- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480437051
作品紹介・あらすじ
住む人の暮らしにしっくりとなじむ、居心地のよい住宅とは? ジーンズのような住宅つくりで定評のある著者の住宅読本。大幅加筆の文庫で登場。
感想・レビュー・書評
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なぜか建築家の文章が好き!
こだわりや信念を持ちつつも、依頼主の暮らしに想像力をはたらかせ、周囲の環境との調和や使い勝手の工夫、遊び心を入れる余裕…経験と知恵を総動員してのモノ創り。建築家ってすごいなぁと思う。
でもそれだけじゃなくて、文章のなかに、生き方・仕事・子育てなどにも通じるものが…。この本もそんな一冊でした!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いちばんすきな建築家中村好文さんの本。頭の中を覗けてよかった。ちょうどイングルヌックに興味持ち始めたところでタイムリー!アートみたいなかっこいい家もあこがれるけど自分の家をつくるならしっくり馴染む普段着の家がいいー!
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文章がとても上手なので、読んでいてまったく苦痛を感じることがなく、気持ちよく読了。
本書に紹介されていた中谷宇吉郎のエッセイも読みたくなりました。
中村好文さんが、伊丹十三の影響をかなり受けたということも初めて知りました。 -
ちょうど我が家のリフォームに取り掛からんとするころに書店で見かけて読み始めたもの。
「アメリカの建築家、エーリッヒ・メンデルゾーンの残した「建築家はワンルームの建物によって記憶される」という名言を想い起こしたいものです。」
「箱」から「小屋」へという序盤の考察は、ほぼほぼワンルームに、キッチン、ダイニング、リビング、小上がり(さらにはキャットウォークまで)を配した「箱」のような我が家の構造にマッチしていて、間違いなかったのかなと思えた。「家というものは、結局のところは箱なのだ、いや、箱でよいのだ」というル・コルビュジエの考え方も、大いに参考になった。
「無駄のないシンプルな建物に、虚飾のない自然体の暮らし。それは棲み家と人の生き方が分かちがたく結び合った理想的な関係だと思うのですが、いかがでしょう。」
大いに首肯できるところ。これから住み続ける我が家が、そうなるように努力もしていきたいと思う。
「生活のすべてが「ひとつ屋根の下」にすっぽりと居心地良く、バランス良くおさまっていて、そのことがどこにいても気配として感じられる「家」が、私の身の丈に合った普段着の住宅ということになるのでしょうか。できれば、そんな住宅を丁寧に作り続けていきたいと思います。」
旧宅より狭くはなるが、「ひとつ屋根の下」「どこにいても気配として感じられる」感は増したと思う新居。
コロナ禍が過ぎ去った後のNew Normalな暮らしを楽しみにしよう。 -
いい仕事をする人は、いい意味でオタクなんだなあ。
建築や家具や雑貨などなど、ありとあらゆるモノに対しての愛があふれていて素敵だなあと感じたし、中村さんにお任せして家をつくれたら、きっとすごく居心地のいい家になるだろうな。
あとは思いがけず吉村順三の話がいっぱい出てきてうれしい!今まで中村さんの本をそれなりに読んできたけど、ここまで吉村順三の話が出てきたことがなかったから。
吉村順三は当代一の住宅設計建築家だったんだなあ…名匠による建築、、、どこかで一般住宅が見れたりしないだろうか。。とりあえずは俵屋に泊まりたい。 -
うんうんとなってしまうフレーズがいくつもありました。「建築家の本棚から」に読んでみたい本がありました。
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素敵な建築家なのだろうと、安曇野ちひろ美術館の家具などから思っていたが、「(小屋とは)営巣本能」「風景の中の家」といった指摘にいきなり心をつかまれる。
入込暖炉(イングルヌック)や上げ板(床下での貯蔵)、フェルメールのような高窓・腰壁、アンドリュー・ワイエスのようなピクチャーウィンドウといった語彙の指摘や紹介も、素敵なイラストや写真もあって惹き込まれる。
先述の家具のことも、「居心地」重視の姿勢(建築の魅力を損なわない)の現れとわかり納得。
玄関の子供椅子(およびその発想源となった幼稚園の古い椅子)への目線も然り、PINE HOUSEの松家さんとの書簡然り、
生活の質への目線がしっかりしている人々の仕事は、いいなと思った。
自分も本当は、そういう空間作りがしたい。