賃貸宇宙UNIVERSE for RENT 上 (ちくま文庫 つ 9-4)

著者 :
  • 筑摩書房
3.83
  • (39)
  • (24)
  • (55)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 358
感想 : 49
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480421654

作品紹介・あらすじ

廃墟を改造した部屋、服に埋もれた部屋、赤一色に染めた部屋、異常に狭い部屋、土足でないと危険な部屋…。インテリア界に衝撃を与えた『TOKYO STYLE』で都市のリアルな賃貸生活を取材した著者が、その後9年をかけて取材した、関東関西の「大したことない人たち」の大したライフスタイル約300物件。持ち家という名の首輪から解き放たれた、狭くて広い宇宙がここにある。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 生活感のある賃貸部屋をまとめた写真集。一つひとつの部屋にその人の人生ドラマが窺えることから、部屋版「家、ついて行ってイイですか?」な本。
    2000年初期に撮影されたものが多いので、今となっては懐かしいものもたくさんある(ブラウン管テレビ、初代PlayStationなど)。

    テレビやSNSで取り上げられるようなお洒落なモデルルームを扱わず、「生活」に特化した部屋をまとめたのは、無名の一般人の生活の様子を知る良い手掛かりになると思う。

  • tokyo styleに引き続き・・・
    裸になることよりも自分を表象する、生活する空間。間違いなく人生の拠点だし、生活そのもの。撮影時期がインターネットに生活が移ってしまっている現代より、生活が物質的に表れる90-00年代であることも嬉しい。

    最近の美的感覚形成への影響がかなりでかい・・・

  • 賃貸物件の部屋だけを集めた写真集だが、こんなにも人の部屋、個性とは豊かなのかと感動。余りの本の分厚さに現在文庫自身が自壊しかかっている本として私の本棚で異彩を放っている。
    借り主が集めてきたもの、買ってきたものだけで埋め尽くされ生き生きと狭い部屋を埋め尽くしている。一つとして同じ部屋はない。その途方もなさはまさに「宇宙」と呼ぶにふさわしい。

  • ともかくすごいボリュームですので……読むの疲れます(笑) 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、写真集なので読むというより、観る、といった方が正しいのかもしれませんが…。

    前回のTOKYO STYLEよりもやや、近年に近い若者の部屋を撮影しているので、自分としてはこちらのが親近感が持てるような気がしますねぇ…ちょうど世間にインターネッツが普及した頃なのかな? 今なら古いと言われるようなPCが置いてある部屋が目立ったような気がします…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    今回は東京だけじゃなく、大阪、京都の若者の部屋にも訪れて撮影していますねぇ…なんとなく肩をいからせて生活しているのは東京、時の流れのままに…といった感じでのんびりとした印象を受けたのが大阪、京都の部屋ですねぇ…。

    やっぱり東京へ来る若者は何かしらを目指して来るわけですから、そりゃ肩肘張るようにもなりますわねぇ…。

    そんな感じで下巻へと続きます…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 暮らし
    社会

  • 汚部屋寸前から、一歩足を踏み入れた感じの賃貸に暮らす人たちの部屋の写真集。
    基本的に物量が凄まじい。
    ある意味どの部屋も蒐集されたものでいっぱいな感じ。

    いいなぁと思う部屋が3つくらいはあったけれど。
    それ以外は遊びに行きたいなぁとも思えない。

  • みんな物が多いなあ。スペースのわりに多すぎる。広ければいいってもんじゃないけれど、物に埋もれて暮らすくらいならいっそ何もないほうがマシ。まさに宇宙空間のように不思議な世界がそこにある。

  • 「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということばを圧倒的な物量と熱量で押し切る、賃貸部屋の写真集。聞けばロードサイド撮影の写真集で作者は木村伊兵衛賞を撮った経歴もあるとのこと。そしかしたらその自信がまた、ものすごい勢いを作品に追加しているのか、息つく暇もない、とにかくものすごい畳み掛けである。

    賃貸宇宙、というタイトルにあるように、確かにここが、地上であるとは信じられないほどの世界観。写真家のパワーがなにかをよんだのか、集まった写真はとにかく、息苦しいまでのモノと色に溢れかえって、画面をみっちり占拠している。

    京都の学生寮あり、代官山のパーフェクトマンションあり、神戸・大阪あり。ページ組もバラバラで、たまに登場する住人もいるのだが、裸でポーズをとっていたりと、こちらもまた、さすがこの部屋の住人、という感じ。

    1+1をひたすら繰り返すと、それはいつしか、足しあげたもの以上のなにかに化けるのかもしれない。
    この写真集にはそんなことを思わせる、なにかが滲んでいる。そんな風におもった。

    絢爛豪華でもない、百花繚乱でもないのにそこには確かに、なにかマッシブな量が存在していて、ブルータスやらポパイやらのお部屋特集には出せないなにかを、ぎゅうぎゅうとこちらに投げかけている。そんな感じだ。

    スゴイ。確かに。でも正直、勧めるのは難しい。そんな本。異様な存在感。

  • 人の部屋のおもしろさ、その部屋からあふれる生活感。
    そこから人への愛着がすごく湧きます。
    不思議と惹かれる1冊です。

  • 自分の小汚い部屋に愛着が湧いてくる

全49件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1956年東京生まれ。1976年から1986年まで「POPEYE」「BRUTUS」誌で現代美術・デザイン・都市生活などの記事を担当する。1989年から1992年にかけて、1980年代の世界現代美術の動向を包括的に網羅した全102巻の現代美術全集『アートランダム』を刊行。以来、現代美術・建築・写真・デザインなどの分野で執筆活動、書籍編集を続けている。
1993年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』を刊行。1997年、『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』で第23回木村伊兵衛写真賞を受賞。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続けている。2012年より有料週刊メールマガジン『ROADSIDERS’weekly』(http://www.roadsiders.com/)を配信中。近著に『捨てられないTシャツ』(筑摩書房、2017年)、『Neverland Diner 二度と行けないあの店で』(ケンエレブックス、2021年)、『IDOL STYLE』(双葉社、2021年)など。

「2022年 『Museum of Mom’s Art』 で使われていた紹介文から引用しています。」

都築響一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×