ふるさとを元気にする仕事 (ちくまプリマー新書 244)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689481

感想・レビュー・書評

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  • 進学して地域活性化について学びたいとか言ってる子に、なんかアドバイスとかできたらいいなぁと思って手に取った本。ぜひその生徒に読ませたい。ふるさと、というものに関わらず「学びの姿勢」には共感しまくり。子どもがそういうことをできるようにしていかないといけない、できるように学校が頑張らないといけない。
    自分が楽しめることで仕事を作って暮らしている人たちの話は励みになるが、どうしても自分にはできそうにないなぁとストッパーをかけてしまうところが私にはある。憧れで終わってしまう。さて、私は今の仕事を楽しめているのだろうか。楽しみ方を考えて実践していきたい。

    以下、備忘録として


    プランド・ハプンスタンス理論「計画された偶然性」
    思い立ったら行動に移す、自分から人に会いに行く、新しいことに興味をもつ、そういう積極性が幸運な偶然に結びつく。セレンディピティ、課題への意識。

    「学び」の姿勢
    インプットした知識や経験を、自分の中で組み合わせたり加工したりして再構成(インテイク)して、新たな作品や成果としてアウトプットしていくプロセス。社会人の多くはそれを仕事として取り組み、報酬を得る。学生も同じだが、学生は失敗しても報酬が減るわけではなく(もともと学費を払っているわけなので)、むしろ成長の糧となる。そのプロセスを何度も繰り返すことで、学びの姿勢が習慣化されていく。

    人には「強い絆」も「弱いつながり」も大切だ。

    仕事は「稼ぎ」と「務め」がセットになっていて、さらに創造性が求められる仕事を続けていくためには、もう一つの要素「学び」が欠かせない。

    「傍を楽にする」ことを通じて自分自身の価値を高めていくことこそ「働く」ことの意義。

  • 地元を活性化させるために
    手伝いすぎてはいけない
    風の人
    土の人

  • 地方を活性化させるためのコミュニティデザインは、そこに住むひとびとの参加があってこそやっとできるものらしい。ただのお客さん状態から参加者状態に、というのだけれど、それでもまだfastなやり方だとぼくは思うんです。お客さん状態から参加者状態への途上の段階を一段、踏んだほうがいいのではないかな、と。というのも、ぼくみたいな人見知りなタイプからすれば、いきなり参加者になってアイデアをだしたり目標を共有したりせよ、とされるのには大きな抵抗があるから。参加者はなんらかのコミュニティの一員となることで参加者となる。その段階でまず、信頼や安心を得る必要があるように思う。そこで登場するのが、目的的ではないコミュニケーション。ただそこにいっしょにいること。それもリラックスしていれること。会話の内容よりも、信頼を持って話し共感を持って聞くこと。そうやって生まれる親密さ、友人感が大事で、「参加者」になるのはそのあとなんじゃないかな。そういうslowさが大事なようにぼくには感じられる。slowのなかの、一見無駄にみえるプロセスのなかに、信頼や安心を生みだすものがあるんじゃないかな。お客さんから参加者へすぐ移行させる考えはfastだと思う。slowなやり方は時間がかかるけれど、そこにほんとうがありそうじゃない?いきなり、「ほれ、つながれ!」とやられて無理に繋がるのは(まあ、それでうまくいくひとはいいけれど)、内向的なタイプだとかそうはうまくいかないし、slowなやり方のほうが無理なく、ある程度シームレスにお客さんから参加者へ移行できそうだよ。などと、本の感想というよりぼくの意見になってしまいましたが、終盤の「土の人」のいろいろなケースを紹介するところがいちばん面白かったです。コミュニティデザイナーは「風の人」であって、その土地で種から花を咲かせていくのが「土の人」と表現してました。

  • 感想
    地域コミュニケーションのイノベーション。コロナによる人口流入という急進。これから求められるのは集まった人が自ら考え動いて起こす漸進。

  • ▶︎ コミュニティデザインのイメージが湧いた
    人と人との繋がりで、まちを元気にする仕事。ソフト。

    ▶️ 「弱いつながり」の価値(目から鱗)
    強いつながりは時に窮屈で、つながりが全く無いと寂しい。弱いつながりだからこその良さもある。家族に言えないけど友人に言えること、同じ会社の同僚には話せないけど、異業種の知り合いには相談できること、など、弱い繋がりだからこそ成立するコミュニケーションがある

    ▶️ 参加無くして未来なし。楽しさ無くして参加なし
    人は、正しくて、楽しいことに集まる。楽しさ大事。地域の楽しさ自給率も高めるべし。

  • 「学び」という点で収穫が多かった。

    読書、特に本を購入する効用について言及。下準備のリサーチの整理・網羅性、地域住民がわが町の現実的な問題として捉えられるような講演会の設定や「仮想」通貨の導入など面白い。「コミュニティデザイナー」という横文字肩書(正直しゃらくせえ!)を使い続ける理由が知れたのもよい。

  • 【由来】
    ・確か図書館の新書アラート

    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】
    ・具体的な話が多く、率直で赤裸々なので、とても勉強になる。「最初っからウェルカムだったところなんて一つもない」やっぱりそうですよね。すいません、考えとして甘えてました。

    ・HG村中先生や竹田さんに読んでもらいたい。第5章だけでよい。HGがフューチャーセンターとして機能する時のイメージとして。

    ・しかしプリマーももう1000円なんだな...。

    【目次】

  • 何気なく買った本だったけど、色々勉強&考えさせられた本でした。都市部ではない、田舎の町を元気にしていく仕事は読んでいて素敵だなと思ったし、自分も将来住むであろう街を元気にしていく一員として携われたらいいなと改めて思いました。

  • 仕事自体の楽しさを改めて感じさせられた。人の役に立つことを自分でもやっていきたいと思う。

  • 高校に入ってすぐに読みたかった一冊
    「はじめに」に、「コニュニティデザインという分野に興味を持った若い人にとって入門編となるような本」と書かれている通り、読みやすい内容になっている。
    第2章では、コミュニティデザインの考え方の発展が体系的に、かつ、著者の体験も交えながら説明されているので、理解しやすい。
    第3,4章では、進路に悩む人にはとても有意義な内容になっている。これからの働き方として、働き方と遊びが同化して生き方そのものになっている形、実際にそういうものにであえるのは難しいわけだが。
    第5章では、studio-Lの実際の仕事やふるさとを元気にする人の活動が紹介されていて、事例集として活用できる。

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著者プロフィール

山崎亮(やまざき・りょう)
コミュニティデザイナー。studio-L代表。関西学院大学建築学部教授。主な著書に『コミュニティデザイン』(学芸出版社)、『ソーシャルデザイン・アトラス』(鹿島出版会)、『コミュニティデザインの時代』(中公新書)、『コミュニティデザインの源流:イギリス篇』(太田出版)、『ケアするまちのデザイン』(医学書院)などがある。

「2024年 『新版 生きのびるためのデザイン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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