神田神保町書肆街考: 世界遺産的“本の街”の誕生から現在まで (単行本)

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480815323

作品紹介・あらすじ

世界でも類例のない古書店街・神田神保町。その誕生から現在までの栄枯盛衰を、地理と歴史を縦横無尽に遊歩して鮮やかに描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の古本屋 / 東京神田で創業100年 (神田古書店連盟 矢口書店 矢口哲也)
    https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=7020

    神保町へ行こう - 神保町散歩道 - 映画資料に触れる散歩道
    http://go-jimbou.info/jimbou_sampo/movie.html

    筑摩書房 神田神保町書肆街考  ─世界遺産的“本の街”の誕生から現在まで / 鹿島 茂 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480815323/

  • 社会学的な視点から様々な方向で『神保町』を掘り下げていて、ああこの街の奥深さ・複雑さはここから来ているのかと納得できる本でした。

  • 子供が高校の社会でファミリーヒストリー作成を課題で出された。テーマは祖父が神保町で営んでいた書店について。千代田区図書館でこの本を紹介され、資料として購入。

    世界に名だたる書店街、神保町の100年誌。
    幕末から現代まで、古書店、大学、出版社、書店、盛り場、震災や戦争、あらゆるエピソードが語られ、内容が濃すぎて読み進めるのが大変だった。

    路面電車が走り、夜な夜な古本屋台が並び、学生たちが群れ集い、中国人留学生が革命の勉強会を開き、華族のお屋敷から引き取った珍品古書籍に息を飲み、植草甚一が出前を食べながら映画館の支配人をやっている町。映画館や歓工場、カフェや名曲喫茶に中華街。楽しすぎる。

    日本の主要な大学、出版社、書店の来歴がほとんど網羅できる。
    また永井龍男や魯迅、植草甚一や伝説の古書店オーナー、反町茂雄などの見た神保町を語る引用が味わい深い。
    こんなに多士済々の街に暮らしていた祖父が羨ましくなった。

    雑誌連載をまとめた本なので、読み物としては大変楽しい。100年を1冊で概観できる。しかし各種資料を集めてまとめたのが本書なので、本格的に調査研究するには、本書に引用されている反町茂雄氏の著作や古書店史を当るべきかと思う。

     

  • 評者の夢はいつか神保町の古いビルの屋上のペントハウスで暮らすこと。ほれ、『傷だらけの天使』とか『美味しんぼ』とかね。神保町に興味のない人には無価値、神保町を愛する人には必携。そんな本です。

  • ふむ

  •  これは『風雲!神保町の興亡』とでもいうべきドキュメント。
     それにしても、近年、立て続けに快作を出し続ける鹿島氏の剛腕ぶりには、ただただ脱帽!

  • 神保町によく行く自分にとっては、わくわくする1冊である。特に中国人留学生によって形成された「チャイナタウン」について描かれてある章は、当時の清政府と日本の関係や、後の要人の背景がうかがわれ、興味深かった。

    さらに、著者の古書に対する情熱が全ページがあふれ、暑いこの夏がさらに熱い。日本と世界の歴史から神保町を読み解き、それぞれの時代における地理、古書店主の働きが実に詳細。ただ、最終章のカルチャーを描いた部分は多の章と趣を異にして哲学的で、自分にはわかりずらかった。

    とはいっても、膨大な書物、関係者への取材から成立した本書は、本好きなら何としても理解したい。さあ、この世界へいらっしゃい!と、活字が誘い掛けている。

  • 神保町という街を追っていくだけで、日本の150年間の激動の時代が見えてくる。数々の紙一重を経て、今の姿がある。歴史って面白いと改めて思った。
    古書の街になった歴史を説明するために、内容の半分以上を土地事情や大学の勃興、留学生事情等等に費やしているので興味が持てないとなかなかキツイ。目次から興味のある分野から読み始め、気になったら前後を確認するという読み方でも十分と思う。戦前戦中戦後の変遷にはドラマが溢れており感動的だった。
    これを読んでから現在の神保町を歩くと、また違う感慨を覚えそうだ。

  • 神田の街の辞書
    「中央大学の移転とスキー用品店の進出」30年位前 いくつか店を回ってスキー服を買ったのを思い出した。

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著者プロフィール

1949(昭和24)年、横浜に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。2008年より明治大学国際日本学部教授。20年、退任。専門は、19世紀フランスの社会生活と文学。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。書評アーカイブWEBサイト「All REVIEWS」を主宰。22年、神保町に共同書店「PASSAGE」を開店した。

「2022年 『神田神保町書肆街考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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