植物たちのフシギすぎる進化 ――木が草になったって本当? (ちくまQブックス)
- 筑摩書房 (2021年9月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480251114
作品紹介・あらすじ
生き残りをかけた、植物の進化を見つめると、その「強さ」の基準や勝負の方法は無限にあることがわかる。勇気づけられる、植物たちの話。
感想・レビュー・書評
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稲垣さんの本は分かりやすくて面白いので大好きだ。特にちくまプリマー新書の植物とイネと雑草の本は本当に素晴らしかった。中学入試によく出るというのも頷けるなあと思う。
しかし、とても売れている『生き物の死にざま』や『はずれ者が進化をつくる』は、なんだか、喩え芸みたいになってるなあと感じた。喩えは分かりやすくてよいが、あまりに喩えすぎるとげんなりする。
植物は人間とは生き方が違うから、喩えなくてもいい。きちんと説明するだけで十分分かりやすくて面白いのに。
読めない子ども(大人もだけど)が増えているから、より分かりやすく、読みやすく、喩えを使ってと要求され、稲垣さんにはその能力があるためやっちゃってる感じがする。
この本も単子葉類と双子葉類の進化のスピードをサッカーの試合に喩えるところから始まり、回る寿司と回らない寿司に喩え、ファーストフード(ファストフードじゃないかな)と高級うなぎ店に喩え、ラーメンチェーンに喩え、箱入りチョコレートに喩え…もう、喩えでお腹いっぱい。
ここまで喩える必要ある?
内容はプリマー新書を簡単にざっくりまとめた感じなので、プリマー新書が難しくてどうしても読めないなら、これもアリだけど、読めるなら、それぞれの新書を読んだ方がいい。もっと実例をあげながら詳しく丁寧に説明されていて、読みごたえがある。
稲垣さんを喩え芸人にしないでほしい。
簡単なのが悪いとは言わないが、クオリティはプリマー新書に劣る。
これが初めて読む稲垣さんの本なら十分面白いかもしれないが、私は物足りなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちくまQブックスとは、どうやら10代向けの本のようだ。本をあえて薄くし、読破できるようにしているのも特徴で、面白い試みだと思った。内容はというと、一言で稲垣先生の良質な講義を受けている気持ちになれた本。先生らしく、大変わかりやすい例えと表現で植物の世界を説いている。ここからさらに踏み込むとちくまプリマー文庫へ行くのかな?共進化や生物多様性に関するもっとも易しい解説とも思う。しかし、読んでいくとワクワクもときめきもあるので、やっぱり植物はすごいとしかいいようがない。
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進化、多様性、個性を植物から学ぶ!
まずページ数が少ないのでさらっと読める。それでいて勉強した気持ちになる。被子植物と裸子植物のどちらが昔からあったか? 単子葉植物の利点とは? もしかしたら理科の授業で習ったことかもしれないけど、なるほどと楽しんで読めた。 -
イラストが2色で豊富。しかもかわいい。
若い読者向けなので文章も平易で読みやすい。
進化について書かれている。
そして、弱い者が滅び、強い者が生き残るというのが自然界の鉄則ではあるが、「たくさんの種類がある方が強い」「みんなが違うことが強い」 -
高校生の頃出会いたかった本。生物を丸暗記ではなく理屈を知って理解できる本でした。
「生物は、必要のない個性は持ちません。」が凄く納得させられた。 -
植物について学ぶの、物凄い久しぶりかも。忘却の彼方にいってしまいそうな懐かしい単語たちにも、久しぶりに触れられた。
本シリーズ(あと岩波ジュニアスタートも)を、趣味嗜好を問わず、基本的に全部読破したいと考えるようになったんだけど、それは偏に、こういう出合いを求めるからこそ、なんだな。いきなり専門書ってのはハードル高いし、ひどい分野だと、小学校卒業以来、ほとんど触れていないみたいなのもあるしな。 -
本筋と外れるけど、おすすめの本は?と聞かれて答えない著者の考え方に惹かれた
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図書館で。
被子植物と裸子植物の違いとか、なるほどなぁと思う事が多くて面白かったです。葉が固い植物がケイ素とかを取り込んでいるってのも面白かった。ナルホドそれは手を切るよなぁ。
知っていそうで知らなかったことをわかりやすく教えてもらって面白かったです。他のシリーズも読んでみようかな。