科学の社会史 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480098832

作品紹介・あらすじ

大学、学会、企業、国家などと関わりながら「制度化」の歩みを進めて来た西洋科学。現代に至るまでの約四百年の歴史を概観した定評ある入門書。

感想・レビュー・書評

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  • ,2020-8-31 amazon 499円

  • 「人間の営みとしての科学がどのように社会とかかわり、それによって近代科学の目的や性格はどう変わり、今日あるような姿になったのか」を描き出したもの。
    初学者向けの入門書とのことであるが、大変読み応えのある内容で、原発事故やIPS細胞、コロナやAI等々、昨今の「科学と社会」との関係を考える上でもとても有益であるように思える。

  • 皆さんは、これまでに修めた諸学問の基礎知識を土台に、これから専攻分野の学問を高度に学んでいきます。それらの歴史的・思想的・社会的背景と発展の系譜を俯瞰することは、体系的な理解に有益です。その嚆矢として本書を推薦します。

  • 科学の内容だけでなく、科学を取り巻く人々の考え方の変化や科学と国家の関係も幅広く知ることができ、非常に勉強になった。さらに異なる学説を紹介した上で、著者自身が正しいと思う学説とその理由をしっかり述べており、立体的な視点を得ることができた。唯一欠点があるとすれば、日本の科学のあり方について全く触れていないことだったが、それはまた別の書籍で読むことにしたい。

  • 古川安『科学の社会史』(ちくま学芸文庫)読了。主にヨーロッパにおける科学の発展と関わりを取り上げた科学史の教科書的一冊。デュポンのナイロンの発明者が鬱になって自殺したことは知ってたけれど、彼が「純粋科学」の探求と企業の利益追求の狭間で苦悩してた云々を読んでなんだな複雑な心地になる

  • 【書誌情報&内容紹介】
    大学、学会、企業、国家などと関わりながら「制度化」の歩みを進めて来た西洋科学。現代に至るまでの約四百年の歴史を概観した定評ある入門書。

    『科学の社会史――ルネサンスから20世紀まで』
    著者:古川安[ふるかわ・やす](1948-) 科学史。
    シリーズ:ちくま学芸文庫
    定価:本体1,300円+税
    Cコード:0140
    整理番号:フ-40-1
    刊行日:2018/10/10
    判型:文庫判
    ページ数:384
    ISBN:978-4-480-09883-2
    JANコード:9784480098832
    http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480098832/


    【目次】
    増訂版まえがき(二〇〇〇年三月 古川安) [003-004]
    まえがき(一九八九年五月 古川安) [005-007]
    目次 [008-011]

    序章 社会における科学 015
      西洋文明の衝撃と日本
      科学の社会的次元――本書の視点

    第1章 二つのルネサンスから近代科学へ 029
      科学革命とギリシア科学の遺産
      一二世紀ルネサンス
      イタリア・ルネサンス

    第2章 キリスト教文化における近代科学 045
      ベイコンの科学観
      ピューリタン革命と近代科学
      科学の信仰的動機――自然探究者の弁
      機械製作者としての神

    第3章 大学と学会 068
      科学革命と大学
      大学の起源と発展
      学会の興隆
      ロンドン王立協会
      王立科学アカデミー

    第4章 自然探究と技術 090
      科学と技術の伝統
      科学のための技術
      技術のための科学

    第5章 啓蒙主義と科学 106
      「光の世紀」と神なき科学
      進歩主義の興隆
      科学の大衆化
      メスメリズム運動

    第6章 フランス革命と科学の制度化 129
      フランス革命と科学
      エコール・ポリテクニクの出現
      ナポレオンの改革
      ナポレオン帝政下のフランス科学の興亡

    第7章 ドイツ科学の勃興とその制度的基盤 149
      フランス科学の「衰退」とドイツ科学の「興隆」
      研究型大学の登場
      ギーセン教育制度
      改革への道
      テーハーの台頭

    第8章 科学の専門分化と職業化 172
      科学の専門分化
      科学の職業化とは何か
      技術者の世界の変化――工学者の誕生
      科学の職業化の過程

    第9章 産業革命とイギリス科学 196
      イギリス産業革命における技術と科学
      化学工業にみる科学と技術の融合
      ヴィクトリア朝前期のイギリス科学

    第10章 アメリカ産業社会における科学 212
      アメリカの大学と産業
      産業の科学化―― GEとデュポンの基礎研究
      科学の産業化

    第11章 科学とナショナリズム 235
      科学における国家意識
      万国博覧会の波紋
      大学付属研究所の出現
      国家の「生存闘争」に向けて――国立試験研究機関PTRの登場
      カイザー・ヴィルヘルム協会の創設

    第12章 戦争と科学 265
      軍事技術と科学
      第一次世界大戦と科学者共同体の再編
      化学戦の展開
      両大戦間期の科学者たち
      第二次世界大戦と原爆開発
      科学者の社会的責任と戦後世界

    終章 科学・技術批判の時代 296
      環境・生命・エコロジー
      もう一つの科学・技術
      岐路に立つ科学技術文明

    文庫版あとがき(二〇一八年夏 柿生にて 古川安) [314-317]
    注 [18-66]
    図版出典 [15-17]
    人名索引 [6-14]
    事項索引 [1-6]

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著者プロフィール

総合研究大学院大学客員研究員、科学史家

「2022年 『津田梅子 科学への道、大学の夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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