- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480432926
感想・レビュー・書評
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瓢箪虫/山の幸/稲虫/三尸の虫/貝殻天使/虫けら様(一)~(五)/くものはなし/土蜘蛛草紙/鼠の草子/一人娘/蚤のサーカス/雪迎え
素晴らしかった!
単に図鑑的ではない、生態に着想を得てきちんと漫画に仕立てるこの創作そのものが、大いに実験的である、という幸せな漫画だ。
「わたしの名はハニカム」なんて、眼から鱗とめどない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ガロ系の漫画。タイトル通り、ほぼ虫が主役の短編群。たまに虫以外もあるけど、キノコとか貝とか鼠とか。虫の生態に忠実な、虫だけの話も面白かったけど(シュールだけど可愛い)、人間と虫が関わる話のほうが個人的には面白かった。「蚤のサーカス」なんてちょっと泣いちゃう。
※収録作品
瓢箪虫/山の幸/稲虫/三尸の虫/貝殻天使/虫けら様(一)~(五)/くものはなし/土蜘蛛草紙/鼠の草子/一人娘/蚤のサーカス/雪迎え -
虫けら様 秋山亜由子
Bunkamuraの地下一階に小さい本屋さんがありまして。学生の頃は渋谷の沿線に住んでいたので、その本屋はよく通ってました。演劇、美術、文学、映画など、私の大好物のジャンルの本を少し置いてあり、一般書店にはなかなか見かけない本も多いので、一度吸い込まれるとなかなか出られないブラックホールのような本屋です。
この間の「ボテロ展」の帰りに、久しぶりに寄りました。相変わらずあれやこれやと欲しい本はたくさん。ふっと見かけたこの一冊でした。文庫をペラペラ読むと漫画だった。しばらく躊躇した所、夫から帰ろうと催促されたので、その場では買わず、家に帰ったらアマゾンで注文。
しかし届いたら文庫版ではなく単行本でした。老眼が進んでいる私にはちょっとありがたい話ですが。
さて、題名の通り、虫にまつわる話でした。短編がいくつもあって、どれも「日本の昔話」のようなストーリーでした。作者の蟲愛がずっしりと伝わってきて、また絵柄も繊細で、おどき話のような話を描いていて、時間を忘れるほど夢中に読みました。特に瓢箪の話は全く秀逸である。
虫を愛す作者の想いはしっかり伝わって来ます。 -
気持ち悪いと可愛いが五分五分…いや、ろくよん?
すごく細かく書き込まれてるって訳でもないのにとても虫だ。
面白かった。
買ったのは文庫版じゃないんだけど…。 -
奇書が読みたいアライさん氏が紹介されており、これはと思って早速取り寄せた。確かに今の季節にちょうど良い、ささやかで物悲しい話ばかりだった。瓢箪虫はトップを飾るだけあってよかったし、冬虫夏草の話も何だか良い。ノミのサーカスも良い。良いなあこれ。
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ジュンク堂書店の企画コーナーで見かけて買った本。
ミツバチ、クモ、セミ、チョウ、ノミ。細密で不可思議な昆虫たち。「ハニカム」「雪迎え」が好き。 -
草野マサムネさんが推薦してたので読んでみました。
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これはスゴい!!!
虫の生態を誇張するでも美化するでもなく、かつ無上の愛を感じる。さらに読む人に虫への愛を生む。
●「若葉の頃ー/私は土の中へ/眠りから覚めた時/私は大人になるのです/ーしかし/どうしてこんなことになってしまったの?/食べ物のことを考えました/口がありません/羽もありません/私はなにか間違えてしまったのでしょうか/ああ そうか/世界は終ってしまったのですね子供のことを考えました/そうすると/どこかに世界の続きがあるような/そんな気が ふとしました」
●「どうして彼らは自分たちが冬、旅立つことを知るのだろう/どうして長く複雑な道のりを案内もなしに飛んで行くことができるのだろう/それは誰にもわからない/やがてまた春がくる」 -
絵が上手いし、オリジナリティの高い世界観。
漫画という表現の凄さを、突き詰めて発揮する。作者の力量に脱帽。
時間がかかって、採算が合わなくても、この様な漫画を描く人がいてくれることが嬉しい。