コンピュータ、どうやってつくったんですか? はじめて学ぶ、コンピュータの歴史としくみ

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  • 東京書籍
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487811892

作品紹介・あらすじ

数字の成立と、計算の歴史の上にできあがったコンピュータ。
毎日使っているのに、実はどうやって動いているのか知らないコンピュータのしくみを、理系男子とヘンテコな妖精の対話形式で紐解きます。
0と1だけで、なぜコンピュータは複雑な計算ができるのか?
そんな疑問に、明快に答えてくれる、世界で一番わかりやすいコンピュータの本です。

第1部 数字で情報を表す
第1章 数字の歴史
第2章 二進法の数字とコンピュータ
第3章 数字による情報の表現
コラム バビロニアの数字と、ゼロの発明

第2部 電気で計算を表す
第4章 コンピュータでの足し算
第5章 「電気による計算」までの旅路

第3部 コンピュータの頭脳
第6章 コンピュータに命令する
第7章 命令を聞くしくみ
第8章 命令を実行する
第9章 「コンピュータ」の誕生
コラム チューリングマシン

参考文献
あとがき

感想・レビュー・書評

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  • ある日突然、人間の元にコンピュータをどうやって作ったか教えてほしいと妖精が現れた。

    コンピュータに詳しい人間と妖精の会話形式でやさしくしくみを教えてくれます。

    第1部では、数字と数の違いから二進法の説明を図で分かりやすく。
    nが1以上の整数の場合、n桁の二進法の数字は、2のn乗個ある。
    二進法の数字は0と1しか使わないけど、桁が長くなればいくらでも大きい数を表せる。
    二進法の数字が2の7乗個、128個あれば、英語のキーボードで打てる数字を全部区別できる。ASCIIコードではAは1000001。

    「ビット」は、二進法の1桁、1か0で表せる情報の単位。
    「バイト」は、二進法の8桁で表せる情報の単位。
    日本語をコード化するには1バイト(8ビット)では足りない。Shift_JISでは、かなや漢字やその他の全角文字に、2バイトのコードを割り当てている。
    「ピクセル」は色のついた四角い点の集まり。
    色も二進法で表せる。
    1ビットだったら、1を黒、0を白に置き換えれば白黒画像になる。
    1バイト(8ビット)使えるなら、256色を区別することができる。
    3バイト、24桁の数字を使ってフルカラー画像もできる。(2の24乗個の色。1677万7216色)
    音も二進法で表せる。

    第2部では、電気で計算を表す説明。
    こちらも図でやさしく説明してくれていますが、、、。
    コンピュータの足し算引き算まではなんとか。
    ですが、AND回路やXOR回路、OR回路など、複雑でちんぷんかんぷんでした。笑
    論理学と数学と工学がであい、コンピュータが生まれたらしいです。
    なので論理学が不可欠。
    リレーは電磁石を使って電気のスイッチをコントロールする装置。
    これらのスイッチがどんどん速く小さくなっていき、半導体へ。

    第3部では、プログラミングについて。
    英語や数字表記のプログラムは、「高級プログラミング言語」と言うらしい。
    知らなかった。
    本来のプログラミングは1と0表記の為、人間には分かりにくい。
    1と0に翻訳する作業のことを「コンパイル」という。
    CPUのしくみは、わかりやすかった。
    「演算装置」は計算を行う。
    「制御装置」は命令やデータのやりとり、演算装置への指示。
    「クロック」は一定の間隔で信号を出して作業のタイミングを合わせる。
    「命令レジスタ」は実行中の命令を表示する場所。
    「フラグ・レジスタ」は作業の状態を表示する。
    「プログラム・カウンタ」は次に実行する命令の場所を表示。

    そして、それらの命令の送り元は、「メインメモリ」(記憶装置)
    USBメモリやハードディスクとはちがう。
    メインメモリは、電源を切ると記憶した中身がなくなる。
    CPUと直接命令やデータのやりとりをするのはメインメモリ。

    ざっくりとなんとなく知ってはいたが、きちんと学んだことがなかったので、とても勉強になりました。(第2部は私の頭では理解不能でしたが笑)
    最初にコンピュータを作ったと言われているフォン・ノイマン天才。
    そういえば「三体」の1にもフォン・ノイマン出てきました。三体ゲームの中のキャラクターで。人間を使って動かしてCPUを作ってた気が、、、今思うとなるほどですね。
    最初から知ってたらもっと小説を楽しめたな。

  • コンピュータの仕組みを3つの視点から答える本。その3つとは、

    1.数字(特に0と1)を用いて言葉や、音、色などの情報を表すことができる。
    2.電気回路で論理演算を表現する
    3.アルゴリズムを実装する

    である。以下メモ

    1.
    ・位取り記数法の導入によって数の大小比較が視覚的に有利になり、僅かな記号によってどんな数でも表現できるようになった。また、筆算がしやすくなり、代数学が発展した。

    ・2進数の数字を文字や色などに対応させる(コード化)ことで様々な表現方法を獲得した。

    2.
    ・ブール代数によって推論を計算に落とし込むことができ、電気回路と対応させることでコンピュータが発展した。
    3.
    ・計算の手順を順番に書いたものをプログラムと呼ぶ。

  • 青年と妖精の対話形式によるコンピュータができるまでの歴史についての本。
    エジプト数字を初めて知ったのだけど、イラストみたいで面白い。描くの面倒くさそうだけど、なんでこんな絵みたいな文字になったんだろう。
    後、アラビア数字はもともとインドで発明されたという話は面白かった。インドからアラビアに伝わって、そこから世界に広まったからアラビア数字と呼ばれてるらしい。インドかわいそう。
    そういえば、プログラム内蔵方式のコンピュータのことをノイマン型コンピュータということがあるけど、この方式を考えたのは、フォン・ノイマンではなく、一緒に研究していたエッカートやモークリーという人であった可能性があるらしい。極秘の研究だったのに、ノイマンが勝手に自分の名前で発表したのだとか。ノイマンひどいな。
    そういえば、アナログとデジタルの話の中で、アナログのレコードの溝なんかは壊れてしまったり形が変わったりするけど、デジタルな情報は基本的に「数字」だから失われにくいと書いてあったけど、中にはCDは酸化してダメになるのに、レコードは無事という人もいるらしいということは書いておきたい:https://togetter.com/li/1321431

  • 分かりやすかった。やっぱ歴史がちょっと入ってた方が、理解が違うな(私は)

  • アナログとデジタルの違い、論理演算、回路などをわかりやすく学ばせていただきました。真空管、チューリングマシンなど言葉だけは知っているようなものもきちんと説明されています。よく理解できおもしろかった!

  • 妖精さんという世界観のおかげで入りとしては良いかもです。

  • PCのこと、数学のこと全くわかってない自分にもわかりやすく、読みやすかった。
    回路とは??と、途中投げ出そうかと思ったけど、あんまり細かくわかってなくても全体の意味は取れて、最後まで読めました。

    二進法ってすごいな〜って、
    思いました。 笑

  • コンピュータの中身はどうなってるの?
    コンピュータは2進数で動いていると言われても、どういうことか想像できない。。
    という状態で読みましたが、すごく分かりやすく解説されていて、今までキーワードとして聞いたことがあった言葉が、やっと理解できました。

    コンピュータって便利だけど、なぜいろいろなことができるのか分からないという人に、本当におすすめです。

    ○コンピュータはデジタル機器
    ○コンピュータは数字で表された情報を扱う機械

    アラビア数字は位取り記数法。コンピュータの内部ではこの二進法が使われている。
    →電源のオンオフで表現できる2が、コンピュータにとって扱いやすいため。 

    コンピュータで扱われる文字や色は、それらに割り当てられた二進法の識別番号。
    →このように文字や色も二進法の数字に置き換えればコンピュータで扱える。 

    ex.
    ASCIIコード・・英語のキーボードの文字を7桁の二進法の数字と対応させている
    Unicode・・1つのコード体系で世界中のすべての文字を置き換えようとするもの

    フルカラー画像は、3バイト、つまり24桁の数字を使って1677万7216色を区別できる。
    (nが1以上の整数の場合、n桁の二進法の数字は2のn乗個ある)

    音は、音波を一定時間ごとに縦に輪切りにする。(標本化)その後、横に輪切り(量子化)して、数に置き換える。

    量子化・・中途半端な値を、近くてキリのいい値に置き換えること。

    デジタルとアナログの違い
    アナログとは、連続的な量を、別の連続的な量を使って表すこと。
    デジタルとは、連続的な量を、連続的でないとひとびの値(近似値)で表すこと。

    ○電気で計算を表す

    算術演算
    1桁の足し算は半加算器(AND回路とXOR回路)で表せる。
    2桁以上の足し算は全加算器(半加算器2つとOR回路)で表せる。

    論理演算
    推論のパターンから個別の推論を導き出す論理学と数学をうまく結びつけたのがブール。
    →and,or,notを使った計算のしくみであるブール代数によって、人間の推論の過程を表すことができる。

    論理学と工学→論理回路
    シャノンにより、リレーという電磁石を利用して自動的にスイッチをオンオフにする装置を利用すれば、ブールが考えた計算が表現できるという論文が出される。

    →やがてリレーは、真空管という電気を使って電気の流れそのものをコントロールする装置に代わる。

    →やがて真空管は、トランジスタという3つの電極がついていて、電流を増幅することができる半導体に代わる。

    ○プログラムでコンピュータに命令する

    プログラム
    計算の手順を順番に書いたものをプログラムという。コンピュータに命令するときは、人間が扱いやすいプログラミング言語を、機械か理解できる機械語に翻訳(コンパイル)して実行されている。 

    CPU
    制御装置・・命令を送ってもらう役
    演算装置・・計算する役
    クロック・・時計を見て、一定の間隔です作業をさせる役
    レジスタ・・計算に使うデータや、計算の途中結果や最終結果、命令を置いておく場所。作業の状態を表示する掲示板。

    CPUの外
    メインメモリ・・電源を切ると記憶した中身が消える。(記憶されるものはすべて電気信号)その代わり、記憶されている情報はすでに電気信号なので、情報の読み出しや書き込みが速い。
    →ノイマンが、メインメモリにプログラムとデータの両方を入れてから実行するというアイディアを発表した。

  • コンピュータの仕組みをその歴史と絡めて説明してある本。
    青年と妖精の対話形式で話が進むのに加えイラストも非常に可愛らしいので、堅苦しく学ぶというよりもリラックスしながらさっと読めるという点でも素晴らしい本でした。

    これからの時代のことも含めて考えると、コンピュータに興味が出てきた人だけでなく、小さい子供をお持ちの親御さんが教養として理解するために読む本としても最適かと思われます。

  • コンピュータは、
    ①0と1という数字で表された情報を扱う機械、
    ②電気の操作(オンとオフ➡︎0と1)によって計算をする機械、
    ③プログラム(計算の手順を書いたもの)によって様々な操作を実行できる機械 であること。

    これが、『自分の世界でコンピュータが作りたい妖精』と『コンピュータに詳しい親切な青年』との会話を追うことで、理解できるようになっています。

    物語がすごく考えられていて、感動ものです✨

    イラストもかわいくて、飽きません。

    私のような『パソコンには触ったことがあるけれど、中身のことは知らない』方にオススメします!

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著者プロフィール

川添 愛(かわぞえ・あい):1973年生まれ。九州大学文学部卒業、同大大学院にて博士号(文学)取得。2008年、津田塾大学女性研究者支援センター特任准教授、12年から16年まで国立情報学研究所社会共有知研究センター特任准教授。専門は言語学、自然言語処理。現在は大学に所属せずに、言語学者、作家として活躍する。 実績 著書に『白と黒のとびら』『自動人形の城』『言語学バーリ・トゥード』(東京大学出版会)、『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』朝日出版社、『コンピュータ、どうやってつくったんですか?』(東京書籍)『ふだん使いの言語学』(新潮選書)など。

「2023年 『世にもあいまいなことばの秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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