アイドルになりたい! (ちくまプリマー新書 275)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689726

感想・レビュー・書評

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  • アイドルになりたい子へのアドバイス。

    アイドルという職業が生半可ではできないことがよく分かる。
    なので、この本を読んでアイドルになりたいと思うのであれば、かなり意志が固いだろう。

    アイドルとは「好き」になってもらう職業
    好きになってもらうには個性が必要。
    アイドルにとっての個性とは「魅力的な欠点」。

    アイドルには運が必要。
    その運を引き寄せるためには努力をしている必要がある。
    これは、サッカーでなぜかゴール前にいて点を入れられるFWのよう。いつでも、ゴールの可能性があるポジション取りをする努力をしている。

    アイドルは天然と腹黒しかいない。
    そのままで魅力的でないなら腹黒になるべき。

    腹黒になる-自分を魅力的に見せるためには、まず自分のことを知らなければならない。さらにはファンのこともよーく考えなきゃいけない。一人一人のファンを研究して、いかに自分をアピールするか?

    アイドルになるのに一番必要なのはメンタル。
    ガッツ、ハングリー精神。

    アイドルの歴史に書いてあった
    岡田有紀子の命日にファンがいまでも集まっている
    というのは凄いなと思った。

  • アイドルとは「好き」になってもらう仕事。
    「好き」であることにお金を払ってもらう仕事。

    個性とは「魅力的な欠点」のこと。
    芸能界というのは「より極端に生きる」人たちの場所。

    アイドルは「友達のいない子」
    「ケータイを持っていない子」が向く。
    片親の子が頑張るのは、
    無償の愛情に飢えているからだと思う。
    親が再婚したり、複雑な家庭で育ったり、妾の子だったり。
    芸能界で生き残るには「心の飢え」が必要になる。

  • アイドルになるための心構えが書いてありますが、人によっては物足りないかもしれません。

  • 『アイドルになりたい』
    著者 中森明夫
    ちくまプリマー新書 2017年

    この本はアイドルになるためにどういう心構えが必要であったり、歴史であったり、アイドルの仕事とは何かというものを書いた、アイドルに関する入門書である。けれど、僕はこの本はアイドルという職業を通して見た現代社会の入門書的な本であると考える。

    まず著者はアイドルは好きになってもらう仕事だと定義しています。もっと詳しく書くと、メディアを通して、好きになってもらう仕事だと書いてある。この好きになってもらう仕事というのがなかなか難しく、いろんな人に好きになってもらう仕事であり、言ってしまえば、究極の客商売であると書いている。たとえ嫌いだと思う人でも、自分に会いにきた人であるなら、笑顔を見せなきゃいけない。まぁ、ここに関しては自分に好意があると考えれば、そこまで苦ではないと思うが。

    そして著者はアイドルに関しての歴史を書いているが、ここに関しては重要なことはメディアの変化の歴史がアイドルの変化の歴史であるということである。いわゆるTVが一般家庭に普及した1970年代に最初の国産アイドルである南沙織が誕生し、そこから連綿と続く、アイドルの歴史はスタートし、今の動画配信の時代にまた新たなアイドルの形が萌芽したと言える。

    この後に、アイドルという文化を広めるためにはどうすればいいかなど話は続くが、興味が出た方は是非とも買って一読をお勧めする。
    最後に、一番印象に残った箇所を引用する。
    アイドルとしてブレークしたら、君は友達を失う
    親友とも関係を断つことになる。
    絶対に……とは言わないよ。けど、ほぼほぼそうなる。ブレークしたアイドルの多くが、そうなったことを、僕は知ってる。
    悲しいことだ。でも、これが現実なんだ。

    個人的にはこの文章を飲み込めるかどうかが、アイドルになれるかなれないかの分かれ道だと考える。アイドルは別に歌が上手くなくても、ダンスが上手くなくてもいい。けれど、やっぱり状況が変化してもそれに耐えうる能力が必要だと思う。もし、それがなければ、無駄に傷つくことになるし、なにより知らなくてもいいことを知ってしまうと思う。
    そして何より、アイドル的な要素はどの芸能人も備えなければいけないし、さらに今のこの動画配信の時代誰もがアイドルになれる機会がある。すなわち一億総アイドル時代である。ならば、この本はアイドルに関する本と見せかけて、今の社会を生きる僕らに関して書いているのだと思う。

  • 文体がいかにもおじさんという感じ。おじさんが若い子に向けてアイドルに良さを語っている。得るものは特になかった。

  • 人に好きなってもらうのが、アイドルという職業。好きなってもらうためアイドルになるため頭で考え抜け

  • アイドル評論家の中森明夫。この名前も中森明菜からとったという程のアイドル好き。アイドルを取材するだけでなく、オーディションの審査員も務めた経験をもち、上戸彩の才能をいち早く見抜いた人でもある。

    そんなたくさんのアイドルと接してきた著者が、アイドルとしてやっていくための心構えや、アイドル界の厳しい現実などを書いた本書。アイドルを目指す中高生に、向けて話しかけるように書かれている。

    アイドルとは、好きになってもらうのが仕事。可愛くなくても、歌や踊りが下手でも構わない。いや、欠点があるからこそ応援したくなる。それがアイドルとして大切なことだと。しかし、その為には嫌いだと思う人にも本物の笑顔を見せないといけない、究極の客商売。そして友達や恋人など、失うものや諦めなくてはいけないこともあるという。

    「私、よく可愛いって言われる。可愛い服を着て、もっとたくさんの人から可愛いって言ってもらいたいから、アイドルになる」だなんていう甘ったれた考えをもつ女子たちが、是非この本を読んで、コテンパンにされてもらいたいと思った。

  • 2018年1月1日読了。アイドル評論家の著者が、本気でアイドルになりたい女の子(男の子にも参考になるだろうが)に説く、本気でアイドルになるための心構え・そもそもアイドルとは何か?どうやればなれるのか?について解説した本。Cakesでの連載を見て読んでみた。子どもに対して、よいことも悪いことも含めて本気で何かを伝えようとすることは、特にどんな人が読むか分からない書籍の形式で著すことはとても難しく誠実さを要求されることなのだ、と感じた…。「アイドルと言ってもあの子全然かわいくない」という批判?を聞く(自分も口にしたことがあるような)が、それがいかに的外れであることがよく分かった。何を目指して努力するのか?が分からないと努力も改善も意味がないこと、信じること、情報を得ること、自分の頭で考えること。これらは、アイドルに限らず何をやるにも重要なことなのだろう。

  • 若者に向けた、「アイドルになるには」を視点にしたアイドル論。アイドルとは「好きになってもらう仕事」と言い切れるのは著者ならではだろう。さすが上戸彩を見逃さなかっただけのことはある。
    一方で、アイドルになりたいのなら、友人を失うことを受け入れるべきと覚悟も迫る。うーん、これからするとNMBの須藤さんは、やっぱりないよなぁ。

  •  アイドル評論家が語るアイドルになるには。

     この本はすごい!
     アイドルとは何かからアイドルの歴史、そしてアイドルになるのに必要なものはなどなど。どれもが非常に大事な情報で、読み終わるとアイドル観が変わる、というか確固たるものに固まっていく。
     なぜアイドルが恋愛禁止なのかはなるほどなぁ。アイドルは好きになってもらう仕事であり、歌やダンスや可愛さは決定打にならない。そんなあやふやな世界で激しい競争を多忙な中で戦い抜いてスポットライトにもさらされる。この本読でくと、すんなり恋愛禁止を受け入れそうになってしまうのがすごい。
     中森明夫、本当にアイドルを愛してるんだなぁというのが何より伝わってくる。突飛な内容も多いように見えて、でも真理だなぁと思うし、アイドルになりたい人に向けて真摯に伝えようとする姿勢が強く感じられる。

     全アイドル及びファンの必読書。でもそれだけじゃない。人生や社会の色んなことをこの本から学ぶことができる。

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著者プロフィール

1960年生まれ。作家・アイドル評論家。著書に、『アナーキー・イン・ザ・JP』(新潮社)、『学校で愛するということ』(角川書店)、『アイドルにっぽん』(新潮社)など。

「2013年 『午前32時の能年玲奈』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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