飛行士と東京の雨の森

著者 :
  • 筑摩書房
3.72
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本棚登録 : 212
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804402

作品紹介・あらすじ

街の雑踏のなかでどこか遠方の地を想う。大都市東京を舞台に描かれる、死と孤独と再生の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 雨の日のような静かな本。
    雨の匂いが、若い娘の遺品から、初めて来た東京で迷い込んだ森から、居なくなった奴隷の肌から、暗くしっとりと立ち上る。
    それがとても心地良いのだった。
    「淋しい場所」は、初めて乗ったモノレールから観た風景を思い出させて、文字通り寂しいけれど響く物語。
    他の話の中で「ソフトロック熱」の前向きな感じが際立っていて、これもとても好きだった。
    金原瑞人の書評で知った本。

  • 今まで読んだことがないような不思議な感覚の本でした。東京が舞台の筈なんだけど、どこか異国情緒が漂っているようなきがしました。別次元の世界というか。
    淡々とした物語が多くて謎は謎のまま終わる感じなので、はっきりした結末を望む人には向かないと思う。

  • この作者の作品は初めて読んだが、はっきりとした結末のないものもあり、どの話も一種独特の佇まいのある静謐な雰囲気のものだった。

    全編を通して感じたのは、やはり寂しさ、人と人との分かり合えない孤独、静けさ、音楽、などだろうか。

    作者の別の作品も読んでみようかと思える読後感だった。

  • ふむ

  • 前半の話たちの、雰囲気が好き。 

  • もうちょっと…もうちょっと何とかならんものか…と思われる短編集だった。まだメモのようなものも含まれていると感じた。

    音楽の作り方は全く知らないので興味深かった。

  • 5:しみじみ良かった。主人公や語り手が持つ薄暗さが何となく苦手ではあるのだけど、とても繊細な、かつ整った造形の短編集だと思います。「ソフトロック熱」が好き。

  • 海外ミステリなどの編纂で著名な筆者ですが、書かれる文章もどこか海外のミステリ短編ぽかったな

  • 西崎ワールドが静かに広がる短編集。どれも静謐で、だけど不穏さに満ちていて、何かが始まりそうで始まらなかったり、終わりそうで終わらなかったりする。飛び降り自殺をした娘の鎮魂のために曲を作ってほしいと依頼される作曲家の話「理想的な月の写真」は、ミュージシャンでもある著者の理想的な作曲風景のようにも読めて楽しい。そして最後の最後にぽんと謎が投げかけられて終わり。放り出される感覚がなんかクセになる。
    「奴隷」は、初めSFのアンソロジーで読んですごく惹かれた。どこもサイエンスじゃないけどたしかにSF的異世界。リアルで面白い。

  • 2018/1/8再読

    (日付不詳)
    勧められたので読んだ。
    大変性にあっていた。

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著者プロフィール

1955年生まれ。翻訳家、作家。著書に『世界の果ての庭』『蕃東国年代記』『ヘディングはおもに頭で』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』ほか。訳書に『郵便局と蛇』コッパード、『第二の銃声』バークリー、『ヘミングウェイ短篇集』など多数。電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」主宰。

「2022年 『郊外のフェアリーテール キャサリン・マンスフィールド短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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