NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク 第1巻:【プロローグ】神秘の巨大ネットワーク【第1集】“腎臓"が寿命を決める
- 東京書籍 (2017年12月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784487810956
作品紹介・あらすじ
今、医学の世界で、これまでの「人体観」を覆す、巨大なパラダイムシフトが起こりつつある。
今までは、人体のイメージと言えば、「脳が全体の司令塔となり、他の臓器はそれに従う」というものだった。
ところが最新科学は、その常識を覆した。
なんと「体中の臓器が互いに情報を直接やりとりすることで、私たちの体は成り立っている」。
そんな驚きの事実が明らかになってきた。
このいわば「臓器同士の会話」を知ることで、いま医療の世界に大革命が起きている。
たとえば、がんや認知症、メタボなどの悩ましい病気対策の画期的な方法が見いだされ、とりあげられつつある。
新たな医学の潮流の全貌を紹介するNHKスペシャルの大型シリーズ「人体」。
この大型番組を全4巻で書籍化。
第1巻は、シリーズ全体の流れを概括する、
【プロローグ】神秘の巨大ネットワーク
【第1集】“腎臓”が寿命を決める
を収録。
感想・レビュー・書評
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NHKスペシャル「人体」取材班編『人体:神秘の巨大ネットワーク1(NHKスペシャル)』(東京書籍)
2018.1発行
2018.2.7読了
脳が司令塔になって他の臓器をコントロールするという人体のイメージは完全に覆された。山中教授とタモリが案内役のNHKスペシャルの番組を書籍化したものだが、驚愕の事実ばかりで、まさにパラダイムシフトだった。臓器同士が情報交換を行いながら、一つのネットワークを形成していることが徐々に明らかになりつつある。折しも、金融取引は中央集権管理から分散管理へと移行してきており、指揮官がいないというのは「踊る大走査線 the movie2」を思い出す。鈴木光司著『ループ』のような仮想現実すら想像してしまった。
URL:https://id.ndl.go.jp/bib/028712729詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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体の中で、想像を絶するほどにメッセージを送り合っている!
次は【人体は謎に満ちている】を読むことにする!
〈本から〉
腸からのメッセージ物質インクレチン
そうしたメッセージとなる物質には、古くから知られた「ホルモン」や、その後に発見が相次いだ「サイトカイン」、さらに近年急速に研究が進む「マイクロRNA」など、非常にたくさんの種類がある。
心臓が出すメッセージ物質ANP
メッセージを運ぶ謎の物体エクソソーム
「がん細胞というのは非常に悪賢く、インターネットの世界でいうウイルスメールのようなものを出します。これがエクソソーム。これを受け取った相手がうっかり開けてしまうと、とんでもないのに感染して、がんの転移につながってしまうのです」
がん細胞が分泌するエクソは、がんが体に広がるための重要な武器であることが突き止められている。エクソソームにはさまざまな物質が内包されていて、その中に隠されたメッセージ物質は、私たちにとっては命を脅かす“恐怖のメッセージ“だ。
腎臓が濾過する原尿の量は1日に約180リットルにもなる。人間の血液量が4〜5リットルなので、腎臓は1日のうちに何度も血液の濾過を繰り返している。一方、1日に排泄される尿の量は1〜2リットル。原尿の99%は尿細管で再吸収されていることになる。
赤血球を作るEPOの生産
血液中のリン濃度が高すぎると老化が加速してしまうという。
血管内にリン酸カルシウムが沈着する「石灰化」という現象
全身の血管が硬くなることが老化の一因と考えられている。
腎臓を守ることで救われる「命」
病気んぼ治療において、常に腎臓を意識することが重要だと多くの医師が考え始めている。 -
貴重な資料が満載。
腎臓が寿命を決めるというのは過言ではないなと思った。 -
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腸から出たインクレチンがすい臓に達するとインスリン分泌が促進される。
ANPによって尿を増やし血管を広げる。がんの転移を防げる。ANPで血管を守る。
がん細胞が出すエエクソソームを検出することで検査できる。
関節リューマチはマクロファージが暴走した免疫疾患。
酸素が不足すると腎臓がEPOを出す。赤血球の数を増やす。高地トレーニングの原理。
腎臓の出すレニンによって血圧がコントロールされている。
血液の1/4は腎臓にある。
骨はリン酸カルシウム。リンとカルシウムの貯蔵庫。
リンが過剰になると血管に沈着する。石灰化。
AKI=急性腎障害=余分な薬を飲まない。腎臓を守ることは命を守ること。 -
本館開架(一般) [人体] [腎臓]
http://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB25293511 -
借りたもの。
NHKスペシャル『人体 神秘の巨大ネットワーク』( https://www.nhk.or.jp/kenko/jintai/ )のヴィジュアルブック版。
全8回の放送における各回の紹介と、第1回目の腎臓について。
1989年『驚異の小宇宙 人体』と同じ司会者はタモリさん。今でも覚えている、免疫を扱った『ミクロの戦士たち』から30年近く経ち、メカメカしいCGグラフィックから、なまめかしいプルプルとしたものに進化を遂げていた……
CGの技術向上におどろかされるのもさることながら、人体とは脳から他臓器へのトップダウン形式ではなく、臓器同士の“会話”――“メッセージ物質”と呼ばれるタンパク質を介した相互のやりとり――によって、必要な栄養素を行き渡らせたり運動したりしていることに、あの頃と比べて解明が進んでいることに驚かされる。
そのメッセージ物質が、様々な臓器の機能を促していた。
そして、中には免疫の過剰反応に、癌もまたメッセージ物質を放し栄養の供給や自身に免疫細胞の攻撃が及ばないようにしていた等……
つまり、難病の治療法のカギとして、この”メッセージ物質”が注目されている。
沈黙の臓器といわれる腎臓が、尿をつくる――血液の生成、浄化に関わる――ゆえに重要で、寿命に関わりそうなことは想像に難くない。その理由がリンの調節に関わっているという。 -
国立科学博物館でやっている人体を見てきたので本でも読もうかと。
脳が体のすべてをコントロールしているかと思っていたが、今は各臓器や器官が伝達物質をやりとりして体を動かしているらしいと言うことを知る。
と。こちらは展示よりもう少し掘り下げて科学者や現象を丁寧に説明してくれている。しかし。あれだ。わかりやすさや目立つところが埋もれた分、若干どこ読んでいいのか分からない感がある。私の基礎知識が無いため、このシリーズは映像で見た方がわかりやすいのかもしれない。
そしていつの日か、心は心臓にあるのが当たり前って世界になるのかもしれない。 -
図(CG)が多くて番組見てなくても見た感じになれる。さすがNスペというか。
腎臓が主役のこの巻,「酸素が欲しい」のメッセージ物質EPO(エリスロポエチン)のとこ血液ドーピングを想起してしまった(本書では一言も触れられてない)。