リトルガールズ (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
3.44
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本棚登録 : 191
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804846

作品紹介・あらすじ

友人への気持ちに戸惑う中学生、絵のモデルを始めた中年教師、夫を好きになれない妻。「少女」の群像を爽やかに描く、第34回太宰治賞受賞作! 装画・志村貴子

感想・レビュー・書評

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  • 中学校の家庭科教師、大崎雅子。
    その学校に美術の非常勤講師としてきた画家の猿渡。

    中学生の桃香と桃香のことが好きな小夜と勇輝。

    桃香の両親である行人と夕実。そして早瀬。


    登場人物の多さに最初は驚いたが、それぞれのキャラクターが個性的で読んでいて困ることもなかった。
    むしろ、それぞれのキャラクターが輝いていてとても面白かった。

    どこがどうというわけではないのに、リズム良くて読みやすくて心地よい。
    それはそれぞれのキャラクターが正直に自分らしく生きている姿が生き生きと描かれているからかもしれない。

  • 面白いなーと思って読んでたけど、ラストの全て丸く収まりました感に反発。

  • 見た目、とても魅力的とは言えない女傑と、ヘンな男性の絡みを書くのが面白い作家さんだなと……

  • これは恋愛なのか?と悩む中学生。夫との関係に悩む、その母。絵のモデルを頼まれるベテラン女性教師。それぞれがそれぞれ悩んでいるが日常生活もきちんとこなしている。
    中学生は中学生なりの大人は大人なりの悩み方がある。絵のモデルになる、人に見られることで魅力的になっていく、作品がいいものになるのは素敵。
    当時者じゃないと理解できない不思議な関係性がよいと思った。

  • なんだか全てがまあるく収まってしまってこんな終わり方なんだ?と少し落胆、主語がめくりめく変わるので読むのに疲れちゃった、でも官能的でいて青春も感じられ良かったー。やっぱり、手芸や絵や彫刻や写真 手を動かす趣味や仕事は運動と同じで思考がクリアになるよね

  • 人との出会いで未知の自分に出会う。そんなことを思わせる物語。

  • 第34回太宰治賞受賞作品。
    読みづらそうな作品かと思いきや現代風でサクサク読み進める事が出来た。

    舞台となっているのは、とある中学校。
    そこで家庭科教師をしている大崎雅子、55歳は産休補助で美術教師としてやって来た猿渡壮太に
    突然ヌードモデルになってほしいと迫られる。

    子供時代からずっと容姿をけなされ続けて来て、今も生徒たちには「ガマ子」「エロ子」「ピンクばばあ」などと
    呼ばれる雅子だが、モデルになるまでの心の変化が絶妙で面白い。

    他、同性が好きな女生徒や、妻に固執する夫などキャラも立っていて想像していた以上に楽しめた。

  • 視点が短いタームでどんどん変わっていくので、最初は読みづらく、何度も積読になった。40ページほどでぴたりと止まっていたのだが、小夜が桃香に近づいていくあたりから俄然面白くなってそれからは一気に読んでしまった。

    でっぷりとした更年期世代の教師・大崎雅子、大崎に惹かれる代行教師の画家の猿渡、猿渡のガールフレンドの美大生ルイ子、桃香の母親でアジール店主・夕実、夕実の恋人のカメラマン早瀬、主人公的な役割を担う絵の上手な桃香、寂しげで掴みどころのない小夜、桃香から離れていく杏梨、桃香とも小夜とも気軽に話せる勇輝など、登場人物の個性とその配置も良く、どんどん引き込まれていく。

    登場人物が動き出し、雅子や桃香の価値観に変化が出てくる。プールの事件、ピンク色のガウン姿事件、チェーホフ桜の園のセリフ、どれも印象に残る。

  • 読売新聞 本よみうり堂で紹介されていた本

    プールに飛び込む場面が印象的だった

  • 視点がコロコロ替わる。な、何人登場人物出てくるの…と戸惑った。
    うーん、誰にも共感できず…。中学校教師がヌードに偏執してるのも駄目やと思ったし、だんだんのぼせて行く五十路超えの醜女キャラ教師にも辟易したし、なにより猿渡は醜いものを美しいというオレ芸術家っぽくない?っていう感覚がひしひし匂ってきて駄目だった。美醜関係なく被写体の内面を描くのが芸術ってもんじゃないんでしょうかね。

    あ、先生の歌集は大事に大事に所蔵しております。

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著者プロフィール

一九六八年生まれ、東京都出身。フリー校閲者。また歌人として活動。未来短歌会所属、現代歌人協会会員。

「2018年 『リトルガールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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