外国語をはじめる前に (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
3.72
  • (14)
  • (36)
  • (27)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 329
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480688835

作品紹介・あらすじ

気軽な気持ちで外国語をはじめたけれど、途中でいやになってやめてしまったことありませんか。その原因は、「言語学」の基本を知らなかったから。つまずきやすいみんなのための最初の一冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 語学を学ぶのは楽しいことです。楽しくなければ覚えない、上達しない、ということを実感させてくれる本。外国語を主に習う大学に通っている人が羨ましいと思う。

  • 中高生の間に読みたかったな。そしたら何がなんでも外国語学部に入っただろうな。

    言語学とは何か、言語を勉強すると言うことはどういうことか、など言語を学ぶということに対するあれこれ。
    学生さんのリアルな意見があるのも、目から鱗だったりして面白い。

    こんなふうにもっと言語に直向きに向き合えたらな、と思う一方で、仕事にするには難易度が高いので今のままゆるゆる付き合うくらいがいいのか、と安全牌に走ったり気持ちは揺れる。

  • 外国語学部の学生の意見がたくさん載っており、面白かった。また今まで興味を持った英語・中国語・韓国語以外の言語を学んでいる多くの学生の話を聞く中で、興味の幅が広がった。言語を学ぶにはこの言葉の歴史も知るべきということは印象に残った。

    とにかく可愛い文字を書きたい・読みたいという思いの学生がグルジア語を1つの例として挙げていたが、グルジア語はმშვიდობისაのような文字で、確かに可愛いと思った。もう少し視野を広くして言語に向き合っていこうと思う。

  • 言語学を学ぶ学生に出された課題でよかった解答がたくさん載っている。
    学生の熱量を感じられた。愛おしいと思った。

  • (刊行後すぐに入手しておもしろく読んだが、レビューは未記入だった)

    本業は言語学(スラブ語)だけれど、外国語好きにおいては右に出るものなしの著者による語学入門。某国立大学外国語学部でさまざまな外国語を専攻する学生たちに「言語学」を紹介するという主旨の授業の再現というスタイルで、音声、単語、文法、意味、言語の系統、歴史(古典語)、方言(バリエーション)、辞書、検定試験や留学の意義や是非、その先にある職業までとりあげ、「外国語を学ぶ」ってどういうことなのか、具体的に想像できるようになる。発音ができないことには寛容でも文法をナメた態度には手厳しく(このへんは日本での英語教育の傾向を意識して手綱を弱めたり締めたりしているのだろう)、けっきょく万人向きで「楽で楽しい」外国語学習なんてないのだとよーくわかる。各章末には授業テーマに関連して出されたお題への学生たち(いわば先輩)からの回答+黒田先生からの一言コメントが載っているのも楽しい。外国語を専攻している学生のさまざまな本音がきけておもしろかった。

    本にも書かれているとおり、各国語学や文学を専攻しているからといって言語学についてもわかっている人というのは案外いなくて、言語学の基礎をちょっと知ることで勉強の悩みのヒントになったり視野が広がって発見があったり気が楽になったりするらしい。母語(日本語)・非母語(英語を始めとした外国語)問わず言語というのはどういうしくみなのか、どんな側面があるのか、学べる(というか言葉のおもしろさや奥深さを発見して楽しめる)場が小中学校段階でもっとあればいいのになぁ、と改めて思った。

    そして、私自身、言語学の知識や経験をなるべく生かした授業を心がけ、言葉のおもしろさを感じたり外国語で活動することを気楽に楽しめるよう工夫しているつもりだけれど、自分の担当クラスで語彙を増やす助けになるようなコーナーをもっと充実させたほうがいいだろうなとか、教える立場としてもあらためて刺激を受けた。(2021年2月)

  • 本書は、外国語を習得する楽しみや辛さを、言語学の知識を交えながらわかりやすく解説する。「『カッコイイ』ことは、外国語を学ぶ一番のモチベーション」、「辞書は服と同じで、成長に合わせて買い換える」など、眼から鱗の意見が次々と展開される。著者の主張には、語学が嫌いな人も好きな人も共感できるはず。
    (選定年度:2019~)

  • 外国語学習の基本として、音、語、文の3つに分けた考え方について、自身の経験とも一致し共感を得た。もう少し早く読んでればという思いもある一方で、文法の重要性を再確認できたことから、非常に学びがある内容であった。また著者の表現力は文才として素晴らしいと常々思う。

  • 話しかけてくる・問いかけてくるような構成が面白く、言語学に優しく入っていける。各章に挟まれた教え子とのエピソードが、著者の教えを一方的にせずバランスが良い。
    やはり言語は、根気よく向き合って習得するほか道はない、と納得させられる一冊でした。

  • 黒田龍之助さんの本。
    今までは、大人向け(まあ、高校生くらいでも読めるが)の本を読んでいたが、この「外国語をはじめる前に (ちくまプリマー新書)」は、中・高校生に向けて、あるいは、鯛が学生で語学を学んで(学ぼうとして)いる人に向けて書かれた本。
    外国語学部で他言語を学ぶということはどういうことか、言語というものは何なのか…など、筆者の皮肉やユーモアを交えて書かれているので、読みやすい。

    また、実際に大学の講義で課された課題と、その学生のレポートもあって、非常に興味深い。
    特に、「自分の習っている言語を将来活かした職業に就きたいか、あるいは就かないか、それぞれ理由をつけて」というは、いろいろな意見があり、読んでいるこちらも考えさせられた。

    余談だが、独学でドイツ語を学習している自分にとっても、有意義な本だった。

  • 著者が外国語学部の学生を相手におこなった講義をまとめた本で、言語学の初歩の知識を解説し、それを外国語学習に生かすことができることを語っています。

    学生たちのアンケートの実例が多くあげられていて、自分もその一員として著者の講義を受けているような気分を味わえました。

全28件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

黒田 龍之助(くろだ・りゅうのすけ):1964年東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業、東京大学大学院修了。東京工業大学助教授(ロシア語)、明治大学助教授(英語)を歴任。現在、神田外語大学特任教授、神戸市外国語大学客員教授。著書に『ポケットに外国語を』『その他の外国語エトセトラ』『世界のことば アイウエオ』(ちくま文庫)、『外国語をはじめる前に』(ちくまプリマー新書)、『ロシア語の余白の余白』『外国語の遊園地』『外国語の水曜日 再入門』(白水社)、『はじめての言語学』(講談社現代新書)、『ぼくたちの外国語学部』(三修社)、『物語を忘れた外国語』(新潮文庫)など多数。

「2023年 『ロシア語だけの青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

黒田龍之助の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マーク・ピーター...
佐藤 優
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×