヶ月ぐらい先になるけど読みますよっ
      内容見ないように、yyさんもakiさんのレビューもしっかり読んでいませんが、お二人から伝わってくる本の面白さに、わくわくが止まりません!(≧∀≦)
      2022/12/18
    • あゆみりんさん
      yyさん、こんばんは♪
      akiさんもyyさんも素敵なレビューですね、グッゲンハイム(*´∇`*)
      私はロンドン・アイを読み終えたところで、と...
      yyさん、こんばんは♪
      akiさんもyyさんも素敵なレビューですね、グッゲンハイム(*´∇`*)
      私はロンドン・アイを読み終えたところで、とても良い物語でした。
      作者が違いますし、実は少し疑っていましたが、みなさんの素敵なグッゲンハイムのレビューを読んだら、絶対に読みたいと思いました。
      ご紹介ありがとうございました♪
      2023/01/10
    • yyさん
      あゆみりんさん

      コメントありがとうございます。
      あゆみりんさんの「勝手におすすめコーナーに置く作戦」いいかも (笑)
      私が利用して...
      あゆみりんさん

      コメントありがとうございます。
      あゆみりんさんの「勝手におすすめコーナーに置く作戦」いいかも (笑)
      私が利用している図書館でも「ロンドン・アイの謎」は
      青少年向けの地味~な場所に置いてありました。
      子どもから大人まで楽しめる良書なのに…。

      でも、ということは「グッゲンハイム」が図書館に入ったら
      借りやすいってことかもしれませんね。
      あゆみりんさんのレビュー楽しみだなぁ♪☆彡


      2023/01/10
  • 『ロンドン・アイの謎』の続編。
    テッドと再会するかのように待ち侘びていた一冊。

    今回は、母と姉のカットと一緒にグロリアおばさんといとこのサリムが住むニューヨークを訪れる。
    おばさんの勤めるグッゲンハイム美術館に休館中に特別に入館させてもらう。
    そこで、突然の煙に巻き込まれ避難したところに名画が盗まれ、おばさんが犯人だと疑われてしまう。

    疑いをはらすべく、犯人を探し出す3人。
    すべての仮設を列挙してひとつひとつ消去していく。
    いくつもの手がかりを整理して論理的に解決していく。
    ほかの人とは違う不思議な頭脳を持つテッドは、観察力もあり、記憶力も凄い。
    そして、人とは違うからこそ気づけることも多い。
    音に敏感なこともあり、パニックに陥いることもあるが、それでも姉のカットがよく理解しているのでフォローしている。

    犯人が誰か直ぐにわかるだろうと思っていたけれどそう簡単でもなく、終わってみれば気持ちがすっきりとはしない。
    それは近しいと思っていた人だからだろうか…
    それだけではなく、子どもたちこそ複雑な気持ちだったからだと思う。
    裏切られた悲しさや怒りもあっただろうと思うとよかったとはけっして言えない。

    いろいろな感情に直面しながらテッドはまたひとつ成長していくんだなと思った。

  • テッドに会いたくて本作は速攻で図書館から借りてきました(≧∇≦)b
    (ロンドン・アイの謎はタイミングを逃してなかなか借りれなかったので…)

    物語は前作から三ヶ月後
    たった三ヶ月でテッドがものすごく成長している
    ヮ(゚д゚)ォ!
    相変わらず会話の中での鋭いツッコミは健在w
    そして、たった三ヶ月で「比喩」の表現を使いこなしているΣ(゚Д゚)
    (テッドすげぇー!)
    さらには、前作ではなんとか頑張ってうそをついていたのに本作はではバンバンうそをついてるしーw
    (純粋なテッドが悪ガキになっていくーw)
    もちろん、事件解決の為に必要なうそなんですけどね(^_^;)
    とにかく、子どもたちの成長はすごいですね!
    テッドはもちろんカットにサリムも短期間にどんどんたくましくなっていき誇らしいです!
    (お前は誰の親目線だ!w)
    成長したテッドたちに会えて満足の一冊です♪

    • 1Q84O1さん
      ほん3さん、その気持ちよくわかります!
      また、さらに成長したテッドたちに会えると嬉しいですね!
      けど、次回作はやっぱり難しいのかなぁ…
      ほん3さん、その気持ちよくわかります!
      また、さらに成長したテッドたちに会えると嬉しいですね!
      けど、次回作はやっぱり難しいのかなぁ…
      2023/03/04
  • 『ロンドン・アイの謎』の続編
    『ロンドン・アイの謎』発表2ヶ月後、原案者シヴォーン・ダウド逝去
    本作品執筆依頼ロビン・スティーヴンス刊行

    12歳のテッドは、夏休みにママとお姉ちゃんと一緒に、グロリア叔母さんと従兄弟サリムが住むニューヨークに遊びに行く
    グッゲンハイム美術館での発煙騒ぎに出くわし、名画が何者かに盗まれ、グロリアおばさんが疑われて、逮捕されてしまう
    グロリアおばさんの無実を証明しようと、テッド、お姉ちゃん、サリムが暴走?する
    いったい、犯人は誰なのか。。。

    続編ともなれば、気持ち的にはテッドの保護者♡
    まさかお姉ちゃん、とまでは言いませんけど(^^;;
    人の気持ちを読むのが苦手なテッド
    普通の人と違った思考回路
    だからなのか、いつも人の表情や行動をよ〜く観ています
    そんなテッドの胸の内の声が非常に面白くて、事態は重いのに、今回も同様、楽しんで読めてしまう所が好きです

    例えば、グロリアおばさんの事
    (一部抜粋)
    「女の人がハリケーンの様に飛んできた」
    「ハリケーン、グロリア」
    「グロリアおばさんは噴火した」
    「おばさんを見ていると、顔全体が吊り上がり、目が大きく開き、口もどんどん大きく開いて、前歯と糸切り歯だけでなく、一番奥の歯までまる見えになった
    左の奥から2番目の歯に、銀色の詰め物がしてある
    グロリアおばさんは甘い物好きだとママが言っていたことがあるから、きっとあの歯のことだ」

    可愛いですよね〜(^O^)

    またテッド達に会いたいな

    ご紹介ありがとうございました♪

    • autumn522akiさん
      続編まで読んじゃいましたね。
      子供たちが頑張る姿が胸アツですよね~
      おっしゃるとおり表現も可愛いし、もう萌えしぬ。
      ありがとうございま...
      続編まで読んじゃいましたね。
      子供たちが頑張る姿が胸アツですよね~
      おっしゃるとおり表現も可愛いし、もう萌えしぬ。
      ありがとうございました!
      2023/07/23
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      akiさん、いつも素敵なレビュー拝見しています
       
      はい、チームテッド&カット&サリムは
      み〜んな可愛いです

      今後ともレビュー楽しみにして...
      akiさん、いつも素敵なレビュー拝見しています
       
      はい、チームテッド&カット&サリムは
      み〜んな可愛いです

      今後ともレビュー楽しみにしています
      2023/07/23
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著者プロフィール

1988年アメリカ生まれ。3歳からイギリスで育つ。2014年のデビュー作『お嬢さま学校にはふさわしくない死体』が好評を博してシリーズ化された。『貴族屋敷の嘘つきなお茶会』『オリエント急行はお嬢さまの出番』が翻訳刊行されている。2015年にシヴォーン・ダウド基金から『ロンドン・アイの謎』の続編執筆を依頼され、2017年に『グッゲンハイムの謎』として刊行。

「2022年 『グッゲンハイムの謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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