中島らも短篇小説コレクション: 美しい手 (ちくま文庫 な 48-2)

著者 :
制作 : 小堀 純 
  • 筑摩書房
3.71
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本棚登録 : 161
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480433497

感想・レビュー・書評

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  • 2篇の未発表作品が掲載されている中島らもの短編小説集。
    当たり前だけど、ミュージシャンや作家が亡くなると、新作が出なくなる。
    こんな風に未発表作品に触れられるのはすごく嬉しいけど、悲しい。

  • 20年近く前に父が亡くなったあと、父の友人から「お父さんは中島らもを読んでいた」と聞いたことがあった。
    父は国語の教免を持っていて(実際は教師ではなかったけれど)大変な読書家だったから、もちろん読んでいた作家も膨大だったと思うのだけど、その言葉が妙に心に残っていた。
    でもなぜか中島作品に手をつけないまま早20年近く…
    満を持して(?)初めて読んだ中島らもコレクションは、とってもおもしろかった!もっと早く読むべきだった、と単純に思える作品群でした。
    ご本人が薬物で捕まったり亡くなり方も特殊だっただけに、読み物もヘヴィーなのかと思っていたけれど(ヘヴィー寄りなものもないわけではなかったが)、「まじめにふざけている」感じが何とも言えず楽しくて、父が読んでいたっていうのも肯けるな、と。

    「寝ずの番」「日の出通り商店街 いきいきデー」など、実写化されているものを知っている作品も複数。日の出通り~は「世にも奇妙な物語」の一作品として観たことがあったのだけど、なぜかすごく印象に残っている作品だったから憶えていた。
    商店街で商売をする希望参加者たちが、自分たちの商売道具を使って殺し合いをすることがその1日だけ許可されるという、ライトながらもぞっとする世界観で、タイトルだけ見ると楽しそうなのに、恐ろしくて、世にも~にぴったり。
    ある年齢になるとヘビになってしまう、そして姉がヘビ化してしまった姉妹を描いた「クロウリング・キング・スネイク」なんかもそういう世界観だけど、笑える悲壮感があって、しかも荒唐無稽なオチに変な幸福感を覚えてしまう。
    それを観た誰もが開始1時間で気が触れて観ることが出来なくなってしまうホラー映画の話「コルトナの亡霊」は本格的なホラーで印象的だった。
    様々な箇所からパンキッシュな世界観を感じるのも、ご本人がミュージシャンを兼ねていたからなのかもしれない。

    このコレクションを入り口に、ようやく、この先も手に取れることを確認できました。もっと早く確認すればよかったのに。笑
    奇しくも中島らもさん、私の父と同じ年齢(52歳)で亡くなっているのね。もっと年齢がいってからの作品も読みたかったと思っているファン、たくさんいるんだろうな。

    • katchinさん
      是非!
      学生の頃から中島らもを読み続けていた51歳ですが、まだまだ未読の中島らも作品があるっていうのは羨ましいです。
      是非!
      学生の頃から中島らもを読み続けていた51歳ですが、まだまだ未読の中島らも作品があるっていうのは羨ましいです。
      2020/12/20
    • 夜さん
      コメントありがとうございます。
      これからいろいろ読んでみます!
      お勧めがあれば是非教えてください(^^)
      コメントありがとうございます。
      これからいろいろ読んでみます!
      お勧めがあれば是非教えてください(^^)
      2020/12/20
  • 中島らもさんのエッセイにハマって読んでいたが小説もかなり面白い。『日の出通り商店街』『お父さんのバックドロップ』は図抜けた作品だった。戯けの中に優しさあり。らもさんの人柄が垣間みえた。

  • 図書館で。
    全部は読んでないのですがヘビメタの女王は面白かったな~

  • 久しぶりに読んだらもさん。
    読んだことあるものは、懐かしさとともに でもいまここでまた鮮やかに再生されて、初めて読むものも 濃く 強く おもしろく、サイコウでした!!!

  • 小説読みたく神楽坂かもめで

    幅ひろい

  • 久しぶりに中島らもの文章を読んだが、やっぱり面白い。
    高校の朝読書の時間に(時間を過ぎても)熱中して読んだガダラの豚、
    また読みたいなーーーー。

  • 中島らもさんの本は2冊目。現実世界からちょっとずれたところで物語が広がる。音楽やドラッグの描写は詳しいので、知らなくても引き込まれる。出てくる人たちはみんな真剣で、可笑しい。こんな世界を覗けるなら世の中捨てたもんではないなあ。

  • 先日衝動買い。文芸誌流し読みが落ち着いてきたのであしたからコレ読む♪

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著者プロフィール

1952年兵庫県生まれ。大阪芸術大学放送学科を卒業。ミュージシャン。作家。92年『今夜、すべてのバーで』で第13回吉川英治文学新人賞を、94年『ガダラの豚』で第47回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞した。2004年、転落事故による脳挫傷などのため逝去。享年52。

「2021年 『中島らも曼荼羅コレクション#1 白いメリーさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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