- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480433183
感想・レビュー・書評
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美術に登場する代表的な身振り手振りや動作を紹介する一冊。
悲しみや驚きや怒りなどの感情表現。
祝福や腕組みといった儀式的慣習的な身振り。
そして、食べたり踊ったりという具体的で直接的な動作や運動表現の、大きく分けて三つのしぐさに着目した美術本。
美術を、しぐさというテーマで括るのがまず面白い!
このテーマでの美術本は初めて見た。
例えば、ダヴィンチの「最後の晩餐」は、イエス、ユダはもちろん、他の弟子も含め、描かれた人物それぞれの身振りの違いから、さまざまな感情が読み取れる。
時代、国によっての習慣の違いなどからも、その身振りにも違いが出る。中には、その仕草が何かの暗示であることも。古今東西、日本も含め、さまざまな国の美術作品が比較される形で取り上げられており、今まで気づかなかった美術の視点に気付かされる。
走る、踊る、殴る、など分かりやすいものを始め、支払う、嘲笑、正座、居眠り、頬杖など、ややマニアックなものもあり、それぞれ4、5作ほど取り上げられている。
「体育座り」はスーラ。
「寝そべる」はルノワールの「オダリスク」とマネの「草上の昼食」。
「居眠り」はフェルメール、ミレイ。
「頬杖」はゴッホ。
「足を組む」はブーシェの「ディアナの水浴」、ラファエロの「アテネの学堂」が印象に残った詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
しぐさを通して、様々な美術作品に込められた意味や背景を知ることができました。
大部分は想像通りの意味合いでしたが、時代の移り変わりにより意味が変わるしぐさもあり面白かったです。 -
美術史、は自分には向いてなさそう。
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西洋美術を鑑賞するには、人物の身振りやそこに込められた意味について知っておくことが重要だ。有名な《最後の晩餐》や《受胎告知》も、よく観察すると、描かれた個々の人物の異なる身振りがそれぞれ別の感情を表すことに気づく。知らないと見過ごしてしまうこれらの身振りや動作に注目すると、絵の中の「物語」が鮮明に見えてくる。古今東西の美術作品200点以上、カラー図版多数。(裏表紙)
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前作からうって変わって仕草を取り上げている。それ自体に込められた想いというより、その変遷を古今東西を問わず追っているようである。
無論、本格的な分析を所望ならば物足りなかろうが、そうでなければこれで十分。
図版の豊富さは前作通り、もしくはそれ以上だが、今作は特に散らばっており、図版が本文の登場順に並んでいないこともあり、ページをあちらこちらへと移ったりもした。
いずれにせよ知的好奇心をある程度充足させるには問題なかろうと思う。 -
参考になりました。ただ、こういう一般向けって感じの美術の本だからか、その人の研究分野だからなのか、いたしかたないんでしょうけれど、作家さんが、若干偏り気味な気もしたり。この方、カラヴァッジョさんお好きよね?っていうか、バロック系。今回よく見た印象のあるのはグイド・レーニさんかしら。まぁ、印象に残って覚えやすいからいいんですけどね。
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絵画を見るのが100倍楽しくなります。
ただ、本の構成が見づらいのだけが残念。 -
日本人の感覚では予想のつかないポーズに深い意味があることを知ることができる好著だ.西洋の絵画だけではなく,日本のものも数多く掲載されているのが良い.宣誓で日本のやり方が特殊であることを知った.できれば改めたいものだ.
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絵画にはいろんなサインが潜んでいる。それは知っていたけれど具体例を知らなかったので、ガイドとしてとてもわかりやすい。ここに出ている言葉や人名から知識を深めたい。
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貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784480433183