ナリワイをつくる: 人生を盗まれない働き方 (ちくま文庫 い 92-1)
- 筑摩書房 (2017年7月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480434555
感想・レビュー・書評
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自分の手で必要なものを作る。自分が作れるものを他人と分かち合う。できないことはできる人にお願いする。そんなふうに暮らせたらいいなぁ!
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ナリワイの考え方にはとても共感する。ナリワイとは自給的生活と仕事が“祭り”として一体化していくあり方であり、奔放なイメージよりも生活防衛的なあり方であることは新しい発見だった。
ただ特に教育費や医療・介護等、既存のシステムに依存する限りは外貨を稼がなければならない。体を壊したら傷病手当もない。家族を養うには資本主義の中でサラリーマン的に稼ぐ部分とナリワイ的に暮らすあり方のハイブリッドが現実的には必要なのではないか。そのような働き方を実現できるのか、著者が述べるように中途半端になってしまうのか、まさに自分が一歩を踏み出して検証していくしかない。 -
“ナリワイの考え方の真髄のひとつは、稼がなきゃ稼がなきゃと外部の環境に振り回されるより、自分の生活を作る能力を磨き、それをちょっと仕事にしてしまう方が確実ではないか”と“子供の教育費に2~3千万かかるとか、誰かが勝手に出してきた見積もりにビビって「稼がなきゃ」と焦る必要はない。大事なのは、その内訳を見て、もっと効果的な使い方はないのかと検討すること”が印象に残った。
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会社に属して給料をもらって生活するのではなく、自分で収入を生み出していく。
ナリワイは自分発の仕事だから実感もあって楽しい。
わかってる、ナリワイで暮らせたら人生楽しいのはわかってる。なのに始められない自分にモヤモヤが加速。
それでも本書を読み終え、自分自身に価値をつけようと趣味に身が入ったのは良書だった証拠。
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自立するってどんなことなんだろうと思い、そこに自分なりの答えやヒントを見出だしたくてこの本を読みました。
人生の大半を仕事に費やすとするのなら、自分が好きなことや楽しいと思えることを仕事にしたいと思っています。
ナリワイをつくる。純粋にとてもわくわくしました。
具体的な内容で心に残ったのが、結婚式は現代のように大金をかけずとも、自分たちで作ることができるのではないかというところ。
社会人になった年、貯金の最初の目標が『結婚資金を貯める』というものでした。(予定もなかったのですが…笑)
ただ、結婚式はお金がかかるものという前提に、これまで何ら疑問を持っていなかったということです。
日常のなかで触れる様々な出来事に、様々な視点をもってみるというところに、自立して生計を立てることのヒントがたくさん隠れているのかもしれないと気付けたことが一番の収穫だったと思う。 -
自分がやっている教える仕事も、ナリワイの一つとして考えてみるのはどうだろう?
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遊びか仕事かわからない案件がいくつもある幸せ
本著は2012年発刊。「副業のススメ」や「正社員ならではのリスク」などなど、なぜ”ナリワイ”なのかに至る前提が、まだ世の中にそれほど共有されなかったはず。そんな世情を反映して、”働き方=生き方である”という大きな理念の提示に、かなりページが割かれているのが良いですね。改めて今読むべき本。
「デカイ案件」でなく、小さな楽しい仕事を多種多様にできるように
著者は体調不良(どうしようもない肌あれ)などをきっかけに会社員を辞め、雇われない生き方から”ナリワイを作る生き方”へとたどり着きます。ナリワイの実験者と自称する通り、様々な挑戦を日々繰り返しているそうです。
生活の自給度が上がるような、数万円〜数十万円の仕事を組み合わせる、というのが著者の”ナリワイ”。例えば、床を張る・野菜を作る、年に一度の収穫を手伝うと言った、まさに自給自足のイメージの”ナリワイ”もあるし、自分が「参加したい!」と思うセミナーやワークショップをとりあえずやってみる、というのも”ナリワイ”的だそう。大入り満員などは狙わない、1人でも参加があればいい、程度のぼちぼち感が大事、そして「プロ」の仕事になると途端につまらなくなるので、年に1〜2回程度の複数ある”ナリワイ”の一つにとどめておく(結婚式のプロデュースとか、海外旅行のプランニングとか)など、規模拡大とは別の考え方が、いい感じ
続きはブログへ!
https://hana-87.jp/2019/01/30/nariwaiwotsukuru/
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終身雇用伝説は終わったこの時代、一つの会社に勤めあげることに安心している場合ではない。
グローバル競争の中で肉食系のかなりハードな戦いをできるなんて一握り、資本主義の自由競争の中では常に新しい価値を作ること、常に新たな需要を作ること求められる。
そんな中で働く人間は、競争の中で自分の時間もなく消耗していく。
それよりも、今当然と思われていること、車をいっぱい売るだとか、に根本的に疑問をもつ、本当にそんなに車必要なの?、家にこんなに高い家賃払う必要あるの?
そうすると、本当に必要なものがわかってくる。
そして、生活で必要なものだけにコストカットして、無理せずできる「ナリワイ」を複数見つけ、自分が興味のもてる小さな仕事を積み上げていく。
というような考え方。
非常に素敵な生き方だと思う。
仕事への考え方、多様性が求められる世の中に必要な考え方だとも思う。
ただ、これを実践できるのは、大きい会社の中でもリーダーシップ発揮しているような、人間なのではないかと思う。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」ということわざがある。この本は、鶏口になれとはいっていないのだが、自分で自分の生活を成り立たせるには一人事業として、鶏口になるという事だと思う。
それはできる人とできない人がいる。
できない人はやはりどこかの組織にしがみつく方が良いのではないか。
また、この本は第一章と第二章に要旨が詰まっているので、そこを読むだけで内容がつかめます。 -
「ナリワイ」のキーワードを使う本は最近でこそけっこう見かけるようになったけど、本書はそんな流れを起こした本の一つなのかな。「ナリワイとはやればやるほど頭と身体が鍛えられるもの」という手触り感のある定義はしっくりくる。衣食住に関わるナリワイを身につけることで生活のコスト自体を下げられるというのも実現の難易度はともかく全くその通りで読んでて気持ち良かった。完全にクライアントワークだけど好きなことでもある今の仕事からどうナリワイ的な要素を増やしていけるか考えていきたい。
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【319冊目】専門化した1つの仕事から離れられずに汲々とした生活をするのではなく、アマチュアでも良いから生活や成長の実感を持てる仕事から少額の報酬を得ることを複業やって生活していこうと奨励する本。コロナ禍前に刊行された本だけど、今の副業・複業トレンドに見事にマッチしているように思われます。
御多分に洩れず私も副業に興味があるし、自分が携わっていて実感の持てる仕事をやるべしという筆者の主張にはとても頷けます。ひとつひとつの報酬は少なくてもそれを複数やればいいじゃないというのも、わりと共感。というか、起業し、事業が黎明期にいる人はそうやっていますよね。「プロ」にならなきゃいけないと思うからタコツボ化した職務の中で行き詰まるのであって、アマチュアでも良いから事業の全体感を見通して働く方が気持ちよく働けるし、それでも生きていけるよというメッセージには、多くのサラリーマンの軛を解放する役割もあるかもしれません。
ちなみに、副業の前段階としてポイ活はやっています(笑)だけど、ポイ活は所詮企業戦略の中でうろちょろしてるだけなので、明日会社が倒産しても稼げるナリワイ(たとえば、筆者が何度も例に出す床張りの技術とか)とは全然違います。
手作りの結婚式の企画を年2回やったり、自分がモンゴル旅行するついでに現地集合こツアーを組んだりなんてのは、本業と通勤に多くの労力を割いている私にはどだい無理な話。
筆者も指摘しているように、私がナリワイ生活に一歩踏み出すには結構な覚悟が必要かな。「そもそも住宅ローンは必要か」など、そもそも論を考えてみれば支出はもっとシンプルに考えられるというのが筆者の主張で、自分はナリワイの実践例だと言います。
こういう本の感想で一番やっちゃいけないと分かっていつつも言いたくなるのは笑、「筆者と私は違うから」ということ。読者の大半は、「だって筆者は京都大学卒業してる地頭の良い人でしょー?」と思うんじゃないかな?
私は「だって結婚してないし、子供もいないじゃん」ということ。今の勤め人生活を手放して、妻子の分まで食べさせていけるだけの稼ぎと社会保障を得られるか?ナリワイでは都会に暮らせないけれど、体調を崩すことの多い子供に充分な医療的ケアを与えられるか?というのが二大不安。
そう考えると、逆に言えば、従業員の人生や生活丸抱えで忠誠を求める昭和平成の企業分化は、サラリーマンをしていれば働けなくなってもある程度の生活は約束するよ、という社会保障制度への信頼があったから成立していたんでしょうね。
働けなくなっても国や社会が面倒を見てくれない(=社会保障への信頼が崩壊)という日本では、ほぼ1つの企業で、ほぼ40年間勤め上げるというカルチャーは衰退して行くんでしょうねぇ。