- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488010782
作品紹介・あらすじ
『四季』で知られる作曲家ヴィヴァルディは、晩年、多額の借金を抱えたまま、旅先で死亡した。残された家族は債権者に追われ、兄の遺品を処分、以来200年近く闇に消えていた自筆楽譜だったが、1920年代にトリノの図書館長はある神父から買い取りを持ちかけられる。しかし、それは全体の二分の一でしかなかった。数奇な運命をたどった楽譜の謎を綿密な調査研究によって明らかにした、ミステリにも似た読み応え十分の傑作ノンフィクション・ノベル!
感想・レビュー・書評
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ヴィヴァルディは借金を踏み倒していなくなり、残された手書きの楽譜は弟や妹たちに残された。それを巡って18世紀とムッソリーニが支配する20世紀のイタリアで起こった物語。事実に基づくフィクション。。
なかなか面白かった。価値の解らない人に寄贈されほっぽらかされていたり、欠落に気づいて探し回る人がいたり。史実であることが、より興味を増す。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本にヴィヴァルディは登場せず主役はヴィヴァルディの手稿譜の再発見、それに尽力をつくした人々である。ほとんど史実に基づいているとのことだがまるで物語を読んでいるようだった。ラストの”八分音符が雫となって降りそそぎ~“では胸が熱くなり辛かった。
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桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1213277 -
様々な時と場所に視点を移しつつ、20世紀におけるヴィヴァルディ再発見の経緯を描くノンフィクションノベル。ヴィヴァルディが現代に知れ渡るのにあたってこのような経緯があるとは知らず、手稿譜がたどった奇妙な運命やそこに絡む人間たちの夢と欲望のドラマが刺激的でおもしろかった。ただ、小説としては物足りない点があり、まるで再現ドラマを含むドキュメンタリー番組を見ているようだった。いっそもっとドキュメンタリーに寄せたほうが個人的には楽しめた気がする。
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なかなか読み進められず、数ヶ月かかって読了。最後の最後に、内容が史実に基づいていると知って驚いた。
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ヴィヴァルディが亡くなった。残された手稿譜は時の流れに埋もれてしまう。その重要性を知らないものの手にあったり、大切に保管されていたり大事な人の記念の銘を冠されたり。その楽譜が世に出た時、関わった人のみが知る履歴は埋もれてしまったのだろう。不完全ながらも大まかな来歴が見えた時、苦労を重ねた関係者は天国でほっとしているのか、少し悔しく思っているのか……
最後の関係者はジェンティーリ、イタリア人種ではないため教職を追われ、多くのユダヤ人のように逃亡生活に入る。その時目にした新聞には「ヴィヴァルディの楽譜発見」の記事。発見者とされるのは……
それでも ヴィヴァルディの音楽は
美しい 美しい う つ く し い
1740年から1780年、1893年、1922年から1927年を行ったり来たりしながら物語が進むので、わけがわからなくなったりしたけれど、何度読み返しても第十二章の最後の文章には涙が出てしまう -
ここ数年,ヴィヴァルディをよく聴く.頭が疲れない音楽はあまり類がない.
ヴィヴァルディは故郷ヴェネチアの人気作曲家だったが,飽きられて零落し,ウィーンで客死する.死後,散逸した手稿譜が1920年代に発見されるまでの史実をもとにした小説が
本書.その歴史は興味深いが,あまり愉快なものではない.借金の肩としての差し押さえをを逃れ,貴族に売られ,遺産の分割によってバラバラになったり,貴族の死後,寄贈を受けた修道院からは粗末に扱われ,教会拡張の資金調達のための売却よって,ようやくトリノの図書館と音楽学者 Alberto Gentiliの目に触れる.ユダヤ人の資本家による出資により,国有財産になるが,ファシズムの宣伝材料として利用される.
18世紀と20世紀が交互に進むストーリーは,読み進めるにつれ,重くなり読み進め難くなる. -
ヴィヴァルディの音楽を愛する全ての人に。今日、ヴィヴァルディを聴くこと、弾くことができるのは、これら先人のお陰でした。
参照Web「赤毛の司祭」のBBS1と3
http://vivaldi.music.coocan.jp/index.html -
やられた。史実を元にした歴史フィクション?
でも面白かったです。