- Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488010379
作品紹介・あらすじ
バツイチ探偵ブロディの扱う失踪、殺人、浮気調査は、アトキンソンの手にかかると、ただならぬ気配。『世界が終わるわけではなく』で読者の心を掴んだ著者によるミステリ。
感想・レビュー・書評
-
探偵ものとなってはいるが、どちらかというと、ケイト・アトキンソンの作品のひとつと捉える方が、私にはしっくりくるものがありました。
読めばすぐに、「世界が終わるわけではなく」を書いた人の作品だなと、すぐに分かる、芳醇な知識量と語彙の数々、そして皮肉の応酬には、時に読み辛く食傷気味に感じる人もいるかもしれないが、それを興味深く読めるか、あるいは、物語中に共感できる登場人物がいるかで、面白さは俄然変わってくる(私はアメリアだった)。
探偵の「ジャクソン・ブロディ」の人間臭さへの共感はすごく持てたし、何より全ての登場人物に対する細かい設定や心配りには、文学と思えるような驚嘆すべき凄さがあり(これについては星5だと思う)、主人公が何人いるんだ、というオムニバス的な楽しみも十二分にあります。
ただ、私的には、読んでいて心底辛いエピソードがあって・・まあ、文芸作品なのだから、そういうものも客観的に受け取るべきだとは思いつつも、気分が重くなるのは、どうしようもなかった。落ち込んだし、本当に辛い。なんで?って。
でも、続編は必ず読みます。ジャクソンの心からの涙と愛嬌のある情けなさは、好きだから。 -
何の予備知識もなく図書館で借りたら面白かった。章ごとに現在・過去や人物の視点が変わる構成。おぞましい出来事とユーモラスな人達。どこでどう繋がるか徐々に明らかになる展開とブロディがなぜか魅力的で続編を早く読みたくなった。
-
人の世は善悪の2面ですっきりと評定できるものではない。皆それぞれかかわりあって、重なり合って、そこへ少しの掛け違いや、気の抜いた判断や、過度の思いやりが加わって混沌たる状況になる。それでも日々をやり過ごすことが現在を生きる者にできる、愛する者への志。
-
フランスへの移住を夢見る探偵ブロディが手がける3つの事件。
一つは30年以上前に消えた幼女の捜索。もう一つは10年前に少女を殺した犯人を探すこと。最後の一つは夫を殺した罪を償った姉を見つけること。
前作の雰囲気を微かにまとわせつつ、全く違うジャンルのミステリを物した作者に拍手。
ミステリでありながら、捜査より関係者の描写に筆を尽くし事件を描く手法は面白かった。
人間関係に厚く覆われて隠された真相が露わになるのは、ちょっと辛い。 -
ううーん。読みずらかった。長かった。最近読んでた本は、途中まで面白く最後で残念、ばっかりだったのですが、まさに正反対。ずーっとだらだら、最後の最後で謎を全部さらす。いっそ最後から読んだ方がいい。テクニックはあるんだろう。沢山人が出てくるが、似たような人は二人といず、どの人もぶれずに書いてるが。いろんな人が出たり入ったり忙しい。別に三つの事件それぞれが関係してないのにまぜくる必要はあったのか。若干は関係してるけどさ。ああ読みにくい。訳者が違ってたら続編読む。
-
あまり面白くなかった
-
何と言うか実に感想を述べにくい話だ。過去に起きたいくつかの事件を探偵が調査するのだが、真相が解明されたものもあれば分からないままのもある(読者には分かるようになってるが)。でもそういう部分はこの話のメインではない。
悲惨な事件に否応なく打撃を受けた人たちは、それでもその後も生きていかねばならない。深刻ぶることなく自分なりの生き方を見つけるしかない。時にそのもがきようが滑稽でも本人は切実だ。ユニークだけどリアリティーのある物語。 -
悲しい事件と事件の周りの人たちの苦しみ。
それなのにちょっとシニカル。
このレビュー拝見させてもらって『世界が終わるわけではなく』に辿り着きました。
ありがとうございました!
ブロディシリーズの好きな...
このレビュー拝見させてもらって『世界が終わるわけではなく』に辿り着きました。
ありがとうございました!
ブロディシリーズの好きな部分がいっぱい詰まっている物語で良かったです。