目でみることば 有頂天

  • 東京書籍
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487808908

作品紹介・あらすじ

「グロッキー」「ひょんなことから」から、「司令塔」「小倉あん」まで、40もの言葉の由来を本当に撮ってみた、撮りに行った。
ばかばかしくも壮大な写真集、「目でみることば」シリーズ待望の第3集。

感想・レビュー・書評

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  • 言葉には歴史がありその国の文化が反映されている。そのことをじわじわと感じさせてくれる本だ。
    「小倉あん」はつぶあんとは違うらしい。こしあんに蜜で味付けした小豆粒を混ぜたものをいう。これが鹿の白い斑点に見え、花札の鹿と紅葉の絵のように紅葉を連想させて、紅葉の名所の小倉山の名がついたそうだ。ほうーと思う。もちろんあの小倉百人一首の小倉だ。
    「ちちんぷいぷい」が徳川家光の乳母の春日局のあやし言葉からだというのも面白い。うーむと唸ってしまう。
    「追分」と「落合」が見方の違いだけというのも初耳。賢くなるなあ。

  • シリーズ3作目。
    でも「3」と表記しなかったのは、三作目が出せた嬉しさからというのが楽しい。
    そこで「目で見ることば 有頂天」となったらしい。
    今回はまたいちだんと作者さんとカメラマンさんの「作る喜び」が出ているような。
    作り手と読み手がともに楽しめる作品なんて、ずいぶん久しぶりだ。

    で、実に3作目で語源を知っている言葉に出会うことに(笑)。それも5つも。
    日本人になれる階段をようやく一歩登った気がするな。
    コラムも更に続編となっていて、とうとう「目白押し」も最終回。
    カメラマンの大森隆一さんの手による「目白押し」の画像が掲載されている。
    ここの文章もさることながら画像がかなり可愛い。
    あまりに可愛くて神秘ですらある。
    そして後書きでは「難題目白押し」と書かれていて思わず笑いが漏れる仕組みだ。

    「乾電池」はなぜ「乾いて」いるのかとか、「ちちんぷいぷい」の生みの親とか、
    「シュークリーム」ではキャベツの画像が載っているし(???)、「紅一点」では花期の短いザクロの花が載せられているし、「小倉百人一首」の「小倉」と「おぐらあん」の「おぐら」は同じ「小倉山」が語源だとか、「へぇぇぇ!」の連続。

    ひとりでも楽しめるし家族・友人間でも楽しめるシリーズ。
    次は昨年刊行されたという【似ていることば】も読んでみよう。

  • 「目でみることば」シリーズの第4作目。
    38の言葉の由来についてを言葉と写真で紹介。
    50音順。一つの言葉で4ページ。
    言葉、姿、説明と関連する情報での構成。
    コラム、撮影協力、主要参考文献有り。
    「似ていることば」を省き、真の「目でみることば」シリーズと
    しては第3作目。出せた嬉しさに「有頂天」なのだそうだ。
    表紙の狸を見て「有頂天家族」を連想しちゃったけど(笑)
    知ってる言葉でも意外な由来があったり、視覚で確認出来たりと、
    3作目になってもボルテージは落ちていません。
    「紅一点」の花はザクロなんだ~。
    「シュークリーム」は知ってたけど、「エクレア」が稲妻とは!
    「小倉あん」と「小麦色」「竜田揚げ」は日本人の色彩感覚の
    現れ。狸や雀、カラスと同じく、身近な自然に近しかったのが
    わかります。で、烏の字の話も、なるほど。
    コラムの「ちちんぷいぷい」の生みの親が意外な人物でびっくり!
    写真は現地に赴いての撮り卸しですが、天気や生物対象は
    苦労が滲み出ています。
    最後に「目白押し」の探索。大森さんの写真の見事さに、
    思わず感嘆してしまいました。あぁ、これも有頂天の一部かも。

  • すでに一人歩きしている言葉に、昔の面影はない。

    「青田買い」
    「狸寝入り」
    「目白押し」…

    普段、何気なく交わす会話の中で飛び交う
    これらの言葉が生まれた頃の事をしみじみ思い返す人など、まずいないだろう。

    >まだ穂が実る前の青々とした田んぼを見て「先に買っちゃえ♪」と、決意した人が見ていた光景。

    >「あれ?死んじゃったの?」
    逃亡を企んだ狸が人を欺く為に生み出した知恵。

    >寒さを防ぐ為にぎゅう~っ、と集まって暖をとる習性のあるメジロ達がつらつら並んだ光景。

    面白い発想本なだけに、
    解説や、ちょっとした寄り道話も楽しかった。

    1,2もあるらしいので、是非読んでみたい。

  • 『目でみることば』の第3弾!
    たぬきの表紙がなんとも可愛らしい。
    今回も面白くてためになるのだが、オススメは「ちちんぷいぷい」の語源。
    その発明者は春日局だという!!
    「智仁武勇御世の御宝」、これが口伝されるうちに....
    母(乳母だけど!)の愛は時代を超えるのだなあ。

    追分と落合が同じ場所を指し、見る方向からでことばが変わるというのは面白い発見。
    追分だんごを食べながら、ちょっとこの面白さを堪能したい。

    胡麻を擦るという表現も意外なところがその語源。
    もみ手の方じゃなかったのか!
    これもまた、ごますり団子(盛岡名物、私の好物)を食べながらかみしめたい。
    食べてばっかり!!!

    松ぼっくりの別名はなんでしょう?
    答えは「松ふぐり」。
    昔、国立博物館にたくさん咲いていたオオイヌノフグリを、略して「ふぐりだよ!かーさんみて!ふぐり!」と連呼していたら怒られたことがある。
    毎年春に綺麗なこの青い花を見るたびに笑ってしまうのだが、これからは秋も笑ってしまいそうだ。

    2月の節分、12月のクリスマスには欠かせない柊。
    これが「丸くなる」の語源だそうだ。
    てっきり石の角が取れたのかと思いきや、そうではなかった。
    私も10代の頃から比べると随分丸くなったのだが、それって「老木」だってこと?!
    まだ若いつもりなんだけど、と言いたいが、それを言い始めたらやっぱり「老木」なのかもしれない。

    今回もとても面白い。
    次は「似ていることば」の方を是非読みたい。

  • とても良かった。「胡麻をする」「財布の紐が堅い」「竜田揚げ」「小倉あん」などの言葉の由来を、その写真つきで解説する本。写真はきちんとその言葉を表す時期・場所・対象を撮るというコンセプトなのだけど、この写真が良いし、解説文が全然上から目線ではなく柔らかくて和む。単純に“知らなかった、へー!”という以上に、良いものを見た気分になった。シリーズ3作目とのことで、前2作も気になる。

  • 目白押しを見ることができて、嬉しかった(笑)
    貴重な写真なんだな。
    かわいいけれど、メジロたちにとっては生きていく知恵なんだな。

    相変わらず読みやすかった。
    知識欲も満たされました。

  • 辞書で味気なく知るより、写真や由来が詳しくて楽しく読めます。
    なぜか「胡麻をする」に笑ったし、「風穴をあける」の写真でへーと思った。

  • おかべたかしさんと山出高士さんのコンビのシリーズ「目でみることば №3 有頂天」、2014.12発行です。38のことばがエントリーしています。いくつか紹介しますと①燕尾服(ツバメの尾)②鳩尾(ハトの尾:みぞおち)③追分(道が2つに分かれるところ)④落合(道が合流するところ)⑤鷹揚(ゆったりと振る舞うこと)⑥雁首を揃える(キセルの頭:関係者が集まっている様)⑦狸寝入り「表紙」(都合の悪い時、寝たふりをすること)(^-^)

  • [墨田区図書館]

    同じ著者コンビの、「目でみることばのずかん」がとても良かったので、そこから検索して借りてきた前作7冊の一冊。

    ただ、この7冊は小さいけれど180ページくらいある分厚い辞書チックな本で、、いわば大人の雑学書的なつくり??
    いきなりこの本を子どもにどうぞ、とするのは少し厳しいかもしてないので、やはり上著を最初に知って良かった!あの本を読んで面白いと思った後なら、この本に出てくる絵がそれぞれの表紙などにも出ている(というかあの本の方が、これら7冊からの抜粋本だから)し、子どもでも興味深く眺められるはず。

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著者プロフィール

1972 年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務後、作家・ライターとして活動。
著書に『目でみることば』『似ていることば』『似ている英語』『目でみる漢字』(東京書籍)、『基礎教養 日本史の英雄』(扶桑社)、『風雲児たちガイドブック解体新書』(リイド社)などがある。個人ブログ「おかべたかしの編集記」。

「2018年 『くらべる世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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