- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480804556
作品紹介・あらすじ
太宰治、吉川英治、ケストナー、ドイル、アンデルセン……。あの話この話が鮮やかに変身するパスティーシュ小説集。思わずにやりとする、文芸の醍醐味がたっぷり!
感想・レビュー・書評
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有名な夏目漱石、コナン・ドイル、アンデルセン、宮沢賢治などの作品のトリビュート短編集。
何のトリビュートかは巻末に一言コメントと共に載っているが、私はそれを読まずに本編を読んだので、「これはあの作品だな」「意外!あの作品だったのか~」といちいち反応しながら読むのは楽しかった。逆にまだ読んだことのなかった元の作品が読みたくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「これからはじまるのは、まさに模倣だったりパロディだったり珍解釈だったりするごたまぜ世界の作品たち」。トリビュートは中島さんのお家芸ですね、アンデルセン、森鴎外、ケストナー、芥川龍之介などなど、古今東西の名作が中島ワールドに見事に変換されている。
とりあえず元ネタがわかるものから読み始めたが、フェミニズムな視点から斬り込んだ「親指ひめ」は秀逸!政治家達の女性に対する暴言や失言に対する怒りが込められていて、ちくちく皮肉が効いてましたね~。「Mとマットと幼なじみのトゥー」は、「宮本武蔵」のトリビュートということにすぐに気付かず、こう解釈する!?と驚き。何とも斬新です。元ネタがわからなくても、「国際動物作家会議」「寒山拾得」「富嶽百景」は普通に短編として面白く読めた。毒とユーモアがスパイスのようにまぶされていて、ぴりっとくるね。シュールすぎて理解できないものもあったけど、全体的に、面白い試みだと思いました。
軽く酩酊状態になるような、不思議な読後感。 -
お洒落本棚を作ったら並べたい。
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これは…
作者が一番楽しんだのでは…
本の作りも凝っていて
章ごとに
字体や余白のとりかた、紙質などが
変えてある。
私は「富獄百景」の字体が好き。 -
元になった本を読んでいればさらに楽しめそう。
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R6/1/28
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短編集なので、おもしろいのもある
◆ 水滸伝に出てくる伏魔殿
絶対に開けてはならぬと言い伝えられている
興味だけで開けてしまう伏魔殿から出てきた悪者たちとは、ありとあらゆる放射性廃棄物だった とか
◆ 富嶽百景 では子供の頃の太宰を教えた越野たけさんに いろいろ質問したりする
◆ 寒山拾得
◆ 国際動物作家会議
◆ 親指ひめ
◆ ゴドーを待ちながら を坪内逍遥が翻訳すると
などなど
もう少し笑いを取れる文章になれば 次も読みたくなるんだけどなぁ
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パスティーシュ16作。
パスティーシュとは先行作品の模倣を意味深するらしい。
まさか「Mとマットと幼なじみのトゥー」がアレとは思わなかった。