ラテンアメリカ 越境する美術 (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480873774

感想・レビュー・書評

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  • 中南米は ラテン と混合した不思議な国々だ

  • ラテンアメリカの美術に対するイメージが変わりました。
    個人的には、新世界の聖母、バロックの極限、あたりがおもしろかったです。


    ラテンアメリカの美術、と聞くとナスカの地上絵やマチュピチュなどを思い浮かべる人が多いかもしれない。そういったラテンアメリカの先住民の美術は、征服され破壊されて消えてしまった訳ではなく、また、ヨーロッパの美術によって完全に上書きされてしまった訳でもない。征服される側の反応も、適応しようとするもの、抵抗するもの、逆手に取って利用しようとするものなど、さまざまだった。独立後には、自国のアイデンティティを模索する中で、先住民的なものにその源泉をもとめた。
    移動し、発見し、支配する側に立つ人びとと、その対象になる人びとの線引きが、まさに世界的な規模でなされていく時代に、その文化の境界領域に生み出された美術を、異文化交渉のダイナミズムから見直すこと。それは、「グローバリゼイション」の大きなうねりのなかを生きるわれわれにとって、問うに値する問題なのではないか。

  • ふむ

  • 美術

  • ラテンアメリカが欧州人に征服され、独立をする中でどのように芸術(絵画)の文化を育てて、独自のものにしていったかがよく分かる。混血の仕方による明確な社会階層の違いと、それを分かりやすく図解したものが、絵画になったなんてのも興味深い。もうちょっと美術やラテンアメリカ史の知識があれば、さらに楽しく読めそう。

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著者プロフィール

大阪大学大学院人文学研究科教授。専門は美術史学。初期近代スペインとその帝国の交通圏の美術を研究。著書に、『ラテンアメリカ 越境する美術』(筑摩書房、2014)、『帝国スペイン 交通する美術』(編著、三元社、2022)、Painting in Latin America 1550–1820: From Conquest to Independence(共
著、Yale University Press、2015)など。論文「《レパント戦闘図屏風》:主題同定と制作環境の再検討」(香雪美術館研究紀要)により國華賞。

「2023年 『徴しの上を鳥が飛ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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