文学賞メッタ斬り! (ちくま文庫 お 58-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480424136

感想・レビュー・書評

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  • 愉快、爽快、痛快な忖度無しの文学評論。

  • 解説:枡野浩一

  • 文学賞の解説としては大変にわかりやすくて良かったです。
    ま、所詮は選者の趣味が反映されるだけですが、書店的には本を売るためのいい宣伝になるということで、重要な仕組みなのでしょう。
    大賞が出ないと売り上げが上がらないようですしね。
    メフィスト賞とファンタジーノベル大賞が褒められていて一安心。
    一応、この二つの賞だけはフォローしているので。(^^;

  • 毒舌面白いし評論も妥当。ただ、この二人の評論の観点が一般読者にとってなんの役に立つのかは甚だ疑問だけど。(豊崎氏の主張って、実験文学をとにかく推して、巧者の書いたサラリとした技巧的王道小説には「そんな話今更誰読むの?」が多いけど、それって選考委員が気にすることであって、我々は楽しきゃいい、が本音だよね普通)
    あと、そんなことよりも思ったのが、この二人、読める小説と読めない小説がハッキリしてると思うんですよね。豊崎氏とか「小説読めない人間が選考委員やるな!」「○○氏には現代文学読めないでしょー」って盛んに言うけど、豊崎氏はセンチメンタリズムや抒情性、滅びゆくものの美学みたいな本は本当に読めない人だと思う...あぁ、それゃあなたはフィッツジェラルドの良さわからないでしょうよ、それ気付こうよ、だから、春樹とかの一部作品が全然わかんないんだよ...ハードボイルドワンダーランドとノルウェイはウリとなる部分が違うんだよ...
    そういう細かいツッコミはすれど、基本的に優秀な書評で、ガイドで、コスパ高い。

  • 題名に違わずメッタ斬りしている点は高評価.
    特に大御所と呼ばれている選考委員の作家の悪口をいいたい放題言っている.
    でもかなり冗長なので,興味のある部分だけかいつまんで読むのが吉.

  • これは面白かった。信頼の置ける書評家2人の対談ってだけでもワクワクする上に、文学賞の何たるかを説いている内容となると、面白くない訳がない。そもそも、芥川賞と直木賞の違いもいまひとつピンとこなかったから、そのあたりも含めてクリアカットに説明されているだけでも読んだ価値あり。で、有名文学賞の欠点とか、それの代わりとなり得る文学賞が示されていたりだとか、注目に値する文学賞の紹介とか、欲しい情報が満載。いやいや、実に参考になりました。ってか、これからも何かのたびに参考にしていくことになると思います。

  • 本文、補足共に盛り沢山で読んでない本、内容を忘れた本が殆どだったにも関わらず、面白かった。2人が褒めている本は是非読もうと思う。作家のキャリアに関わらず、納得がいかなければはっきりけなす所も正にメッタ斬りで良かった。最後の文学賞バクチ化計画にはわらってしまった。私も選考委員に選ばれて、まとめ役の偉い作家先生に「文章が長くて、漢字が多いので書いてある事の意味が分かりませんでした。」とか言ってみたい(笑)

  • 乱立している文学賞の特徴や受賞作、さらには選考委員の好みや選評まで紹介してくれる対談です。二大文学賞については、やっぱり皆同じように思うんですね。選考委員の方々に関する意見を読んでいるともう、「そう思うでしょ?思うよね!」と実際にテーブルをべしべし叩きそうになりました。急にマニアックな趣味について語れる仲間が出来たような喜びが味わえます。お二人の対談に割り込みたくなることもしばしばですが、熱意や知識がほぼ同じレベルでないと難しいんだろうな~と若干引いたのが「新文学賞の提案」。それはちょっと遊びすぎでは…選考委員もいじりたいがための人選になってるし…。
    同じ文壇に所属していながらこれだけ毒舌吐いて、その一方で自分に非があればちゃんと謝ったり教えを請う事ができる。仕事に対するその姿勢は勉強にもなりました。

  • 文芸評論家のお二人が文学賞を、作品を、そして審査員すら切る!
    痛快でした。

  • さすがに全部読むのはつらい
    直木賞、芥川賞、江戸川乱歩賞あたりと、SF関係を読む

    審査員を愛すべき人達として見れる、貴重な視点を獲得できる一冊

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著者プロフィール

1961年、高知県生まれ。翻訳家。書評家。責任編集を務めた『NOVA』全10巻で第34回日本SF大賞特別賞を受賞。訳書にウィリス『航路』、劉慈欣『三体』(共訳)他。編著に『ベストSF』シリーズ他。

「2023年 『NOVA 2023年夏号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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