- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480438188
作品紹介・あらすじ
30歳で「20カ国語」をマスターした著者が語学の上達法を惜しみなく開陳した語学の名著であり、心を動かす青春記。解説 黒田龍之助
感想・レビュー・書評
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著者の外国語学習の執念が伝わってくる一冊。外国語学習の本を書いている方に共通するのは、言語学習にかけている圧倒的な時間なんだと思う。もはや勉強とは思っていないんだと思うけれど、常に外国語に触れている状態になっている。一般的な人はそこまで時間がかけられず、途中で挫折してしまう。そこが外国語に対する抵抗があるかないかの違いなんだと思う。
外国語の学び方で参考になったのは文法書を何回も読むべきということ。著者曰くうるし塗り。そして単語集は無駄という割り切り。要は生きた形で単語も覚えないと意味がないし使えないということ。そして、ブロークンの禁止。海外駐在した人が1年で英語が話せるようになったと言っても文法を意識していなければブロークンのままでそれは外国語を話しているとは言えないというぐらいの厳しい姿勢。なので発音もちゃんとネイティブの音を聞いて直すべきだという。
まずはブロークンでもとりあえず話せた方がいいのではと思ってしまうところもあるけど、外国語を勉強したいと思わせてくれる本ではある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
英語ですら全くマスター出来ず苦闘している自分を鼓舞しようと思い、また、勉強法の参考にと想ったが、インターネットを何気なく使う現代に比べて極限られた教材の中で多言語をマスターする努力にただただ敬意を表する。本人は言語の発音に惹かれて勉強したというが、言語をマスターするにはやはり強烈な動機づけが必要なのだと思う。漫然と勉強している自分が上達しないのは仕方がないところか。
インターネットを使った色々な学びができる現代に有難味をかんじ、ある程度集中して勉強出来るよう、興味の幅を広げていきたいと感じた。 -
独学での外国語学習習得術の古典。Amazonでも高額で掲載されていた。今でも6000円以上の金額で購入することができる。書店で見かけて迷わずに購入。(800円+税)
1938年生まれの著者が語学を学んできた方法を開示している。さすがに時代を感じる方法(カセットテープへの録音)もあるが、その時代の文明の力を使って学んでいる姿は現在に置き換えた方法で行えば良いのである。
とにかく刺激を受けられる一冊だ。 -
高校2年から外国語学習に傾倒し、次々に完璧な運用能力を手に入れていった男の短い回想録。こういう武勇伝ならいくらでも読んでいたい。
高校時代に留学したニューヨークで、フランス語のクラスで首席だったなど秀才エピソードがいっぱい。
その他、各章のタイトルは「ブロークンは敵」「海外旅行はムダ」などインパクトが強い。
押し出しの強さと行動力とが、淡々とした文章から滲み出しまくっていて、それが不思議なユーモアになっている。面白い本。 -
語学に向き合う姿勢がすごい。執念深い。
絶対間違えた言葉を使わない、使うくらいなら黙ってる!な姿勢
ブロークン語を使わないという意思!
各言語の音に対するオタク度が深い
漆塗りの語学勉強は
ほんとに大切だと思った。同じテキストをボロボロ暗記できるまでやり倒す。お風呂で独り言、
その言葉下での生活環境にすること。
下手に友達作って、留学して、できた気になる前に自分を飼いならせよ!!! -
20ヶ国語がペラペラな人の自伝。丸善で名著として平積みされていたので購入した。
自慢話やハウツーではなく、語学狂の筆者ががむしゃらに学んだ軌跡が綴られている。戦前に網走で育った筆者がテープレコーダーを担いでネイティブの音源を収集する。メールなどない時代にペンパルと何年も文通をする。大使館に連絡して文献を取り寄せる等々、若いうちから大変なバイタリティで言葉を習得していく。
「ペラペラといっても少しできるだけでは?」と半信半疑だったが、ブロークンを警戒し、語感やニュアンスを重んじる姿勢をみるに、この方は本当にペラペラなのだと思う。
語学学習のノウハウも書かれているが、「学問に王道なし」と再認識させられるようなことしか書かれていない。それよりも、学ぶ喜び、異文化の扉が開く興奮、言葉に対する敬意が読む者にもどんどん伝わり「やるぞ!」という気にさせられる。読んでよかった。名著の看板に偽りなし。 -
本屋で平積みされていたので気になり立ち読み。序文ともいえる「ある朝、ホテルのロビーで」を読み終えてそのままレジへ。
久しぶりに買った本をその日のうちに読み終えました。
現在英語の再勉強中ですが背中を押された気分です。素晴らしい本でした。 -
著者が外国語習得にこれほどまでの情熱を傾けたのは何がきっかけだったのか、どのようにして語学を習得していったのかの記述に、自分の好きなことを追求していくことで道が開けていくのだなと、大きな力をもらった。ブロークンを許さず、
正しい発音、正しい文法こそが、言葉の奥にある心の機微を伝達しうるという著者の徹底ぶりに感服する。 -
語学学習者が語学学習に情熱を失った時に再び情熱を持つきっかけにできる本。
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戦後の日本でほぼ独学で英語を学び、英語が得意な生徒としてアメリカ留学。そののち、翻訳者としてイタリア大使館などに勤務するうちにイタリア語を学んだり、いろんな言葉に興味を持ってどんどん理解する言語を増やしていった作者。
語学が好きで、映画や旅先で触れて少しずつ勉強して複数の言葉をちょっとずつ齧ったわたしだけど、あるとき気づいたことは「一つの言葉を学ぶと前に学んだ言葉を忘れてしまうな」ということ。学んだ言葉はちょこちょこ使い続けないとすぐに錆ついて忘れる。新しい言葉に夢中になっているうちに前に学んだ言葉を勉強しなくなるから忘れちゃうのだな。
作者が継続して複数の言語に触れ続ける努力をしていたことは想像しつつも、誰にでも真似できることではないと思うから参考にしようと思って読むと失敗しそう。
あと「ブロークンでただしゃべれるようにならず、きちんと覚えろ」というのは確かにそうだけど、それは用途によるんじゃないかなとも思う。日本人はまずはブロークンでいいから聞けて話せた方が良い。