賢さをつくる 頭はよくなる。よくなりたければ。

著者 :
  • CCCメディアハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484192338

作品紹介・あらすじ

人へ与える印象としての「頭のよさ」は自分好みの姿にコントロールできる。
「頭のよさ」とは、状況ごとに抽象度を操る力のことだ。

インプット力は物ごとを「抽象化」し、アウトプット力は「具体化」する能力。
子どもは知識量や理解力、つまりインプット力、社会人は行動力や応用力、つまりアウトプット力が重視される。
経営者、中間管理職、現場、によって求められる「頭のよさ」は違う。
自分はどの立ち位置の「頭のよさ」を目指すべきか。指標を示す。

感想・レビュー・書評

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  • 具体化と抽象化の2つを左右に配置して考える。
    左右には、それぞれ出てくる要素が異なる。
    このツールを使って物事を考えていくと本質的な根源から具体的に実現する方法など幅広い思考が出来る。
    実用的で実効性のある内容。
    子供達に一冊づつ買い与えよう(読まないだろうけど)

  • いいアウトプットをするためにはいいインプットを鍛え上げることが大事。

  • うーん、わかりやすいが、内容が薄かった…
    細谷氏の具体と抽象を読んでるからかもしれないけど。、

  • 細谷功さんの「具体と抽象」の話に近い。

    賢さとは具体化と抽象化の往復ができる人。
    具体と抽象の反復には

    ・スピード
    ・距離
    ・回数

    があるが、この具体と抽象の力を伸ばすには「5W1H」を繰り返して具体化と抽象化するのがおすすめ。細谷さんの本との違いは具体と抽象の反復にはスピード、距離、回数の3種類があることを述べてる点。非常に勉強になった。

  • そもそと賢さとは何か?の定義から、その賢さを手に入れるためにどのようなことをしたら良いのかが解説されています。


    以下、メモ。
    賢い人とは、具体化、抽象化の往復ができる人のこと。

    具体化、抽象化の
    1.往復の距離が長く
    2.スピードが速く
    3.回数をこなしている
    この3つがポイント。

    抽象化を鍛えるためには「why?」で問い続ける
    具体化を鍛えるためには「4W1H」で考える

    具体、抽象どちらかが得意か持って生まれた特性もあるため、苦手な方を鍛えて往復ができるようにしていきたい。
    学校で習う学習は、具体的なものが中心、社会では抽象化能力が求められる。
    しかし具体的なもの、インプットの下地がなければ抽象化ができないため、継続的な学習は必要であるし、年齢が上がるにつれて抽象化の訓練となる学習が増える。
    数学などは抽象化の練習になるそう。

    個人的に参考になったのは、

    子どもに「なぜ?」を聞くなら、「なぜお医者さんになりたいと思ったんだい?」というような、その先に子ども自身のポジティブな本質が見つかりそうな場合だけに限定して使うべきである。

    という一文。
    なぜ?と言う問いは時に凶器となるほど重い言葉なので使い方は気をつけたい。

  • 僕は出身大学や職業からも、人から「頭が良い」と言われることが多い。でも自分では、人より秀でたところはもちろんあるけれど、なんとなく人より劣っていると感じる部分があることも確か。それを少し明確にしてもらえるような本だった。

    筆者は頭の良さを
    ・「具体」と「抽象」の距離
    ・「具体化」と「抽象化」のスピード
    ・「具体化」と「抽象化」の回数
    の3つに分類する。

    おそらく僕はこの中のスピードが強くて、距離が弱い。特に「抽象化」は得意だけれど、「具体化」は弱い。大枠大枠を捉えようとして、個別具体的な話はよく疎かになりがちになる。

    大学受験は得意だったけれど、それ以降の学問で躓いたり、なんとなく仕事でうまくいかないことがあるのもこういったところに端を発しているのかもしれない。階層化や4W1Hをしばらく心がけてみようと思う。

  • p.8 頭の良さは考え方や思考方法の差に過ぎず、自分で変えることができる。

    p.23 学校と社会では求められる頭のよさの方向が違う。
    学校はインプット重視。
    社会はアウトプット重視。
    特に年次が低いほどインプットを求められる。

    p.29
    インプット力は、抽象化能力
    アウトプット力は、具体化能力

    つまり、
    学生時代の頭がいいは、インプットが得意→抽象化が得意。
    社会人の頭がいいは、アウトプットが得意→具体化が得意。
    そして、本当に頭がいい人は、抽象⇄具体の往復運動神経が良い。

    p.94 目的と手段を間違えるなと言うが手段と目的は連続している。
    例:仕事をする(手段)→お金を稼ぐ(目的)
    お金を稼ぐ(手段)→生きる(目的)
    このように目的としていた、お金を稼ぐと言う行為も、生きると言う目的の手段になっている。手段と目的の思考を繰り返すことでより面白い発想が生まれる。

    [言葉イメージ]
    ■抽象化
    遠い、本質的、概念的(数字にしづらい)、精神的、多面的(高次元)、目的、問題設定、マネージャー

    ■具体化
    近い、実用的、五感的/数値的、現実的、一面的(低次元)、手段、問題解決、プレーヤー

    p.108
    著者の考える頭の良さとは、「具体化と抽象化の往復運動」
    この往復運動が得意。は次の3つに分けられる
    ①距離→具体と抽象の距離が長い
    ②スピード→具体化と抽象化のスピードが速い
    ③回数→具体化と抽象化の回数が多い
    どれか1つでもいいし、全てバランス的にでもいいが、このこれらが頭のいい人の条件。
    ①距離が長い人は固定概念にとらわれない豊かな発想ができる。
    ②スピードが速い人は、頭の回転が速い。例えば、具体的な質問に対して、本質や全体を考えた返答を即座にできる。
    ③回数が多い人は、間違う回数も多い。しかし、たくさんの間違いにぶつかったから正解がわかる。

    p.170 何故数学の勉強をするのか?
    論理的思考を身につけるためっていうのが一般論ではあるが、著者曰く抽象化能力を身に付けるため。
    数学は、りんご5個ずつを2人にって具体が、5×2になって x ✳︎ y になってf(x)ってなってどんどん抽象化されていく

    p.186
    抽象化と具体化には5W1Hが最適。
    whyだけが抽象化であとは全て具体化。

    p.206 抽象化に使える魔法の言葉
    ①なぜ?
    なぜ、と言う言葉を自分に問いかけるのは良いが、人に使ってはいけない。なぜと言う言葉は本質を突きすぎるため、解答者の負荷が高くなりすぎる。だから、ポジティブな面ではいいが、ネガティブな面では、言葉を変えたりもう少し具体化して質問する。
    ②要するに
    要約のトレーニングは読解力にも効果あり。
    ③本当は?
    真を捉えようとする
    ④目的は?
    なぜという言葉は強すぎるため、人に使うにはこっちが良い。
    ⑤そもそも
    そもそもの次には、目的・理由・本質を問う質問がくる。
    そもそもが口癖の人は抽象化思考。

    p.212 具体化に使える魔法の言葉
    ①4W1H(5W1Hからwhyを除いた)
    最も具体化に使える
    ②例えば
    ③TPO
    服装の話じゃなく、時と場合によるっていう考え方。抽象化思考の人は全てにあてはまる法則を見つけようとするが、実際はなかなか存在しない。そこで、この場合はこうっていう具体的な考え方も必要。
    (白黒つけれない問題に有効)

    ・p.236
    意見が対立するとき、同じ次元(考えのレベル)で解決することはできない。次元を上げるには、「両方正しいとしたら」を考える。
    企業は利益を求めるべきだ。企業は価値提供のためにある。
    この2つの意見はどちらも正しいため、解決することができない。そこで次元を上げる、両方正しいとしたら?
    「利益を上げ、得た利益で社会に価値を提供すべき。」となる。

    ・p.242 人は見たいものしか見ない。
    そのために、虫の目(具体)と鳥の目(抽象)の2つの目を使って見る必要がある。

    ■階層構造について
    最も有効なフレームワークは階層構造
    ・階層構造は左に具体例。右に抽象として使う。
    ・MECEは気にする必要がなく、それ以外を使えば良い。
    例:動物を分類すると、犬、猫、それ以外って感じでそれ以外についてはとりあえず議題から退ける。
    ・左右に余白を残しておく。それで思考の距離が伸びる。
    ・マインドマップは中心が最も抽象的で、端にいくほど具体化される。素晴らしいツールだが、中心以上に抽象化できない。だから1本だけ抽象化用の線を伸ばしておくのもあり。

  • ※この本を読むメリット

    1・「頭がいい」とはどういうことか理解できる。
    2・「頭がよくなる」具体的方法が書いてある。
    3・「頭がよくなる」ことで、自分の理想が実現できる。


    この本を一行でまとめると?

    「具体と抽象の往復運動を、長く・速く・多くすることで、頭がよくなる」


    なぜこの本を読んだか?

    ①最近どうやら自分の頭が悪いらしいことにようやく気付き、
    なんとかして頭をよくしたいと思ったので。

    ②細谷功さんの「具体と抽象」を以前読んでいたので、関連していて自分の知見を拡げられると思ったので。

    ③「頭がよくなる」方法を実践レベルで学べそうだったので。


    この本から何を学んだ?


    ①「頭のいい人」とは、インプット力とアウトプット力のバランスがいい人。
    インプット力とは抽象化能力。アウトプット力とは具体化能力。
    「思考」とは、具体化と抽象化の往復運動。
    「頭のいい人」とは、具体⇔抽象の往復運動が得意な人。

    ②頭のよさを決めるのは、3つの動き。

    1・具体化と抽象化の距離が長い→幅広く深い選択肢と、他人が思いつかないアイデアが得られる。

    2・具体化と抽象化のスピードが速い→具体的な質問に対し、短時間で本質・全体を考慮し返答。(頭の回転が速い人)

    3・具体化と抽象化の回数が多い→思考の結果はただの「仮説」。具体的な事実で何度も検証することで洗練されていく。


    ③頭をよくする具体的な方法は、5W1Hで抽象度を変える質問を自分にすること。

    1・「Why」だけが抽象化し、「目的」「本質」を問う質問。残りは具体化する質問。

    2・思考には得手・不得手があり、あえて苦手な方向を意識することで、思考力が鍛えられ、今までなかったアイデアや行動力が生まれる。

    3・思考は抽象化だけでは完結しない。具体化されて初めて価値が世界に現れる。抽象と具体を往復することによって理想を実現する。


    この本を活かして今後どう行動するか?

    ①読んだ本は、抽象化と具体化の往復運動で要約し、このブクログに投稿する。

    ②他人とのコミュニケーションにおいて、相手の抽象度を意識した上で、伝わりやすいように具体化と抽象化を往復した会話をする。

    ③自分の考えを抽象化と具体化の往復運動でまとめて記事としてブログに投稿する。


    雑感

    具体と抽象というと、抽象を頂点としたピラミッドを想像しますが、著者の谷川さんは、あえてピラミッドを90度右回転し、抽象を《右》、具体を《左》としました。
    具体と抽象には上下や優劣や順番がないことと、具体と抽象の意味を広げたいからだそうです。この本でそれは大成功していると思います。
    実際、細谷功さんの本でも具体と抽象は両方大事だとは言っていますが、やはり抽象の方が上から目線で、私自身、抽象思考の方が大事だと思っていました。
    「頭がいい人」と言われたい人に、「頭がいい人とは何か」抽象化して示し、「頭がよくなるにはどうするか」自分に5W1Hの質問をする、という実践レベルでも具体化してくれています。
    優れたビジネス書とは、読んでおしまいではなく、この本のように実際に使えるレベルまで書いているものだと思いました。
    私がレビューした以外にも、重要で書ききれない知見が多いので、是非とも実際に手に取って購入していただきたいです。

  • 『頭のよさ』を定義づけする一冊。
    そのような考え方があるのかと感心した。

    頭がよいとは何か?頭をよくするには?
    気になる人はぜひご一読を。

  • 「思考」とは、「具体と抽象化の往復運動である。」
    そして、その運動の距離が長いほど、スピードご速いほど、回数が多いほど、『頭がいい』と筆者は定義している。

    これは確かに。と思うし、この本自体が具体と抽象の行き来をしている。

    教師という仕事はこの具体と抽象がかなり求められる仕事だ。

    子どもたちに伝えたい抽象をどう具体に落とし込むか。
    また説明できるか。

    自分の思考力を高めていきたい。

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著者プロフィール

日本教育政策研究所代表取締役
1980年生まれ。愛知県立旭丘高校卒。東京大学農学部緑地環境学専修卒。小学校から独自の学習メソッドを構築し、塾には一切通わずに高校3年生の秋から受験勉強を始め、東京大学理科I類に現役で合格する。
大学卒業後、5年間のサラリーマン生活を経て起業。「自由な人生と十分な成果」を両立するための手助けをするべく企業コンサルティング、学習塾のカリキュラム開発を行い、分かりやすさと成果の大きさから圧倒的な支持を受ける。マリンスポーツ・インストラクターとしても活躍中。
著書に『賢さをつくる――頭はよくなる。よくなりたければ。』『賢者の勉強技術――短時間で成果を上げる「楽しく学ぶ子」の育て方』(共にCCCメディアハウス)がある。

「2021年 『見えないときに、見る力。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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