鏡花百物語集 (ちくま文庫 ふ 36-11 文豪怪談傑作選 特別篇)
- 筑摩書房 (2009年7月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480426185
作品紹介・あらすじ
大正年間、名だたる文人墨客名優たちを集めて幾度も催された百物語怪談会。座の中心には「お化けの隊長」泉鏡花がおり、喜多村緑郎、平山蘆江がいた。ときに柳田國男や芥川龍之介らも加わる座談の模様は、盛夏の風物詩として新聞雑誌で詳報された。史上初復刻となる記事多数と、そこから生まれた小説・随筆作品を併せ収め、怪談黄金時代の活況を文士の肉声でふりかえる怪奇座談アンソロジー。
感想・レビュー・書評
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泉鏡花が発起人の一人になった怪談会の模様と、そこから着想を得た彼の小品が載っていて、対比されているのが興味深い趣向。後半の座談会で、鏑木清方の奥さんから聞いたという男の子の話は、「龍潭譚」に繋がっているような気もするし、他にもそういう繋がりがこれから見つかるかもしれないと思わせられる、ワクワクする本だった。鏑木清方と小村雪岱の図版も入り、大満足。
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百物語怪談会、という催し物の最中に、泉鏡花含む色んな参加者が怪談話をする趣向。
柳田國男や芥川龍之介も出て来て、なんか嬉しい。怪談話自体は半ページ〜2ページくらいのものが多くて読みやすい。
ちょっと怖いのから切ないのや、なんやそのオチ!までイロイロあって楽しめた。 -
大正~昭和初期に行われていた文豪達の百物語怪談会を文字おこししたもの(新聞に掲載された娯楽記事企画ですね)。まず参加メンバーの豪華さにクラクラする。こういう交友関係があったのかという所や、怪談会に漂うサロン的雰囲気みたいなのが凄くステキ。今だとやれないだろうなぁという感じ。
ついで、この怪談会のネタをベースに創作した小説が掲載されており、こういうところで着想を得て創作に繋がるんだなあってのが見えて二重に面白い構成の本でした。 -
おぉ、「海異記」の元ネタなのね!と。しかしそういった話を聞いたことがないんだよなぁ。
この怪談会記事の雪岱の挿絵が素敵でまた薄ら寒くて。
返す返す、百物語に参加しても、披露できる話の一つもないことが悔やまれます。まぁ参加の予定はないからいいのですが。
あと、東京新聞にそんな歴史が、と。東京新聞好きとして嬉しかったです。 -
構成が良かった。これが新聞記事とは良い意味で驚き。
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こちらの作品は、大正後期から昭和初期に都新聞(現在の東京新聞)に連載されていた。記者が怪談好きで記事にしたのだが、遊び心があっていいなぁと思う。いまだったら考えられないし。
創作あり、鏡花が開いた座談会で、招待客が述べる実体験など、とても種類豊か。 -
いまよんでます。