ビブリオ漫画文庫 (ちくま文庫 や 50-1)

制作 : 山田 英生 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 200
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480434685

作品紹介・あらすじ

古書店、図書館など、本をテーマにした傑作漫画集。主な収録作家―水木しげる、辰巳ヨシヒロ、つげ義春、楳図かずお、諸星大二郎ら。

感想・レビュー・書評

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  • 本にまつわる未知の世界へ|ちくま文庫|中条 省平|webちくま
    http://www.webchikuma.jp/articles/-/1050

    筑摩書房 ビブリオ漫画文庫 / 山田 英生 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480434685/

  • ちくま文庫の既刊本を眺めると、私の好きな倉敷市美観地区の​「わたしの小さな古本屋(田中美穂著)」​も上梓されていた。ブックオフが台頭して以来、古本屋をめぐる物語は、ほとんど風前の灯のような気がしていたのであるが、いやいや、左にあらず、ちくま文庫では古本関連の出版が相次いでいる。今や古本屋を利用し愛重していた世代は退職して自由な時間を持ち、再び帰って来ているのかもしれない。

    ここにある、古本や本への偏愛をめぐる漫画は、60年代のそれから、2010年代のそれまで、多種多様である。しかも、編者は、よくぞ見つけたな、と思うようなマイナーな雑誌や単行本から採って来ている。編集そのものが、本への愛に満ちていて、とってもよろしい。

    ただ、一つだけ違和感を持ったのは、初出誌を説明した個所が横書きなのに、年代を全て漢数字にしているのである。縦書きならばわかる。何か意味があるのか?それとも編集部との連絡ミスか。

    山川直人氏の味ある古本屋シリーズ、名作「栞と紙魚子」内の「古本地獄屋敷(諸星大二郎)」、思いも掛けない晩年の永島慎二に出会ったような「ある道化師の一日」等々、掌で愛でさせて頂きました。

    2017年9月27日読了

  • 山田英生・編
    ■Ⅰ 古書吟遊
    ・古本堂主人 山川直人
    ・古本屋古本堂 松本零士★……四畳半と宇宙を連結させる手際!
    ■Ⅱ 古本奇譚
    ・古道具屋の怪 水木しげる
    ・古本海岸 おんちみどり★……好みの作風!
    ・古本地獄屋敷 「栞と紙魚子」より 諸星大二郎……安定。
    ・古書月の屋買取行 豊田徹也★……「アンダーカレント」の人。たった2ページで。なぜかしらん忌野清志郎の歌を流したい風情。
    ■Ⅲ 本をめぐる奇人たち
    ・本 楳図かずお
    ・粗骨の果 湊谷夢吉★……これもまた初めて知った作家。
    ・古本詠歌 つげ忠男
    ■Ⅳ 本の掌編
    ・古本屋台 Q.B.B.(作・久住昌之、画・久住卓也)★……これ!いい!こういう屋台に行きたい!「煙草をふかして酒でも少し飲んであとは寝転がって好きな本を読んで眠っちまえりゃナンもいらんよ」
    ・文豪春秋 いしいひさいち
    ■Ⅴ 貸本屋とその周辺
    ・キンタロウ文庫 「三丁目の夕日」より 西岸良平
    ・中之島の図書館で うらたじゅん★……「田辺のつる」「金髪の草原」「タイガーリリー」の系譜に入れるべきか入れざるべきか。「貧乏まんが」収録の「ホットケーキ」と比べ、ずいぶんしっとり。
    ・古本・とんま堂主人 辰巳ヨシヒロ
    ■Ⅵ 恋と古本
    ・古本と少女 つげ義春★……再読だが、やはりよい。
    ・舞子 南日れん……初めて知った作家。大友克洋や山本直樹系統か。
    ・夢 近藤ようこ
    ・コートと青空 山川直人★……この人の絵柄、狙いすぎていてやや敬遠しているが、この短編は極上! 嬉しくて泣ける。「びっくりしたりがっかりしたりハラハラドキドキしたりするのが嫌なんです」「変ですねそういうのを普通面白いとか楽しいっていうんですよ」
      *
    ・ある道化師の一日 永島慎二★……目次内の扱いが特殊。それだけ特別な短編。

  • 本に取り憑かれた人々がテーマのアンソロジーです。名作揃い。ハードな展開もけっこうあって楽しめました。古本屋が好きな人、本が好きな人、本を買いすぎてしまう人におすすめの本。

  • 本にまつわる漫画を集めたアンソロジー。読んだ人を食べちゃう妖怪みたいな本や、店の奥が古本でできた洞窟みたいになっていて少しでも本を無理に抜くと崩れてしまい抜け出そうとすると古書マニアの怨霊が追ってくる店や、貧乏学生が古本に挟まっていた千円を思わずとってしまい煩悶するが最後は心温まる話だったり、昭和三十年代のアナーキーなわい本作家粗忽の徹底したアナーキズムと反骨精神とそれに煽られた新聞記者の物語、死んだ作家の本しか読まない古書店の常連とその後生前の作家も読むようになった訳とは...というストーリー、など。なぜ死んだ作家ばかり読むのかと問われ「びっくりしたりがっかりしたりハラハラドキドキしたりするのが嫌なんです」「変ですねそういうのを普通面白いとか楽しいっていうんですよ」というダイアローグがいいなあ、と。南日れん「舞子」はもっと他の作品も読んでみたくなる一編だった。死んだ妻のオススメの本が、内田百間「サラサーテの盤」だというのがちらりと見える近藤ようこ作品。「煙草をふかして酒でも少し飲んであとは寝転がって好きな本を読んで眠っちまえりゃナンもいらんよ」という古本屋台の親爺の潔さ。「古書店主人」、本の虫、或いは文学を志してザセツした者が一度は思い描く夢、というのに我が身を振り返ったり。本好きにはたまらない一冊でした。

  • なんか不思議なアンソロジー漫画。
    本が絡んでればOKというか。
    SFやらホラーやら
    コメディやら純情もの、青春もの。
    不条理な感じのもあったし。
    『古本屋台』も入ってた( ̄▽ ̄)

    収録されたなかでは
    山川直人のほんわかしたやつと
    つげ義春の『古本と少女』が
    ちょっと私好みでした。

  • 山田英生によるちくま文庫オリジナルのテーマ別まんがアンソロジーの1冊。
    シリーズ最初の1冊だが、この時点ではシリーズ化が決まってなかったのか、タイトルが以降の続刊に比べて異質(続刊は「貧乏まんが」とか「老境まんが」とか「〜〜まんが」というスタイルに統一されている)。
    テーマは「本」でしかも収録作のほとんどは「古本」ないし「古書店」が題材になったもの。収録作の中では湊谷夢吉の「粗骨の果」が戦前の宮武外骨と梅原北明を足して二で割ったような梅林粗骨なるエロ出版人のドタバタを描いたもので異色。
    あと、Q.B.Bの「古本屋台」が夜な夜な出没する屋台の古本屋?の話でいかにも久住昌之という感じで面白い。また松本零士の「古本屋古本堂」も漫画コレクターとしても知られる松本零士のらしさが出た内容。

  • どれもとても楽しめた。本がテーマというのは、しみじみといい。
    古本屋台おもしろかった。つげ義春さんの作品もよかった。心温まるお話だった。

  • 本、古本にまつわる漫画アンソロジー。
    松本零士、水木しげる、つげ義春、いしいひさいち、西岸良平…豪華な顔ぶれ。

  • いろいろな漫画家が古本に関するエピソードを漫画に仕立てている。長短あり、さまざまな展開もあり、非常に楽しめる。日本の漫画家って、多彩で、すごいなと団順に思った。

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