- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480073464
作品紹介・あらすじ
「お前らを日本から追い出すために入管(ここ)があるんだ」。密室で繰り広げられる暴行、監禁、医療放置――。巨大化する国家組織の知られざる実態。
感想・レビュー・書評
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出入国在留管理庁(入国管理局)の横暴さは聞き及んでいますが、まさか日本国内でこんな非人道的な事が行われているとは、思っていない人が大多数ではないでしょうか。
日本は外国から好かれている、尊敬されているというテレビがわんさか放映されていますが、実際は異常に他国人を嫌い、排除しようとしている国なので、いずれ誰も訪れない辺境の島国となる事でしょう。
この本を読むと、いかに日本という国が異物を嫌い、民族主義なのかがとことんうかがい知れて、悲しいし恥ずかしい気持ちになる事間違いありません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近ニュースにあがることの多い話題であると思うため、難民のことを知る良い機会となる一冊だった。
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ウィシュマさんがなぜ亡くなったのか、どうして収容中も亡くなられた後も。こんなに非人道的な対応しか入管も政府(法務省?)もできないのか、入管の職員の人たちは、きっと日常は「ふつうの人」だろうに、どうして聞くだけでもあまりにも辛い、むごすぎる言動・行動をとってしまうのか、とれてしまうのだろうということが、どうしてもわからずに、何かわかるかもしれないと思い、手にした1冊。
ウィシュマさんが特別なのではなく、氷山の一角。今も入管で現在進行形で日常茶飯事的に苦しんでいる人、困っている人、絶望している人がいる可能性がとても高い、いやほぼ確実であることがわかった。
窓もない、自由時間も、することもほぼない…。ただ、収容されているだけ。支援者や家族などとの面会も限定的。こんな環境・状況は、どう考えたって人道に反することは誰だってわかるはず。このコロナ禍で、ほぼ職場と自宅の往復。その途中、本屋さんや静かなカフェには行くことができている。そんな私でさえ、ものすごく疲弊しているのに、それ以上の環境で、いつまで収容されているのかもわからない。病気になっても適切な治療が受けられない可能性大、家族とも会えない。って、どれだけストレスフルなことだろうと思う。
日本に足りないのは、「尊厳」。
「日英の違いは、職員が収容者と対等の関係を築こうとしているかどうかです。日本ははっきり言えば、尊厳を奪うために収容していて、屈辱を与え圧力をかけることで日本から追い出そうとしているのだから英国と対極にあります。」(P.254)
この一文が入管のすべてであり、入管の問題の本質だと思った。
どうしたらウィシュマさんの事件を2度と起こさないようにできるのか…。技能実習生の制度の問題、難民認定率の低さの問題…本当にいろいろなものが絡まり合っているようで、途方に暮れてしまう。まずは、「知ること」だって大事だと言い聞かせて読み終えた。 -
入管の人権意識の低さ、と言うか人権意識の無さに愕然とする。これはやはり入管だけではなく日本全体の人権意識の低さなのだろう。完全に世界標準から取り残されている。このままの状況で放置してはいけない問題。
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TBSラジオの『荻上チキ・Session-22』
(現『Session』)で入管によって人権を無視されたような対応されてる人たちがいることを知り興味があったので読んでみた。そしてこの本でわかるのは、あまりにも辛い状態で過ごしている人がいまの日本にたくさんいるということ。
これ以上は罵詈雑言になりそうなのでここまでとします。
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ひどいエピソードのオンパレード。もっと知られるべき
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読み始めた段階で、日本という国が嫌になり気分が悪くなった。
自国主義、排他的、差別的な入管施設運営を続ける日本、将来ツケが回ってくるだろう。
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入管の実態はここまで酷いのかと落胆したし、この問題をちゃんと理解していなかった自分にも嫌気がさした。ルポなので、不法入国者の違法性にはあまり焦点を当てないなど中立的な論調ではないというのは念頭に起きつつ、明らかな人権侵害が自分の生まれ育った国で行われているという内容にショックを受けた。自己責任論や排外主義、権威主義的な思想が国民性だとは思いたくないが、そういった性質の考えが入管という権力のもとで表出している実態が窺えるし、国際社会の一員としてとても恥ずかしさを覚える。
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入管当局のひどい状況が記録されている 日本は難民に対する姿勢が絶望的である 適切な情報公開がなされておらず、牽制機能もないため刑務所以上にひどい環境となっている